silverlining さん
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43件中11-20件
2020年3月22日 to ジョン・F・ドノヴァンの死と生
グザヴィエ・ドランの目を離せなくなる映像表現
やっぱりこの人のカメラワークと音楽の使い方は秀逸
にしても
グザヴィエ・ドランのアメリカ進出の第一作だが
キャストを良く調べずに観たらびびってしまった
恐ろしいほど名優がバンバン出てくる
つまり、ハリウッドにおけるドラン監督の評価がそれだけ高いことの証ではあるが、その名優たちの演技力を上回る映像、そして主役の子役の演技の素晴らしいさ
スター俳優の栄華と没落
心を病んだ経歴、芸能界特有のプレッシャー、睡眠薬の過剰摂取
いじめられっ子の成長
夢、苦痛、親との葛藤、愛
二人の間に生れたて不思議なシンパシー
など一見ありがちな内容と結末でありながら
グザヴィエ・ドランならではの静と動、感情の爆発と平穏で描く
「生と死」ではなく「死と生」であることの意味
2020年3月19日 to 音楽
音楽に携わる全ての人に観て欲しい作品(嘘です)
しかし音を奏でることへの衝動って本来こういうことだよなと思い出させてくれる
ストーリーは限りなく下らなくシュール
ナンセンスなのが凄いハイセンスみたいな
音楽には理由とか意味とかが必要ではないんだな
熱量が半端なく圧倒される
まあ、合う合わないが激しいだろう作品
2020年3月17日 to エキストロ
これぞ日本を代表するコメディ映画と言われるようになるかもってくらい面白い
いや、コメディ映画と言うよりは壮大なコントだ
最初の10分は、あまりにつまらなくてハズレたか?と思ってしまった。
とある一人のエキストラを取材する前半部分は並以下の映画だが
話が進むにつれ、これでもか!というくらいに、ふざけ方がエスカレートしてハチャメチャになっていく
いやいや、予想の斜め上を行って上手くまとめるのは傑作だが
この作品はストーリーが異次元に到達する
演者の使い方が素晴らしい
もしかしたら当て書きの脚本かもしれない
そして、散りばめられた前フリを見事にオトしていく雪崩式のお笑いは大傑作
2020年3月17日 to 新聞記者
日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞
らしい
日本のアカデミー賞は全く気にしたことなかったが
作品内容が気になって観賞した
現代日本のジャーナリズムと政治の腐敗を描いた作品で、話題になったニュースをいくつも名を変え取り上げている
がノンフィクション感は冒頭10分ほどで物語としてのリアリティはどんどん失われていく
最近のドラマ「相棒」シリーズを好きな人なら好きかも
デジタル撮影の演出過多、内閣府(内調)のオフィスってホントにあんなに照明暗いのか?
なんだろうあのスローモーションは?
あれが格好いいとか演者の演技をより際立たせるとか思ってるんだろうか?
終始気になるのは主役の韓国人女優のバリバリ朝鮮訛りの日本語
何故この人を器用したのか?
演技力は良いが役柄にマッチしていない
終盤に朝鮮訛りの理由が説明されるが手遅れ、まあ設定としては無難で予想通りだが、それまでの感情移入できない違和感は取り返せず
この手の政治批判的な作品に日本人の女優は恐くて出演できないのか?
政治不信しかも内閣府を対象にしていて総理大臣が全く出てこないと言う忖度
いや総理大臣描いてたら、公開に圧力が掛かったかもしれない
日本の映画界がこの作品を制作し持ち上げたのが日本の現状への批判なら素晴らしいのだが、単に作品の良し悪しでの受賞なら、日本映画界のメインストリームってホントにダメだよなと言う印象
共感:1人
2020年3月1日 to 37セカンズ
あー早くも2020年のNo.1出ちゃった
素晴らしいの一言
何故に人は愛をこじらせてしまうのか
障害があろうがなかろうが人は皆弱く、自由を望みながらも何かに自分を犠牲にし、人を想うことで幸せを見失う
自分と異なる者や知らない者に恐怖を抱くのは、人が生き残るために獲得した本能ではあるが、この世に同じ人間などいない
持つ者と持たざる者がいたとして、持つ者が全てを手にしてる訳ではなく、持つ者が手に入れられない物を持たざる者が持っていたりする
この物語の登場人物たちはチョイ役ですらバックボーンが垣間見える
何らかの欠落を持ち、それを受け入れた人々は主人公ユマを受け入れることに垣根がない
それは持たざる者が持つ何かなのかもしれない
逆に登場人物でバックボーンが見えないのがユマと共に旅をする介護士の俊哉である、出番の多さの割にポイントとなるセリフが皆無
ちょっと良さげなセリフを言わせようと思えばチャンスは山ほどあるのだが、それがない
それは介護士として獲得したものなのか、描かれてはいないが彼の欠落なのかも
変に感情を描けば焦点がボヤけるための演出なのかもしれない
籠の中の翼のない鳥にも大空を飛ぶ本能がある、籠を飛び出した鳥の勇気は出会いを引き寄せ運命を切り開く
しかし、翼がなければ1人では空は飛べない
そこでユマを助けるのか舞と俊哉だ
2人がユマを助けるのは同情ではなく共感、そしてユマの勇気に対する称賛か
籠である母親も多くのモノを失い傷ついている
籠の存在価値とは鳥が中にいるからであって、空っぽの籠には存在価値がない
籠が鳥を失う恐怖とは如何なる物か
しかし、翼のない鳥の羽ばたきは籠すらも自由にすることとなる
主人公を演じる佳山明の全てをさらけ出しすような体当たりの演技が素晴らしい
彼女の表情を観るだけでもこの作品には価値がある
2020年2月18日 to 1917 命をかけた伝令
驚異のワンカット映像は完全な嘘
ワンカット風に編集された映像
編集点があちこちにあって気になる人もいるだろう
物語の時間は15時間ほどか
それを2時間にしてワンカット風にしているので映像の繋ぎとストーリーの時間経過にギャップが多く違和感が凄い
確かに映像単体を観れば素晴らしい
小道具や死体描写などにもリアリティがあり、良くこんなロケ撮影、セットを作ったと思う
が、ストーリー展開にリアリティはなく
命を賭ける緊張感も最初だけで、どんどん薄れていく
罠のあの火薬量で何故かほぼ無傷だったり、相棒のドジな死に方、ドイツ兵の狙撃の下手さetc.etc.
途中からは、この作品はファンタジーのコメディなんだと思って観ていた
前フリも肩透かしだし
まあ、映像は最後まで飽きることなく観ることはできた
(もしかしたら、メンディス監督が子供の頃に父親が子供を楽しませるために語ったヨタ話なのだろうか?そうするとストーリーが子ども騙しなのも納得がいく)
共感:2人
2020年2月18日 to キャッツ
全体的には凡作
カメラワークが最悪
ダンス、ワイヤーアクション、そしてCGを駆使した演出は凝ってはいる
舞台は観たことないが
これだけ歌と踊りが続けば舞台で観れば圧巻だろう
しかし、この作品ではカメラワークでアップの多用と細切れにされて凄さが伝わらない、しかも最初のシーンはカメラの揺れが激しくゲンナリしてしまった
しかし、ジェニファー・ハドソンの名曲「メモリー」が圧巻!
それまでの凡作感を完全に引っくり返す
この1曲のためにこの作品はあると言って良い
2020年2月13日 to ザ・ピーナッツバター・ファルコン
車移動は少ないがいわゆるロードムービー
ストーリーに新鮮さや驚きはない
この手の設定にしては偏見や社会問題などはあまり描いておらず、アメリカ映画らしいといって良いのか能天気なリアリティのないファンタジー作品
何も考えないで見ても、ふーんって感じ
リアリティがないのだから、もっとコメディに極フリした方が良かったのではないだろうか
2020年1月25日 to ジョジョ・ラビット
200%全力コメディ
戦争の悲惨さを刷り込まれている者としては中々心の底から笑えないのではあるが戦後75年経った今なら声を上げて笑って良いのではないだろうか
戦争映画の2つの大きなパターンは「英雄化」し戦争を美化するか「悲惨さ」により反戦を訴えるもの
だがこの作品は全力で面白おかしく悪ふざけをし戦争の「滑稽さ」を描くことにより反戦を訴えている
これに類似していて最初に浮かぶのはチャップリンの「独裁者」だ
ワイティティ監督がチャップリンへのオマージュを込めているのを感じる
ハッキリいってワイティティ監督自ら演じるヒットラーはヒットラーに見えない
どちらかと言うとチャップリンのようだ
頭が悪いレビューにはリアリティがないとか書かれていたりするがリアリティなんてくそ食らえだ
ワイティティ監督が演じるのは実在のヒットラーではなくジョジョの妄想なのだから
この作品に終始描かれているのは「優しさ」
ナチス政権下の狂った世界で、その優しさはまるで魔法のようだ
観る者の心を温かくしてくれる
最後のシーンでジョジョとエルザと一緒に踊りたくなったのは私だけじゃないだろう
(空いていたので実際に踊ってしまったのは内緒です)
手放しにハッピーエンドではないが
母親の強さを受け継いだジョジョはきっと幸せになったんだろうと確信させるシーンだ
共感:3人
2020年1月17日 to パラサイト 半地下の家族
筆舌しがたい傑作
ポン・ジュノ作品は特別好きではなかったが今作品は好き嫌いを越えている
様々な伏線、前半のリズミカルな展開、後半まさに大雨により高台から半地下に流れ込む激流のように物語は全てがひっくり返り、そして衝撃のクライマックスを迎える
2回観たが全く隙がない
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