映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > おらおらでひとりいぐも > ニュース > おとな向け映画ガイド 今週の公開作品から、世代を超えて共感できる3本をご紹介します。
おとな向け映画ガイド 今週の公開作品から、世代を超えて共感できる3本をご紹介します。
(2020/11/01更新)

イラストレーション:高松啓二
おとな向け映画ガイド
今週の公開作品から、世代を超えて共感できる3本をご紹介します。
ぴあ編集部 坂口英明
20/11/1(日)
今週のロードショー公開は19本(ライブビューイング、映画祭企画を除く)。全国100スクリーン規模以上で拡大公開される作品は『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』『おらおらでひとりいぐも』『461個のおべんとう』の3本。中規模公開とミニシアター系の作品が16本です。その中から、3本を厳選し、ご紹介します。
『461個のおべんとう』
お弁当、作る方も、作ってもらう方も、思いは十人十色です。これは、ロックミュージシャンが、高校に通う息子のお弁当を毎日作った、という実話をもとにしたその3年間のお話。原作は「TOKYO No.1 SOUL SET」のボーカル&ギタリスト渡辺俊美によるエッセイです。
とても優しい息子さんです。15歳の多感な時期にパパとママが離婚、受験に失敗し、1浪の末に高校に入ります。年下のクラスメートのなかで、苦労はないだろうか。そんな心配をした料理の得意なパパは「3年間休まず登校する」という息子に、じゃあパパも「3年間、毎日お弁当を作る」と約束します。売れているミュージシャン、シングルファーザーの奮闘が始まります。
なんといってもこのパパ役に、V6の井ノ原快彦が、ぴったりハマっています。無理がない感じ、慌ただしい音楽の世界にいてもちょっと余裕の、すてきなパパです。息子役に関西ジャニーズJr.内ユニット「なにわ男子」の道枝駿佑。ふたりで歌うシーンもあります。
親子ともに卵焼きが大好き。卵に入れる具材を工夫して日々のお弁当を彩ります。子供の頃から居酒屋に連れていったせいか、息子の渋〜い味の好みにもクスッと笑えます。
(1)調理は30分以内 (2)1食単価300円以内 (3)おかずは材料から(出来合いを使わない)が信条の、弁当箱にまでこだわる愛情べんとう。息子の甘じょっぱい高校生活、バンド仲間との濃厚な日々など、いろいろなおかずが詰まっている、後味のいい映画です。
『おらおらでひとりいぐも』
専業主婦で夫に先立たれ、子供たちと物理的にも精神的にも距離があり、郊外の戸建てにひとり住まい、という75歳の女性、桃子さんの日常を描いた映画です。若竹千佐子の芥川賞受賞作を映画化したのは『モリのいる場所』の沖田秀一監督。桃子さんを演じているのは田中裕子です。
朝起きて、トーストの食事をとり、病院へ。延々と続く待ち時間は、テレビの画面にでる時刻表示で表現してくれます。3時間近く待ってもお医者さんとかわす会話はほんの一瞬。たまに来る娘は、金の無心。そんなこと、気にしてはいられない。桃子さんの最大の関心事は、「地球46億年の歴史」なのです。図書館で何冊も図鑑を借り、ノートにイラスト入りでまとめます……。
東北出身の桃子さん、故郷を飛び出して上京し55年たちますが、ひとりごとになると、お国なまりがぬけません。桃子さんが心のなかでつぶやく言葉もしっかり東北弁です。映画ではそれをなんと擬人化。寂しさ1(濱田岳)、寂しさ2(青木崇高)、寂しさ3(宮藤官九郎)という脳内キャラクターで見えちゃう化しています。彼らと桃子さん、しんみりと会話したり、時にはどんちゃん騒ぎをしたり。そんなぶっ飛び方が、ともすれば陰気になりそうなムードを楽しいものに変えています。もうひとり、「どうせ」(六角精児)というネガティブキャラもいて、これもかなりウケます。そして回想のなかに登場する、若かりし昭和の桃子さん役は蒼井優。かれら全員で、桃子さんが表現されます。人生、気持ちを解放して謳歌すべし、「おらは、ひとりで生きていっても大丈夫だあ」そんなふうに明るく思える作品です。
『PLAY 25年分のラストシーン』
ユニークな発想で作られたフランス映画です。1980年生まれの男性が、25年間、自分の周りの出来事をホームビデオカメラで撮りためていて、その大量の映像を整理しながら観ているという設定です。13歳のクリスマスにプレゼントでもらったビデオカメラから始め、現代のiPhoneまで、いかにもアマチュアらしい映像が続きます。だんだん画質がよくなっていくのもリアリティがあります。
パーティや結婚式とか、その頃の人間関係、考えていたことをそっとおりこんでいて、男の子の成長や家族の一部始終を覗いているかのようです。映像をつないで見せるだけで、説明的なナレーションもありませんが、1998年のサッカーW杯や、2000年ミレニアムの馬鹿騒ぎも巧みにとりいれていて、時代背景もわかり、ちゃんと映画らしい展開になります。監督はアントニー・マルシアーノ。彼の自伝的作品です。
いたずら好きでやんちゃな子供たち。恋の時代をむかえ。それぞれの人生を歩みだし。そして……。どんなラストシーンが待っているか!
首都圏は、11/6(金)から新宿武蔵野館他で公開。中部は、11/6(金)からセンチュリーシネマ他で公開。関西は、11/13(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。
【注目のニュース】
小川紗良×本広克行監督からのコメントも 『ビューティフルドリーマー』Blu-rayが3月17日発売
自身初の役柄をふたつ返事で快諾 『あの頃。』松坂桃李の“オタク姿”を切り取った特別映像公開
20年以上の歴史持つ劇場版『ポケモン』、あなたの最高傑作はどれ? ファン投票で選ばれた5作を一挙配信
新田真剣佑の粋なプロポーズの行方は? 『名も無き世界のエンドロール』冒頭本編映像公開
岩田剛典単独インタビュー「俳優としての自分は40点。まだまだです」
ラウール×吉川愛『ハニーレモンソーダ』特報映像公開! 追加キャストに堀田真由、濱田龍臣、坂東龍汰、岡本夏美
深川麻衣と高良健吾が語る嘘と真実「正直であることと、嘘をつかないことは違う」
日本アカデミー賞優秀賞発表! 二宮和也主演『浅田家!』、小栗旬×星野源『罪の声』などが優秀作品賞に
人気の敵キャラ・ラグビー邪面が登場 『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』新バトルシーンも
『ハリー・ポッター』がテレビシリーズに?
東口幸司
山元一朗
平石明弘
マリー・ナルボンヌ
トマ・アプラーミアン・ベンサイド
ジュール・ポリエ
カミーユ・リシュー・ギユー
マチアス・バルテレミー
ガブリエル・ブリュネ
ガブリエル・カバリェーロ
アレクサンドル・デルソー
カミーユ・ルー
バンジャマン・エラルーフ
アルチュール・ペリエ
マックス・ブーブリル
アントニー・マルシアーノ
若竹千佐子
濱田健二
森七菜
工藤遥