FOXHEADS さん
50代前半
男性
誕生日 : 8月7日
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2017年10月7日 to アナベル 死霊人形の誕生
試写会で鑑賞しました。
「死霊館」と「アナベル」の一連のシリーズには毎度楽しませてもらっています。
今作は「ライト/オフ」の監督という事で、明と暗のコントラストで恐怖感を煽る手法で、暗闇の恐怖を見事に体現していましたねー。わ!ビックリした!よりもジワジワ来るのが好みですから、ハマりました。今後はちょっと違った展開にも期待したい、キャリアはまだまだだけど期待の監督さんです。ジェームス・ワン関連での活躍を熱望します。
主幹ストーリーは毎度な感じですが、昨今流行りの反撃に転ずる強いキャラがおらず、主要な登場人物が少女達という事が不安を助長するんですかねー。これは狙い通りでしょうか。、ある意味、惨殺はされないかなー、という安心感もあったのは事実。実際のところは明かしませんが、ショック!残酷!猟奇!なホラーと一線を画した作品、幅広い映画ファンの方々にオススメですね。
前日譚という事で、1作目のキャストもしっかり登場、謎の回収と事後説明もしっかりされていて納得できた。今作を鑑賞する前に、アナベル1作目を復習しとくと、より楽しめるかと。田舎の一軒家という密室が大半ですが、多重構成になった後、更にシリーズの広がりを予告(もう決まっている模様)するサプライズが。最後まで席を立たない事をおススメします。
やはり、製作でもジェームス・ワンが絡んだホラー愛に満ちた作品は最高です。彼の監督としての次作はアメコミものの様です、こちらも拝見しますが、やはりホラーへの再々カムバックを熱望します。
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2018年2月7日 to スリー・ビルボード
実はこの監督の作品は初見だが、非常に良かった。単純な社会問題提起⇒仲間が増え⇒解決!って思っていたオハナシとは180°異なる、予測不能の脚本が巧み。こうなるだろうな〜と思っていたこちらの予想を何度裏切られた事か!アカデミー賞に主要3人がノミネートされているのも頷ける、極端ながら深みのある演技も素晴らしい。何だかスカッとしないところも、余韻を楽しめて良い。多数織り込まれた細かいネタや暗喩探しも含めて、何度も観たくなる作品です。ケイレブが異常じゃない役をやっていて、しかもいい役!彼にもに注目して欲しいです。オレジュ!
2018年2月7日 to ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男
世界屈指のファッションデザイナー、ドリスのドキュメンタリー。厳しくもガツガツしない仕事ぶり、自宅の庭園と花に囲まれ自炊(笑)する生活、ごくごくフツーな日常のファッションに、彼の自然体な生き方が如実に表れていた。そんな人でも、やはり葛藤と失敗もあった様だ。だが、業界に媚びることなく独自の道を切り拓く彼のスタイルには、非常に共感を持った。ファブリックと花とパートナーとスタッフを愛する男の自然な生き様。こんな人生を送れたらサイコーだろうなあ。
2018年2月7日 to RAW〜少女のめざめ〜
前評判に偽りなし。吐き気をもよおす程に残酷で異常な映像世界が多いのは確かで、色彩の使い方が更にそれを助長する。グロい映像や異常なストーリーを中心に置いているので、直視出来ない人は多いかも知れないが、女の子の成長物語としても描かれている。全てが収束されるラストに、スタンディング・オベーションが起こったのも納得。鑑賞後に色々と考えてします作品。特筆すべきは鮮烈な色彩が盛り込まれた映像感覚。新進女性監督ジュリア・デュクルノーの、これが長編デビュー作。現時点で今年最高の衝撃作。凄すぎる。
2018年2月20日 to グレイテスト・ショーマン
実在した伝説の興行師、P.T.バーナムが仕掛けた「偉大なるショー」の映画化作品。豪華なセットやド派手なパフォーマンス、見事な歌唱と構成力で、全く飽きることなく鑑賞できました。やはりヒュー・ジャックマンの魅力が炸裂!躍動感のある演技と踊り、迫力のある歌唱など、見事に才能を発揮していました。個性的なキャラクター達のパフォーマンスも素晴らしかった。ヒューと最後に交代したザックは比較されてるようで可哀そうでしたが、しっかりと好感の持てる演技でした。個人的にはミュージカルって苦手で、「ララランド」も好きじゃなかったんですが、今作は素晴らしかったです。
アメリカの批評家たちは、今作に好意的な意見が少ないみたいですね。P.T.バーナムの史実と違うとか、人物描写が薄いとか...そんな否定的な意見を吹き飛ばす様な観客動員と興業収入、そしてサウンドトラックのヒットが、観客の素直な感動を感じさせて、痛快でした。批評といい、アカデミー賞にも楽曲しかノミネートされていない事実といい、ちょっと違和感がありますね。
宣伝文句の「ララランド」のスタッフが...っていうのは無用。個人的には、こちらの方が断然楽しめました。ただ、「ララランド」の音楽制作チームが手掛けたオリジナル音楽は非常に良かったですね。時代背景を踏まえたオールド・タイマーなものではなく、現代的な曲やアレンジが見事な抑揚を生み出していました。それってある意味、定石破りなのかも知れないが、非常に良かった。サントラ、すぐに聴きたくなったもの。
今年度最高に楽しめるエンターテイメント作品です。
2018年2月20日 to THE PROMISE/君への誓い
第1次世界大戦中に起こった、トルコ人によるアルメニア人虐殺。世界の歴史上最悪級のジェノサイドを背景に、その激動の時代に翻弄される、2人のアルメニア人と1人のアメリカ人を核に、彼らの家族や友人や仲間たちが被る悲惨な迫害と、それぞれの運命を描いています。あまりにも重いテーマですが、主演3人の三角関係を挿入することで、ドラマ映画として観られます。でも、実際に起こったことの重さの認識はしっかりと出来る、意義のある作品だと思います。
もちろん、作品中の人物像としての魅力もありますが、クリスチャン・ベイルの演技は見事でしたねー、変わり者で沸騰しやすく、しかしヒューマニティーに溢れた記者を見事に演じていました。今作で一番好きなキャラクターでした。
ラストで流れる、昨年に早世した故クリス・コーネルの現時点での遺作である「The Promise」が本当に泣けます...。アルメニアといえば、システム・オブ・ア・ダウンは?と思ったら、サージ・タンキアンが1曲に参加していましたね。
2018年2月20日 to 15時17分、パリ行き
最近は実録物が多いクリント・イーストウッド監督作品。その究極の形を作ってしまったと言える本作。主役の3人をはじめとして、事件の当事者が演じているという、余計な脚色や演技指導なく作られた作品は、非常にリアリティが...っていうか、ホンモノじゃん!でもこの部分は明かさない方が、あっ!となって良かったのでは?ま、監督自身のインタビューでもオフィシャルサイトでもバラしてるから...。
事件当時の部分がやたら短く、前置きと思っていた主人公3人の過去が冗長だなー、と思っていたら、かなりの量の伏線があって、意味あるものと知り納得。事件そのものよりも、それに至る運命を描いていたのですね。さすがイーストウッド監督!と思える作品でした。
2018年3月7日 to The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
トーマス・カリナンの原作を、クリント・イーストウッド主演、ドン・シーゲル監督で映画化した『白い肌の異常な夜』に続いてソフィア・コッポラ監督で映画化。ストーリー、シチューエーションは原作とほぼ同じなので、小説の再映画化か、映画のリメイクかイマイチ読めない。両者の明らかな違いは、前作が男目線で、今作が女性目線だったってこと。男目線で描かれた前作は、怖すぎる女性陣(一番怖いのがラストの...)が衝撃的でサスペンスフルな展開がキリキリとスリリングな傑作でした。今作は、女性陣がキレイで品がいい。サスペンスを描きたかったのか、というと違う気がする。ホンマもんを使用したという衣装は素晴らしく、女性達も美しかったので、ソフィア・コッポラ作品としては成功だと思うが、この題材には...?
2018年3月7日 to シェイプ・オブ・ウォーター
半魚人と、口のきけない中年女性との恋物語。ギレルモ・デル・トロが子供のころに創造したストーリーが原案だという作品で、彼らしいよなあと頷ける部分も多数あり、映像の美しさと魅惑の音楽とストーリーが相まって、傑作であることは間違いない。が、デル・トロ作品に蠢くダークでファンタジックな部分が薄まったのは残念。この題材にいるか?って話もありますが、個人的な好みを言えば、デル・トロ作品としては中の下くらいかな。ギレルモ・ナヴァロが撮影していないのが大きいか。独特のダークなフィルターが無く、美しい映像は完成度高いとは思いますが...。ヒネリの効いたプロットが多い昨今、このストレートすぎるストーリーが物足りないかなー。ノスタルジックな映像と音楽は、ウッディ・アレンの方が上。デルトロ作品となるとちょっとカラくなってしまいます。俳優個々の役どころも予定調和かな。一番の見どころは、最初は気弱なお父さんキャラが多かったが、「ノクターナル・アニマルズ」と今作で、檄悪毒キャラ道を突き進むマイケル・シャノンが素晴らしい!サム・ロックウエルとの毒男対決で、助演男優賞は彼に取ってもらいたかったなあ...。
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2018年3月7日 to 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
ヨルゴス・ランティモス監督は、いつもヘンテコな人たちをヘンテコなシチュエーションに置いて、異常な行動に導きますが、今作ではあまりヘンテコでは無い。父親の一つの過ちから、家族がとんでもない事に巻き込まれてしまう。父親以外、あまり悪い事やった人はいないんですが、その事実と向かうべき悲劇的な結果が明らかになった時の個々の行動が色々ヒドい。それが家族であろうとも。人間の心理と行動は、既にブラックな笑いに転化。そういや、「籠の中の乙女」も「ロブスター」もコメディだよね。前の諸作のザワザワヒリヒリする様な展開は多くは無いが、人間の心理の追求をフツーの方向にしない所がこの監督の真骨頂。サスペンスフルな映像と音楽は素晴らしくスタイリッシュで完全に一皮むけました。全く飽きずに鑑賞出来る大傑作!ギリシア人監督らしい元ネタ...というかモチーフになったお話が、ズバリ劇中に出てきます。ヨルゴス・ランティモス作品の中でも非常に親切で分かり易い作品だが、人間という存在のイタさの描き方は最上級クラスです。アリシア・シルバーストーンが出てますが、何かの暗喩ですかな?アカデミー外国語映画賞を取ってもらいたかった!