J P さん
男性
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141件中51-60件
2018年1月28日 to ディセント
あらゆる意味で追い詰められた主人公が豹変して圧倒的な強さを見せてくれる。
クリーチャーものでここまで主人公、しかも女が圧倒的に強いというのも珍しい。
極限状況下での人間の醜い本性についての掘り下げについては「CUBE」に及ぶべくもないのは残念な点である。
たいして強くない地底人達は元は人間だったのかもしれないとも思えるし、そうなると何だか彼らにも同情してしまう。
2018年1月27日 to ミッドナイト・ガイズ
「フェイク」のダメマフィアを彷彿とさせるパチーノ、枯れた感じが渋いウォーケン、施設から出た直後に娼婦をマジ口説きするアーキン等、3人の演技を観ていて本当にホッコリさせられる。
逆に言えばそれ以外見所もないが、このテの映画はそれで良いと思う。
機会があれば再度観たいと思わせてくれる作品である。
2018年1月27日 to CURE/キュア
催眠術をもって殺人を誘発させること、そしてそのことに癒される者・・・全くもって漫画的なストーリーだが、雰囲気のある美術や終始重苦しい演出、役所広司と萩原聖人の演技によって一定の緊張感が保たれている。
主人公がシリアルキラーに翻弄されていく様が一つの見所となるが、役者の演技力に頼る部分が大きく、表層的な心理戦しか行われていないと思われる点が残念である。
この程度の脚本では、仕事や家庭に悩みを抱える人は皆殺人者の資質有りというファンタジーの域を出ない作品で終わってしまう。
2018年1月21日 to プリズナーズ
凄まじい緊張感が持続される映画。
逼迫したストーリー設定というのももちろんあるし、その他にもどっしりと構えたショットで控えめだがリアリティある演出、重厚だが主張しない音楽等の事由に圧倒的な緊張感が生み出されている。
再度見直して、他にもこの緊張感を生み出している要素を改めて検証してみたいと思わせる作品である。
ストーリーとしては、宗教観の違いをもってしても犯人の動機にリアリティーが感じられず、興ざめさせられる。あの動機を信仰故にという理由からだけで理解することは人間に対する信用がなさすぎると言わざるをえない。
又、二人目の容疑者の出現等、観客を振り回してやろうという意図が強く出ていて、それはそれで面白いのだがその反面で娯楽要素が強くなり、リアリティが削がれていってしまっている。そういった意味ではどっちつかずの中途半端な印象を受けた作品である。
しかしそれでも緊張感が他に類を見ないという一点において80点を献上したい。
2018年1月20日 to ドミノ〈2005年〉
トニースコットのケレン味たっぷりの演出が見ていて爽快な作品。陰影が強くザラついた画、細かいカット割りは映画の域を超えてMVのよう。
ストーリーは漫画のそれで陳腐そのもの。
挙げ句の果てにくだらない人情話に着地するものだから失笑するしかない。
ドミノが人の内面を覗こうとする無神経な俳優の鼻を砕くところや、尋問するFBI捜査官に「あんたの仕事はつまらない」と吐き捨てるあたりは魅力的なのだが、基本的に戦うヒロインというファンタジーの枠を脱していないので、どうにも感情移入できないところが残念な作品である。
2018年1月7日 to プリズン・サバイブ(劇場未公開)
監獄モノの中では屈指のリアリティと緊張感がある隠れた佳作である。
狭い空間の中にギャング達の肉体がひしめき合っているだけで迫力があるので、監獄モノの終盤でよくある暴動シーン等のエンタメ要素はむしろ不要である。
特に序盤の絶望感が凄まじく、観ているだけで暗澹たる気分にさせられる。
中盤以降はヴァル・キルマーの登場により多少安心できることになる。
又、まったくの一般人である主人公が屈強なギャング相手に結構強かったりするので、その点では拍子抜けさせられる。テロップで数ヶ月があっという間に過ぎるので、主人公が過酷な環境にどうやって順応していったかの説得力にも欠けている。
撮影も手ぶれが素人臭い印象を受けるが、リアリティ重視という意味では作品にマッチしている。
役者陣では、ヴァル・キルマーの虚無的な演技が素晴らしく、このような幅がある役者だったのかと改めて感心してしまった。
いずれにせよ監獄モノの中では屈指の出来であることは間違いないと言えるが、残念なのはこのような佳作にパチもののような邦題を付けることだ。
致し方ないことだとは思うが、パチもの扱いにしたところでどれだけ売上に影響が出るのだろうか甚だ疑問である。
ラストの述懐から考えると原題にも大切な意味があるわけで、その作り手の思いを無碍にすることは悲しいことである。
2018年1月4日 to スパイ・レジェンド
ボーンシリーズを意識したかのようなハードな作りには好感が持てるものの、最終的には主人公をヒーロー然としたところに着地させるので、どっちつかずな印象を受ける。
かといって感情的になって無関係な女の太腿をナイフで切り裂いて病院送りにする困った主人公なので始末に悪い。
2017年12月30日 to ダークシティ
舞台美術もさることながら照明が素晴らしい。
基本的なことなのかもしれないが、これだけ全編にわたり暗い画が続く中で観客にストレスを感じさせず、又、強い陰影を用いてその世界観を強調する効果を発揮していることは作品にとって大きなプラスとなっている。
2017年12月24日 to ハミングバード
スティーヴン・ナイト脚本・監督ということで鑑賞。アクションがほとんどないが、説明過多にならないノワール調な雰囲気に惹きつけられる。
主人公が実の娘と再会するシーンはやり過ぎない程度にとどめる演出が非常に渋く、それが逆に印象深い。
ただ、全体的にぬるい話なので、どうせならもっと救いようのない話にしてもらいたいところだ。
2017年12月9日 to ブラック・シー
ハゲを隠さないワイルドなジュード・ロウは渋いが、主人公含むクルー一向が全くプロっぽく見えないのが致命的。
プロを自称する登場人物がそれらしく見えないストーリーには終始落胆させられる。殺し合ってクルーが減っても緊迫感が出るわけもなく、むしろ「こんなバカどもどうなってもいいや」と眠くなってしまう。クルーが全員悪党という設定はワクワクさせられたが、悪党というよりはただのバカになってしまっている。
ラストも腑に落ちない感じでクールな着地をしたつもりだろうが、非常に投げやりな印象を受ける。
出だしが哀愁漂う雰囲気で良かった為、潜水艦に乗る前までの方が面白いというなんとも皮肉な作品である。