えり蔵 さん
男性
カウンタ : 8226
ただいまの掲載件数は タイトル68292件 口コミ 1212538件 劇場 602件
※ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。
55件中1-10件
2016年9月22日 to オーバー・フェンス
虚無感を漂わせているが理性的なイケメンの中年男が、総合失調症ぎみの女のどこに引き付けられるか最後まで私には理解できなかった。
元妻が産後ノイローゼになるまで気が付かなかったことに対する贖罪の意味があっただろうか…。
ただし松田君を初め出演者は自然体でいい味出してます。
また、脚本も良く出来ており、専門学校の同僚との会話も面白かった。
蒼井優は熱演であるが、全裸を見せるぐらいの覚悟が欲しかった。
2016年9月22日 to グランド・イリュージョン 見破られたトリック
ストーリーを無視したご都合主義の話の展開、不要なキャラの登場、ITでやると何でもできちゃうという観客を煙にまく論法。これらは私の大嫌いな映画のスタイルである。その典型的なのがこの映画なのである。
後で振り返っても「あのシーンは物語と何の繋がりがあったのか」や「何でこの人物がこの場面で出てくるの」とか疑問満載なのである。
例えば観客を無理やり泣かせようとしたラストシーンの取ってつけたような「実は○○でした」の話についても、不自然だ。
他にも女性キャラ(主演女優にも問題あり)の魅力不足だとか他にも色々ある。
ただ、ICチップをカードを使ってすり替えるシーンは撮影の上手さとアイゼンバーグを始めとする役者の凄さを味合うことが出来る。
ただそれだけの映画だといってもいい。
共感:2人
2016年9月22日 to シン・ゴジラ
古今の日本のSF映画の中でも最高の1本だと思う。
今回のゴジラはこちらが攻撃してこなかったら、ただ移動するだけなのに劇中に核とかウラニュームというセリフが出てくるが、そうかゴジラは壊れた原子力発電所なんだと改めて思った。
なんで東京ばかり出現するのか、ウラニュームが欲しければ福島でしょと突っ込みたくなるがそれでは洒落にならんですものね。
ゴジラのあんなところから殺人光線が出てくるとは…。昔子どもの頃観た初期のガメラに出てきた怪獣を思い出し、思わずニヤリとしました。監督さんよく勉強してます。
脚本も良く出来ているし、役者のセリフが棒読みだという意見もありますが、逆にリアルが増しこれでよし。
で問題はですね、あの石原さとみ。ありゃ何ですか、物語ぶち壊しじゃないですか。
実は当初の段階では違うキャラクターで別のアメリカの俳優だった。それが上からの圧力で急きょ石原さとみのキャラを合わせるために無理やり変更したとしか思えない。
おばあちゃんが日本人といっていたが、どう見ても白人の血が入っていないし、演技が余りにも○○していますよというのが出すぎて鬱陶しい。
いくらアメリカが日本を軽く見ているとしてもあんな奴寄越すわけないでしょ。あのアホ丸出しが大統領になるだって、ヘソが茶をわかすぞ。
途中からゴジラに早く殺されればいいのにと願うようになった。
100点満点の映画なのに石原キャラのためにマイナス10点です。
共感:1人
2016年9月22日 to 君の名は。
最初に。私は熱心なアニメフアンではない。
例えば、世評が高いジブリは優れた映画なのだろう。だが、観ていると宮崎駿の体臭(思想?)を感じてしまうのだ。
理屈っぽい性格のせいか、アニメとは限らないが、これくらい辻褄が合わなくてもいいじゃないかとかいう感覚が嫌なのである。
でも、『君の名は。』は、良く出来たアニメである。流星群が落ちてくる場面もとても綺麗だし、話も大林宜彦監督の作品を下書きにして話が展開するので、懐かしさを覚えた。
しかし、ネタバレになるので余り書けないが、大きな疑問が幾つか残るのである。
例えばあの3年のズレに伴う年齢の問題はどう説明するのか。だが、そんなこと重大なことではないように話はクライマックスに向かって進んでいくのである。
他にもあって、なんとなくシックリこないまま映画館を出た。
後日、同僚の年下の女性にそのことを尋ねたら、「それくらい」と嫌な顔をされてしまった。
10代で観ていたらおそらく感動して友人に薦めていただろう。年を重ねてしまい素直に観られなくなったのは、自分自身むしろ悲しむべきことかもしれない。
共感:3人
2016年10月12日 to 淵に立つ
この映画は不条理映画というジャンルに入るのだろうか。
ミヒャエル・ハネケ監督の映画に似ているが、何か違う不思議な感覚の映画である。
物語は子供の存在だけで結びついているような家族に、一人の得体のしれない男が入り込むこととから始まる。そしてある悲劇が起き、それを境に家族が崩壊する話である。
この得体のしれない男を演じているのが浅野忠信である。この俳優『母べい』で演じた純朴な青年の役より、何を考えているのか分からない不気味な役の方が似合っている。
いきなり本心を表して豹変する場面など、凄くうまい。
夫婦役を演じた古舘さんや筒井さんも物語の前半と後半とで、事件後の精神状態や8年間という年を重ねたることによる体形変化など、上手く表現している。特に8年後の娘役を演じた真広佳奈は役者根性がある。将来有望である。
ある音楽がこの映画のラスト近くで重要な役割を果たすが、幾つかの理由が解明されないまま映画は終了する。
救いのないラストシーンといい、ハッピーな映画を好まれる人にはお薦めできない。
しかし今年私が観た邦画の中でも屈指の秀作である。
2016年10月16日 to 何者
佐藤健演じる二宮拓人に最初からずっと違和感があったが、その理由はラスト近くで解明した。
あのような方法で他人に対する自分の気持ちを表現するなんて、私には想像できない。二宮は役者ではなく批評家なのである。
人間誰しも人を羨む気持ちを持っているが、それを出さないでいるのだ。
最後まで全ての登場人物に対してある種のもどかしさを感じた。
原作は読んでいないが、映画では現代の大学生の就職活動の厳しさがよく表されていると思う。
特に菅田の「内定とったのは、料理が上手いのと同じで、内定がとるのが上手かっただけ。」というセリフが心に残った。
出演者では菅田や二階堂が上手い。
2016年10月16日 to ハドソン川の奇跡
この映画を観終って『神は細部に宿る』という格言を思い出した。
『神は細部に宿る』というのは、ローレという建築家がよく引用した格言らしいが、プロは目の届かないところにも手を抜かないものだという意味らしい。
この映画の主人公の機長もそうではなかろうか、本当のプロの凄さを長年の経験で身に着けていたのだろう。
そういう機長もやはり人の子、川への着陸は正しかったのか悩むシーンがある。
それでも査問委員会で冷静に反論するところは流石である。
以上は、機長に対する感想である。
次は、映画に対する感想である。
内容はシンプルそのもの、事故→英雄→疑惑→解明の流れである。
監督は一本調子になるのを避けるために、都市部に飛行機が激突したシーンを機長の悪夢の中に入れるなど苦労していることがわかる。
他にも、機長の若き日の話や空軍での事故の話を盛り込んでいるが、それが成功しているとは思えない。むしろ映画の流れを遮断しているように感じた。それでも、査問委員会や飛行機不時着シーンなど監督の演出が光る。
しかし、幾つかある不満を抑えているのはトム・ハンクスの上手さである。最後まで残って乗客の安全を確かめるシーンなど、彼が演じると機長の人柄が自然と漂ってくる。
評価は80点としようと思ったが、何となく水増し感を感じてしまい70点としました。
最後に、トム・ハンクスとイーストウッドについて一言。
本当に人間の能力というのは、若いころでは測れないということを改めて感じた。
トム・ハンクスは、スプラッシュの頃から観ているが、最初に観たときはよくいるラブコメ俳優の一人に過ぎないと思っていた。それが『フィラデルフィア』から芸風が変化して深みのある役を難なく演じる役者になった。逆に昔のようなコメディは厚みがついて出来なくなってしまったが、本当にすごい役者になったと感慨深い。
一方のクリントイーストウッドは、監督業に手を染めだしたとき観たのは『ガントレッド』だった。脳みそはあまり使わないマッチョ的映画で俳優として限界が見えてきたからこちらの方にアルバイト感覚でやってみようと考えたのかと思った。
ところが市長を辞めたころから本領を発揮しだした。元々頭の切れる、研究熱心な人なのだろう。
師匠のドン・シーゲルから手法を学び、何本が作品を作るうち段々能力を発揮しだし『許されざる者』から従来のヒーロー者とは違う作品を次から次に世に出してきた。
この映画も他の監督だったら単なるヒーロー者にする題材を、ここまでもっていくとは。大した監督になったものである。
2017年1月19日 to アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
主演俳優の演技力、的確な演出、よく練られた脚本、撮影の上手さ、編集とどれをとってもサスペンスのお手本のような映画。
上映時間も丁度よい。
最初から最後までハラハラドキドキこんな作品中々体験できない。
公開上映館が少ないが、絶対に映画館で観ることをお勧めする。
ラストは賛否が分かれると思う。しかし、ハッピーエンドにするために無理矢理な設定にもっていかなくてよかったのではないかと思うが、ご覧になった方はいかがであろうか。
失敗が予想される最後の意思決定にトップが責任を負いたくないというのは、キャリアシステムにおいてよくあることだが、パウエル大佐の最後の「45パーセントよ」というセリフには開いた口が塞がらなかった。
ドローン戦争を描いた作品に、昨年の中旬に公開された『ドローン・オブ・ウォー』がある。『アイ・イン・ザ・スカイ』でドローン戦闘機のボタンを押していたスティーブ君が、この仕事を続けたたらどのようになってしまうかが『ドローン・オブ・ウォー』を観ればよくわかる。
公開は『ドローン・オブ・ウォー』が先だったが、この映画を観てから『ドローン・オブ・ウォー』を観た方が面白いかもしれない。
それにしても、あの少女の健気な雰囲気と澄んだ瞳、そして虫を飛ばすバーカード・アブディのリアルな存在感には圧倒された。
共感:1人
2017年9月10日 to 三度目の殺人
監督が最後まで何を言いたいのかさっぱりわからなかった。いつ面白くなるのだろうと我慢して観ていたが、ただ長いだけの映画だった。
理由を考えてみた。まず、登場人物が食い足りない。特に斉藤由貴。
福山君も『そして父になる』のような感動的な演技に達していなかったと思う。
内容も、工場の食材偽造も結局どうなったの。
何のため北海道にいったの…。
他にも色々あるが、ネタばれになるのでこれ以上言わないが。
最後に、是枝監督が題材をさばき切れなかったというより、是枝監督に合わないような気がした。
共感:5人
2017年9月11日 to ダンケルク
演出、映像、音響どれをとっても凄いの一言である。臨場感が半端ではない。船内のシーンなど観客に向かって実弾が飛んできたのではないかと錯覚してしまった。
少年兵は、生き残りたい。パイロットは、ドイツの飛行機を一機でも撃ち落としたい、船長は一人でも兵士を救いたい。その違いは面白い。
しかし、ドイツ兵はほとんど出てこないし、英仏連合がドイツ軍に無残な敗北をしたシーンも出てこない。映画のベースには反戦思想とか、厭世的なものもは流れていない。映画はただひたすらに、観客が戦場にいるように錯覚させるのである。
観ているときはに面白ったと思ったが、劇場を出るときは、ただ空虚さだけが残った。
十年以上前に、中身はないがテクニックの凄いヴァイオリニストの演奏を聴いとき、テクニックには感動したが、それだけだったことを思い出した。
正に、この映画がそうであった。