白波さん さん
男性
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86件中21-30件
2019年5月23日 to 翔んで埼玉
私は魔夜峰央氏のファンです、そして埼玉で生まれ育ちました。
だから本作を観ないわけがないのです。
ここ最近パタリロのブレイクなど氏に風が吹いており、とても嬉しく思います。
本当は公開初日に行く予定だったのですが、公開時間の関係で少し遅れてしまいました。
最初にまとめると最高に面白かったです。原作ファンの視点でもです。
主人公二人の再現度が高く、それだけで作品に引き込まれます。GACKTの雰囲気はぴったりだし、二階堂ふみの表情作りが素晴らしいかった。
その二人だけでなく、全体的にキャスティングが良いですよね。
「そこらへんの草でも食わせておけ!」も、ちゃんと出てきます。
基本設定や物語の軸は同じですが、ほとんどオリジナルな感じが強いです。それでも原作の空気はそのままに作り上げたのがすごい。
これまた丁寧に、随所において小ネタを挟んでおります。
山田うどんで笑ってたのは自分だけで、少し気まずかったのを覚えています。(埼玉出身がばれた瞬間)
あと忠実にBLネタを入れていたのも素晴らしかった。
そしてタイトルに隠れていますが実は一番ディスってるのは茨城(当時親戚からクレームがあったらしいです)なのです。それもちゃんとなぞっているのも良かったです、しかも原作以上に何度も。
強いて言えばEDのはなわには違和感があったかなぁ、地域ネタソングで起用したのはわかるのだけど…。
とりあえず出身はもちろん、埼玉に関わり(西武・東武沿線とか)がある人は是非観ましょう。
そして本作が面白いと感じたら、どうか氏の原作や他の作品も是非手に取ってみてください。どれもすごい面白いですよ。
とにかく最高でした。
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2017年5月23日 to T2 トレインスポッティング
当時英国だけでなく日本でも一大ムーブメントを巻き起こした名作、「トレインスポッティング」の続編です。
ブリットポップ全盛期、その勢いがそのままフィルムなったような作品に皆夢中になっていたと思います。
ボイルはもちろん、ユアンマクレガーとアンダーワールドがこの作品で爆発しましたね。
それが20年の時を経て、しかもオリジナルキャストでの続編です。
「ビーチ」での確執も乗り越え、監督も脚本も同じままでですよ。
これは見逃すわけにはいきません、珍しく初日に行きました。
あのラストから20年後の時間をどう描いていくのか、気になって仕方ありませんでした。
始まりからして実に「トレスポ」で、今回もサウンドが秀逸です。
特に物語の随所随所に入れくる「ボーンスリッピー」のアレンジがものすごいです。
曲はそれを匂わせているものの、全く別物のような化け方をしているんですね。
他にも全体的に曲のチョイスが素晴らしく、「うん、トレスポだなぁ」って感じます。
そ気が経ってもその疾走感はそのまま、そして今回も良く走ります。
カメラワークも実にそれで、観ている自分も思わず懐かしい気持ちになってくるんです。
20年経つも彼らは基本変わらずカスのままなのですが、それがまた嬉しいのですね。
それに罵り合いながらも何だかんだ仲が良いのがわかります。
そやって前作の香りをたっぷり出しながらも、物語が進むにつれ彼らが抱える心のほつれのようなものが見えてきます。
今回の続編で四人の内面をより掘り下げており、ドラマとしてより深みが増していました。
皆時間が経ってあの頃のままで居られるわけもなく、色々な困難に進んで行く彼らの姿は、少し考えさせられる部分もありました。
そしてラスト。聞けなかったレコードに針を落としスィングするレントン。
ここのカタルシスはものすごかったです!声が出そうなほどにでした!
この続編も間違いなく「トレインスポッティング」でした、未見でしたら是非前作と合わせて観てください。最高な作品です。
2018年6月6日 to 犬ヶ島
ウェスの新作というだけで見逃すわけにはいきませんでした。
今回はストップモーションアニメなのですが、これがまたすごい。
スクリーンの端から端までびっしりと作り込んだ絵作り、目に飛び込んでくる鮮やかな色彩。
今回も最初からわくわくさせてくれます。
「鮮やかな」と書きましたが、前作「ブダペスト」のようなビビッドな世界ではなく、どちかというとダルトーン。
例えるなら大友克洋の「AKIRA」のような色味を感じました。
今作のポスターを大友氏にオファーしているため、少しそうしたイメージがあったのかもしれません。
ストップモーションなので何となくわかってはいたのですが、1分もすると尋常じゃない作業時間が容易に想像できます。
これ全部手作業かと思うと、うわー…となります。それくらい圧倒的。
そして声優陣がとんでもなく豪華。いわゆるウェス作品常連俳優のビルマーレイ、ジェフゴールドブラム、エドワードノートン、ハーベイカイテル、ティルダスウィントン、マーリー・エイブラハム等、日本からは渡辺謙、夏木マリやオノヨーコ(役名も同じ)までも。
使われる言語は英語と日本語でかなりチャンポンなのですが、これは完全に意図しての事だと思います。
ここら辺もオリエンタルで雑多な文化の日本を表現したかったのでしょう。
また二つの言語ですが、犬と人間の言語の隔たりにもうまく作用しています。
日本語には字幕が入らなかったりする(物語の進行に必要な部分は入ります)ので、日本人的にはさらに美味しいです。
そしてその作品は今回もとてもキュート。ウェスのディープさも含め、やっぱり絵本みたいなんですね。
心温まるとても素敵な作品でした。
2020年3月13日 to ミッドサマー
もの凄く作り込まれた作品で、ホラーとはジャンルが違うかな?
ビジュアルが公開された時から、その美しい中に漂う狂気に心引かれていました。
全編にに漂う不穏な空気と狂気性、細部にも大変拘り抜いていて伏線もパズルのように散らばっています。
そのピースが自分にピタッとはまると、それがまた狂気を増して行くんですね。
もちろんその度物語に引き込まれます。
この作りが本当に緻密で素晴らしい。
何かをかくとバレに繋がりそうで短めなレビューですが、今年一番のインパクトでした。
ディレクターズカット版も新たに気づくことがあるでしょうし、実に楽しみです。
本当、傑作でした。
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2020年3月23日 to ヘレディタリー/継承
これが長編デビュー作品だというから驚きます。
その位とんでもない作品でしょう。
張り巡らせた数々の伏線、様々なホラー要素も綺麗に詰め込まれており、現代ホラーの頂点も頷けます。
また、私は海外ホラーはそこまで怖く感じない方(あの驚かす演出は別)で、宗教的な文化の違いからだと思っています。
でもこの作品は本当に怖かった。日本人でも実に神経に触ります。
あと、軸が家族という人間だからでしょう。
グロ描写はほぼ無いのですが、その「ほぼ」の1カットが結構重いです。陰鬱な音楽も良く、とても効果的でした。
音楽なのかSEなのか入り混じってますけど、とても気持ちがざわざわしました。というか終始ざわざわしっ放しです。
そして何より舌を鳴らす音、あれは劇場を後にしてからも頭から離れませんでした。
話の視点が何度も切り替わる様に作られているので、先が見えにくく不安だけがずっと続くんです。
先がどうなるのかよく分からない、でも絶対悪い事が起こる事だけはわかるんですね。
カメラワークもよく、スクリーン端を使った演出も素晴らしかったです。
観客に「え?」とさりげなく気付かせるところ、うまいですね。
また母親役のトニ・コレットの演技が素晴らしかったです。
だんだんと崩れていく様は本当見事でした。
終盤の畳み掛けるテンポも良く、観客の自分も逃げられない恐怖に取り込まれてました。
ラストこそは見えてしまいましたが、散々伏線を出していたので敢えてそうしたのでしょう。
逆に、絶対に覆る事の無い運命がひしひしと伝わってました。
終始作品に圧倒されてしまい、こんな監督が出てきた事に驚きです。
「ミッドサマー」の話題性からポツポツとアンコール上映が出てきているので、是非この機会にスクリーンでの鑑賞をお勧めします。
狂気に満ち溢れた、とんでもない作品です。
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2019年6月13日 to 鉄男 II BODY HAMMER SUPER REMIX VERSION
シネマシティでのリバイバル上映、前作に続き行って来ました。
また現行がSUPER REMIX VERSIONなのでこちらにもレビューします。
タイトルには「2」とありますがいわゆる続編ではなく別物の物語。
と言ってもベースとなるパーツは結構あるので、そんな違和感はないと思います。そしてカラーです。
今回はSF要素を入れており、SFサイバーパンクと言ったところでしょう。
前作よりストーリーを見やすくしており、エンターテイメント性を含んだ作りになっています。
しかしながらやはり塚本晋也、間違いなく「鉄男」なんです。
蛇のようなカメラワーク、響き渡る金属の轟音、全体を覆う狂気。
さらにスピード感が出てアクション性が増しましたね。
そして本作も監督自身が“やつ”として出演。これが色もあり最高に格好良いんです。
特に直接対決の所なんてゾクゾクが止まりません。
それだけ今作は“やつ”の存在が大きかったです。
あと今観たからこその発見もありました。
昔読んだコメントなんですが、“やつ”のモヒカンはスコセッシの「タクシードライバー」がモデルらしいんですよ。
そして巡り巡って今ではスコセッシの作品に出演するようになるとは、当時は思っても無かったでしょうね。何だか面白いものです。
今作は緩急をつけた作りでうまく前作と分離していると思うし、また違った鉄男を楽しめました。
この後制作された「鉄男 THE BULLET MAN」もまた違った作りなので、どの順番から見ても楽しめるのが嬉しいですね。
いつかまた次の「鉄男」を観てみたいものです。
2019年6月13日 to 鉄男 II BODY HAMMER
シネマシティでのリバイバル上映、前作に続き行って来ました。
タイトルには「2」とありますがいわゆる続編ではなく別物の物語。
と言ってもベースとなるパーツは結構あるので、そんな違和感はないと思います。そしてカラーです。
今回はSF要素を入れており、SFサイバーパンクと言ったところでしょう。
前作よりストーリーを見やすくしており、エンターテイメント性を含んだ作りになっています。
しかしながらやはり塚本晋也、間違いなく「鉄男」なんです。
蛇のようなカメラワーク、響き渡る金属の轟音、全体を覆う狂気。
さらにスピード感が出てアクション性が増しましたね。
そして本作も監督自身が“やつ”として出演。これが色もあり最高に格好良いんです。
特に直接対決の所なんてゾクゾクが止まりません。
それだけ今作は“やつ”の存在が大きかったです。
あと今観たからこその発見もありました。
昔読んだコメントなんですが、“やつ”のモヒカンはスコセッシの「タクシードライバー」がモデルらしいんですよ。
そして巡り巡って今ではスコセッシの作品に出演するようになるとは、当時は思っても無かったでしょうね。何だか面白いものです。
今作は緩急をつけた作りでうまく前作と分離していると思うし、また違った鉄男を楽しめました。
この後制作された「鉄男 THE BULLET MAN」もまた違った作りなので、どの順番から見ても楽しめるのが嬉しいですね。
いつかまた次の「鉄男」を観てみたいものです。
2016年10月19日 to 映画「聲の形」
最初に読み切りがマガジンに掲載され、反響が大きくその後連載漫画になったこの作品。
原作を好きだった事もあり、ちゃんと物語がおさまるのか少し不安な心持ちで劇場に向かいました。
始まってすぐOPがあるのですが、何と歌に「My Generation」を持ってきたのには面食らいました。
しかしこの歌、無自覚で無軌道な子供達と実にマッチするんですね。ちょっと驚きました。
また、よく考えたら監督は「けいおん」内でもフーを出していたのを思い出し、なんだか妙に納得してしまいました。
この作品は障がいといじめという少しデリケートなものをベースに、人と人との繋がりを描いた物語。
映画でもその描写は良く表現されていて、京アニならではのやわらかな作画や背景も心地よかったです。
そして音楽が実に良かった。
全般的にとても穏やかできれいな音なのですが、彼らがそれぞれ抱えている心の奥にある鉛のような部分も表現されていて、とても素晴らしかったです。
作中のいじめに対し各キャラクターそれぞれの関わり方をしているので、見ていてどこか物語とは思えないチクリとした気持ちになる方もいるのではないでしょうか。
二時間ちょっとの尺ですがきちんと原作をなぞっており、無くすところはスパッと切るのですがその切り方がうまいのでしょう、観ていてストレスを感じませんでした。
それでいてペドロやマリアは出るけど、姉が顔を出さなかったりする設定はそのままだったり、随所にこだわりが見えます。
そしてラストなどのオリジナル部分への繋がりも良かったです。
淡い気持ちと尖った空気、少年達が抱えるものが丁寧に描かれており、原作好きでもとても良い作品に仕上がっています。
そして、帰ってからふと目にした入場特典の書き下ろし漫画。
ストンと落ちたようで、読んでいて涙が出てきました。
短いながらもとても素晴らしい内容なので、映画と合わせて読む事を是非お勧めします。
だんだん上映回数が減ってくる頃ではありますが、できればスクリーンで観て欲しい素敵な作品でした。す。
2020年5月4日 to ロッキー・ホラー・ショー
75年の公開から未だにアンコール上映され続けている怪作。
今でいう応援上映や絶叫上映のはしりではないのでしょうか?
物語は正直あって無い様な、ノリで突っ走る作品。ただその勢いがものすごい。
ロックとホラーとホモセクシャルとSF、とにかくぶっ飛んでます。
一度見たら絶対に忘れることができないビジュアルのキャラクター達。
圧倒される派手な音楽と踊り。
色々と本当にすごいです。
また音楽は楽曲がどれも素晴らしく、サントラもお勧めですよ。
そしてエンドロールに訪れるあの寂しさ。
大きな祭りが終わった後の様な、なんとも言えない気持ちになるんですね。
何度でも観たくなる魅力がいっぱい詰まった作品です。
実に愛らしいカルトムービーですよ。
共感:1人
2020年12月2日 to 佐々木、イン、マイマイン
これだけストレートに熱を感じる青春映画なかなかないと思う。
キャストは皆良い味を出していて、中でも佐々木を演じる細川岳がすごい自然で良かった。
映画全体的には乾いた荒っぽさを残してて、それがまたこの世代にフィットしていました。
カメラも荒いようで、カット事にはすごい綺麗だったりと何だか奥行きのある絵。
全編を通して、この世代の匂いというか空気が感じられ、それが懐かしくもあって実に心地良いんです。
線路沿いを4人で駆け抜けるシーンなんか最高でしたね。
ただバカやってるだけでなく、そこにはチリチリとした気持ちやもがき苦しむ様もきちんと描かれていて目が離せなくなります。
佐々木の「好きなことやれよ」の言葉の後の涙はすごい刺さりました。
ラストは何じゃこれを通り越して、もう物凄い爽快感です。
そう、佐々木は泣いて欲しくなんて無いんですよね。
最後の最後までみんなの背中を押してくる佐々木には、スクリーン越しに自分もコールを送りたくなりましたよ。
しばらくは佐々木コールが頭から離れそうにありません、本当に良い作品を観ました。