白波さん さん
男性
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2020年6月18日 to T-34 レジェンド・オブ・ウォー〈ダイナミック完全版〉
公開当時は時間が取れず観れませんでしたが、完全版の一報を聞いて今度はと行ってきました。
これはかなり面白いく、想像以上でした!
もう最初の戦闘からして相当アツいですよ、目が離せないとはまさにこの事でしょう。
思い返すと物語はベタな展開だと思いますが、演出面が素晴らしいんですよ。
二次大戦時の古いタンクはミシミシと重く動き、そのアナログな操作は実にハラハラとさせます。
放たれた砲弾は何度もスローに映し、弾道の先に見える緊張感がとても効果的。
そして弾道が掠った時の演出が素晴らしい。
これを描いた作品はあったでしょうか?それくらい新鮮でした。
空間に図太く響く音響もあり、これはウーファーの効いた劇場ならではの体感でしょう。
戦争の悲壮感はあまり描かず、男達の熱い戦いと友情という演出は素晴らしかったです。
そして驚くべき事に、実際に役者達が戦車の操縦を行なっていたようですよ。これは本当にたまげました。
またラストの戦闘後のアイディアも役者側からの提案だったようです。
そんな役者達の努力があったからの成功でしょうね。
実に面白かったです。
ちなみに監督はガルパン見てないとの事でした。
2020年7月16日 to WAVES/ウェイブス
プレイリストムービーといわれた本作。
何でもリストを組んで、そこから脚本を作り上げたらしいですね。
だからか楽曲のこだわりは強く感じます。
まぁ音楽ジャンル的には正直好みかというと、決してそうでも無いんです。しかし物語には実にフィットしていました。
特にそれぞれの内面や置かれた状況をとても良く表しており、時にはそれは台詞の代わりにもなっているようでしたね。
そして目まぐるしく回るカメラワーク。
力にあふれ無軌道で何処か危うげ、そんな彼らの世代をよく表していたと思います。
また色彩も鮮やかで美しく、所々に挟まれる波のようなグラデーションも効果的でした。何というか嫌みの無いセンスを感じます。画角変えてくるのもすごかった。
作品は起承転結のようなテンポではなく、大きく前後に切り分けた構成が新鮮で、そのじっくりとした見せ方は後半にとても効いていました。
また楽曲だけでなく、劇伴自体も良かったです。
ただ豪華なアーティスト達が話題になっているので、BGMだけのサントラは出なさそうな気がしますね…残念。
それにしても全編を通して楽曲の使い方は本当に秀逸で、レディオヘッドの入れ方とかこれ以上無いくらいでした。
最後は「Sound & Color」、この作品全てを表しているようでしたね。
そんな素晴らしい楽曲達が散りばめられた作品ですが、個人的に一番印象的だったのはエイミーでした。
歌の内容のマッチングもですが、入れ方とあの切り方。
とても強烈でした。
物語は基本とても重いのですが、後半のゆっくりと夜が明けてくるような感じが少しずつ心を軽くしてくれるんですね。
そうして訪れるラストシーン、時間にして1分程だと思います。たったそれだけの時間ですが、そこで見た虹はそれはとても美しく、気がつくと心が満たされていました。
寄せては返す音と色彩、素晴らしい作品でしたよ。
2016年10月19日 to 映画「聲の形」
最初に読み切りがマガジンに掲載され、反響が大きくその後連載漫画になったこの作品。
原作を好きだった事もあり、ちゃんと物語がおさまるのか少し不安な心持ちで劇場に向かいました。
始まってすぐOPがあるのですが、何と歌に「My Generation」を持ってきたのには面食らいました。
しかしこの歌、無自覚で無軌道な子供達と実にマッチするんですね。ちょっと驚きました。
また、よく考えたら監督は「けいおん」内でもフーを出していたのを思い出し、なんだか妙に納得してしまいました。
この作品は障がいといじめという少しデリケートなものをベースに、人と人との繋がりを描いた物語。
映画でもその描写は良く表現されていて、京アニならではのやわらかな作画や背景も心地よかったです。
そして音楽が実に良かった。
全般的にとても穏やかできれいな音なのですが、彼らがそれぞれ抱えている心の奥にある鉛のような部分も表現されていて、とても素晴らしかったです。
作中のいじめに対し各キャラクターそれぞれの関わり方をしているので、見ていてどこか物語とは思えないチクリとした気持ちになる方もいるのではないでしょうか。
二時間ちょっとの尺ですがきちんと原作をなぞっており、無くすところはスパッと切るのですがその切り方がうまいのでしょう、観ていてストレスを感じませんでした。
それでいてペドロやマリアは出るけど、姉が顔を出さなかったりする設定はそのままだったり、随所にこだわりが見えます。
そしてラストなどのオリジナル部分への繋がりも良かったです。
淡い気持ちと尖った空気、少年達が抱えるものが丁寧に描かれており、原作好きでもとても良い作品に仕上がっています。
そして、帰ってからふと目にした入場特典の書き下ろし漫画。
ストンと落ちたようで、読んでいて涙が出てきました。
短いながらもとても素晴らしい内容なので、映画と合わせて読む事を是非お勧めします。
だんだん上映回数が減ってくる頃ではありますが、できればスクリーンで観て欲しい素敵な作品でした。す。
2017年3月24日 to 黒執事 Book of the Atlantic
今回はとにかくテンポが良い!アクションも素晴らしい!
全てにおいて前作をはるかに上回る出来となっていました。
作画も安定していて、オールスター感あふれるキャラクター達がこれでもかと登場します。
物語もシリアス一辺倒でなく、ホッとさせるようなギャグも織り交ぜておりメリハリが効いてます。
随所に見所があるのですが、特にシエルとセバスのエピソードはとても丁寧に描かれていたと思います。
それぞれのキャラクターにスポットも当たっており、観ていて本当にわくわくしました。
今回は原作ファンも納得の出来ではないでしょうか?
独自の耽美な世界観もたっぷりで本当に楽しめました、次作がとても楽しみです。
2017年3月27日 to シン・ゴジラ
始まってすぐのタイトルバックで、並々ならぬ気合を感じました。
これは思ったより凄そうだと。
今回内容に触れる部分は割愛しますが、とにかく特撮愛に溢れた作品でした。
緊張感のある会話劇もうまく作用していて、見ていて本当ゾクゾクします。
音楽の入れ方も秀逸です。
この作品で楽曲の良さを再認識し、サントラが欲しくなった方も多いのではないでしょうか?
ハリウッド的な「家族を守る愛情」的なものを入れていないのも好感が持てます。
もっと言うとゴジラそのものへの切り込みも浅くしています。だからか「怪獣映画」より「パニック映画」のようなんです。
「ゴジラ」という「災害」に立ち向かう群像劇で、膨大なキャストを実にうまく使っているんですね。
そのキャストもクセのある人ばかりなのがまた良い。
随所に古き良き特撮へのオマージュを感じさせる作りですが、ゴジラへの新しいアプローチもあったりと観ていて飽きさせません。
新幹線や在来線を使ったシーン等は、アイディアも含め実にアナクロでいて斬新でした。
また少し風刺的な要素もあり、政府や災害や自衛隊等、今の日本に直面した問題も描かれており色々考えさせられます。
そういった色々な要素がありながらも、先に挙げた膨大なキャストの会話劇もあり緊張感がずっと損なわず、最後まで実にテンポよく突っ走ります。
こんなゴジラが観たかった、そう思った人がほとんどではないでしょうか?
この作品はあまり前情報を入れず、少しでも気になるならすぐさま劇場に観に行きましょう。
進化した現在の特撮作品がそこにあります。
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2017年9月23日 to 光
それは、とてもとても美しい作品でした。
視覚障害者と向き合う重いテーマでしたが、監督らしくというか、とても柔らかく魅せてくれます。
主演の二人がとても際立っていて、芝居の密度や存在感がすごい。
アップが多めのカットも視覚障害を扱う演出として、とても効果的だったと思います。
「近づけないとみえない」や、「見ずらい」といったジレンマが少し感じられました。
今回は都合が付かず見逃してしまっていたのですが、どうしてもスクリーンで観たく、かなりタイトな時間ではありましたが無理やりリバイバルで鑑賞してきました。
ですが、そうして本当に良かった。
きっとスクリーンで無ければ、あの浴びるような、全部を包むような夕日の光は感じれなかったと思います。
カットに役者の演技に物語や音楽に漂う空気や光、その全部が美しい。
起伏に富んだ物語では無いのですが、寄り添うようなこの作品は優しくてとても心地良いんです。
とても、本当にとてもステキな映画でした。
2017年10月7日 to ギミー・デンジャー
イギーのドキュメンタリーをジャームッシュが撮る、それだけでまず外す訳にはいかないでしょう。
以前ニールヤングを取り上げたように、ロックンロールに趣深いジャームッシュ。本作の一報には本当胸躍ったものです。
作品は実にベーシックな進行ながら、随所にジャームッシュのユニークさが散らばっていて飽きさせません。
何よりイギーがとてもリラックスしてインタビューに答えている姿が実に良い。変にロック然としてないのがとても格好良いんですね、キースと少し似た空気がありました。
中でも、ボウイ等のエピソードはわかるんですけど、トッドヘインズの「ベルベッド」が話に出てきた時にはあまりに以外すぎて驚きました!
そんな作品はまるで、飛び出す絵本の自伝版のようで、観ていて実にワクワクします。
カットの繋ぎ方が絶妙で、自身が好きだからこそできるコラージュなのでしょう。
イギーやストゥージズの音が好きな方はもちろん、ロックシーンの一端を知るにはとても優れた映画だと思います。
イギーに、そしてバンドへの愛に溢れた、それはとても素晴らしい作品でした。
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2017年10月7日 to 三度目の殺人
私は是枝監督の作風が好きで、今回は何と言っても役所広司がどのように絡んでいくのかがとても楽しみでした。
始まってみるとやはり役所の演技が一歩深いところにあり、凄みすら感じます。
途中から福山雅治が役所の芝居に引っ張られている感じがするのですが、それが作品の中の二人の関係性ともリンクしていてとても面白いのですね。
そうした「重なってしまいそうになって重ならない二人」を、面会室のアクリルを使い見事に表現しています。
この手法が本当に見事で、見ていてこちらも引っ張られるのを感じました。
監督は作品の中で全ての答えをはっきりさせない描き方をしますが、本作も同様な作りでどこか引っかかりがあります。
が、そうした「フック」が作り手の狙いでもあるのでしょう。
それでいて最後に「三度目の殺人」に気づくように作っていたりもするんです。
真実そのものの意味とは?と言った監督の問いかけが、心にいつまでも残る作品でした。
2018年1月13日 to キングスマン:ゴールデン・サークル
前作が飛び抜けた面白さだったので、続編の一報を聞いた時は嬉しさ半分不安半分でした。
その後マシューボーンが再びメガホンとる事になって一気に期待が加速。公開当日の朝一に行ってきました。
それはもう何というか、全体的に盛り盛りなんです!
冒頭のアクションからしてものすごいのですが、本当に思いつく限りを詰め込んでいます。
2時間20分の長尺も、まだまだ足りないと言わんばかりでした。
物語は半ば強引なエピソードの連続(突っ込みどころ満載です)なのですが、それがまた上手くまとまってるのですね。
良くも悪くも「キングスマン」で貫き倒す姿勢は素晴らしいです。
とにかく痛快、新年最初に観るにはベストな作品でした。
もう続編は作らない!といった作りでしたが、もう一回位はやりそうな気がします。
そしたらマーク・ストロング絶対出てくるだろうな、両足義足の強力な仕様でw
とりあえず何も考えず、ハリケーンのような勢いに身を委ねてください。これだけ飛ばした作品はそうありません、本当にスカッとしますよ。
2018年8月23日 to カメラを止めるな!
上映館もどんどん増えてきて、やっとのタイミングでした。しかし平日午前中の回にもかかわらず、座席はほぼ満席。未だ注目されている作品であることが伺えます。
この作品は監督も役者も誰一人知らなかった事もあって、全く予備知識なしでスクリーンに向かったのです。この真っさらな鑑賞が本当に良かった。良い意味で裏切ってくれるんです。
えらいチープ(B級どころでない)なスタートから一転、段階を分けて速度を増してく展開がすばらしい。
終盤に至っては散りばめられた伏線が次々と回収され、そのピースがはまっていく工程が心地良すぎるのです。
ワンカットもですが、どこか三谷幸喜を匂わせるところも気になります。多分好きなんでしょうね。あと映画愛もすっごいにじみ出ています。
そしてゾンビ映画だけど笑もたくさんあって、これだけ声出して笑ったのって「ハングオーバー」以来じゃないだろうか?
全体的にインディ感はあるが緻密に練り上げた脚本に演出、本当にもうお見事としか言えない。
この作品が少しでも気になっている人は、絶対観に行った方が良いです。そしてその時は真っさらな状態で行きましょう。
スーパー娯楽作品が待ってます。