tabula_rasa さん
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ブログ「terra〜物語のガードナー」
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家で観た映画の感想
※作品はすべてNetflixで観賞し、注記のあるもの以外はドイツ語吹替+日本語字幕で鑑賞。
『アデル、ブルーは熱い色』
ある方と同性愛の話題について話していたとき、勧められたタイトル。2013年のパルムドール受賞作というので「これは観なければ!」と思い、その翌日に鑑賞した。とてもおもしろかった。ランタイムがほぼ3時間あるので2回に分けるつもりだったのが、一気に観れてしまった! とにかく求心力がすごいのだ。日常をそのまま切り取ったようなシーンの連続であっても、まったく退屈しない。同性愛者でなくても主人公の心に入り込めて、恋が始まったときめきから別れに至ったときの辛い気持ちまでがぜんぶ伝わってきた。なかなかの良作だと思う。(音声は吹替なし)
『サマーキャンプ』(Netflixオリジナル)
タイトル通りサマーキャンプを舞台にした青春ミュージカルコメディー。この作品が持つ雰囲気はなかなか好きである。また、作品中に登場する宗教がスピリチュアルリズムを持っているので、そこにも惹かれた。しかしドラマが薄すぎるのと心に残る曲がないのという理由で、全体としてはもうひとつだった。
『ツーリスト』
コメディー要素のあるサスペンスミステリーだが、最大の目玉はアンジェリーナ・ジョリー&ジョニー・デップの豪華共演だろう。この顔合わせに美しいヴェネツィアの街というだけで映像的には満腹感が出てくる。しかし、ストーリー的にはどうしても違和感をおぼえる。この設定であれば、ジョニデが演じるフランク役はもっと庶民的なキャスティングの方がよいのではないだろうか(そうでないから、あの縦縞の水色パジャマ姿が滑稽に見えてしまうのだ)。あと、明らかにこの作品が抜けているように感じられるのは、フランクがヴェネツィアに行く目的を設定していないことだと思う。(以下ネタバレ気味)結末の伏線になるようなものがいいが、そうでなくとも米国人旅行者として最低限それらしい理由がいると思う。写真を撮るのが趣味だからだとか、三年前に交通事故で亡くなった妻と旅行した街であり、その思い出を偲びたいからだとか、いろいろ作れるはずである(列車のなかで「恋人の街ベニスにひとりで行くのはなぜ?」と問われているのだから、なおさら)。よって、全体としてはつまらなくはなかったのだが、観終わったときに物足りなさが残った。
『グレイス 消えゆく幸せ』(Netflixオリジナル)
夫の殺人容疑をかけられた妻を担当することになった公選弁護人のサスペンススリラー。この作品、映画にしては映像のグレードが低い。バラエティー番組に挿入される再現ドラマに毛が生えたレベルである。ただジャンルが私の好みだし、プロットそれ自体はなかなかおもしろく、また物語展開もわかりやすかった。よって、最後まで飽きずに観ることができた。ただストーリーに関しては(以下、ネタバレ)被害者が行方不明のまま捜査が終わっていて、司法取引云々に話が移っているというのはよくわからない。またそれ以前に、主人公が依頼人から話を聞くまで事件の詳細を知らなかったというのも、なんだかさっぱりだった。
最近観たテレビドラマの感想
『13の理由』〈シーズン1〉全13話
女子高生が遺した7本のテープに吹き込まれた自殺に至るまでの決意の過程を主人公とともに辿っていく青春サスペンスドラマ。「今どきカセットテープ!?」と思いたくなるところだか、アメリカでは使用されていた期間が日本よりも長かったと聞いたことがあるので(MDが普及しなかった、などの理由から)そこはさほど違和感がなかった。ではなぜカセットである必然性があるのか? というのは、よくわからない。デジタル音声ファイルだとネットに上げられて拡散されやすくなるからか・・・ ただ、それよりも私が引っかかったのは、自殺したハンナが吹き込んだ声の明るさだった。これから自殺しようとしている人間が、こんな録音を遺すものなのか? と、そこに違和を覚えたのだ。そのため最初の数話はノレなかった。過去と現在が交錯する演出がわかりにくかったのと、キャラクターの数が多くて顔と名前をおぼえるのに時間がかかったというのもある。あと主人公の言動にもイラついた。反応が大仰すぎたり、感情の表し方が激しいあたり、好きになれなかったのだ。しかしそれでも話が進むにつれてどんどん引き込まれていった。やがて後半に入るとキャラクターや演出にもすっかり慣れ、観終わったときの満足感はとても大きかった。最終的に楽しんで観ることができたのは、もっとも最初に抱いた疑問、つまり自殺を目論む女子高生がこのような録音を? が解消されたことにあると思う。結局この作品はリアリティーよりも、青少年の自殺の真相に迫ることを主軸にしているのだ。死にゆく彼らはまだ若い。しかし彼らなりに自殺に至る道筋をつけて命を絶っている。そこに注目しなければ、こういった悲劇を減らすことはできない。作者はそれを訴えるために(あえてリアリティーはないものの)少女にそのような行動を取らせたのだと思う。
『エイリアニスト』全10話
19世紀末のNYで起こった猟奇殺人に挑む精神科医を主人公にしたサスペンスドラマ。私の好きな俳優が出ている上にストーリーも好みであるのに、なぜか最後まで引き込まれなかった。理由はよくわからない。内容に対して緊迫感が薄かったせいかもしれない。ひとつ引っかかったのは、殺されるのが男娼ばかりなのに、NY市民が震え上がっているということ。子供とはいえ男娼だから殺されていいということは、もちろんない。しかし舞台は今より人権意識が薄く差別が激しい時代である。そんな最中に起こった連続殺人で、対象が最下層の人間に向けられているというのなら、別段騒ぎ立てることはないように思えたのだ。そんなところも、のめり込めなかった理由かもしれない。ところでドラマの本筋から離れるが、ダニエル・ブリュールが演じた主人公のドイツ語吹替を本人が担当していることに気付いた。これは、べつにめずらしくはないのかもしれない。映画『WASABI』で広末涼子が演じたヒロインの日本語吹替を本人が担当していた例もある。ただ、ダニエル・ブリュールは今やハリウッドスターなので、本人に依頼するとギャラが高くつくのではないかと思ったのだ(もしかしたらオプションではなく、出演契約した際に込みになっているのかもしれないが)。ちなみに彼はスペイン語も話せるので、ひょっとしたらそちらの吹替も担当しているかと思い、ネットフリックスの言語設定をエスパーニャにして観てみた。わりとよく似た声ではあるが、どうやら別人のようである。
『フレンズ(1994年)』〈シーズン4〉全24話
冒頭がいきなり前シーズンからの続きという新展開で始まり、ラストも次シーズンに続く形で終わるが、中身はこれまで通りおもしろさ。強いてひとつ注文をつけるとすれば、ジョーイたちから部屋を取り返すためにモニカとレイチェルが1分間キスをする展開があるが、そのシーンがなかった。おそらくコートニー・コックスかジェニファー・アニストンのどちらかもしくはふたりが拒否したものと思われるが、そのシーンはやはり必要だと思う。新キャラクターのエミリーが魅力的だが、出会ってから10話で結婚は早すぎたかも?
(Hulu, #1-7 / #8-24, Netflix 日本語吹替音声で鑑賞)
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