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GREEN CAT
2020/1/15 10:06
by
デニロ
或る日ばったりと連絡が途絶える。一日二日は何とか脳内で都合をつけるが、三日目を過ぎると疑念が浮かぶ。
拳の怪我で引退を余儀なくされたボクサーのバート・ランカスター。恋人がありながらも暗黒街のボスの情婦エヴァ・ガードナーに一目惚れ。彼女の窃盗の罪を被り懲役に付される。獄中で知り合った男の繋がりから件のボスの給与強奪大作戦に与する。
情婦と気心を通じたバート・ランカスターは彼女と謀をするが、事を終えてから彼女は消える。消えた理由に折り合いがつかなくなり自殺を図るまでに追いつめられる。もはや生きるよすがを失ってしまった。そんな情感を厳ついバート・ランカスターが繊細に演じる。
シネマヴェーラ渋谷のフィルム・ノワール特集を続けて観ているのだが、暗黒街のボスや主人公の恋人が皆さん似ていて見分けがつかぬ。ボスはかっこよく、恋人はきれい。でもスターになるにはそれだけでは足りないということなんだろうか。確かに本作のエヴァ・ガードナーソファーに横になっているだけで線が主張している。高校生の頃にテレビで観ていた彼女は唇がやたらに赤い悪趣味な女性に見えたものだが、今見ると身もこころもそそられる。
そのエヴァ・ガードナーのラストの叫びは悪女の成れの果てで悲しくも醜い。これぞ高校時代にわたしが見切ったエヴァ・ガードナーの本質だ、と勝手なことを言う。
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