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ブリジット・フォッセー!
2010/6/2 19:43
by
くまのマーくん
遅ればせながら、ようやく観ました!(今頃かい!)
この手の作品は観てもまずレビューを書く事はないのですが、たまには書いてみようかなと。一度観ただけなので、少し見当はずれな事を書くかもしれませんが… え〜 どうかひとつ〜おてやわらかに〜(早よ 書けや!)
さて、完全版を観ました。(通常版は観ていません)
わざわざ完全版と言うからには、監督はこっちを観てほしいはずです。
この作品は、主人公のサルバトーレ君の子ども時代、青年時代、壮年時代の3つのパートから成る3時間の大作です。
面白かったのは子ども時代のエピソードで、映画大好きでちょっと小生意気なサルバトーレ少年が、盗んできたフィルムの切れ端をこっそりコレクションしたり、セリフの一つ一つを暗記してしまうシーンなどがあって、映画ファンにはたまらないのではないでしょうか。
この村では、映画は一人で観るものではなく、大勢でワイワイ言いながら同じ作品と時間を共有するものでした。『ご飯は一人で食べても美味しくないけど、みんなでワイワイ言いながら食べると美味しいよ! 想い出になるよ! 』という映画なのかな… これはいいなァと思いました。
この子ども時代のエピソードは、とてもいいと思います。
ところが青年期になると『映画』という素材が蚊帳の外に置かれ、代わってサルバトーレ青年の恋模様が描かれ、それが壮年期のエピソードにつながって行きます。ラストに『映画のネタ』がちょこっとあって、ああなるほど…と思うのですが… う〜ん… ど〜でしょう…???
これは長〜い時間をかけて、主人公が恋の痛手から立ち直るお話なのか…?
多分これはあのラストシーンを最初に思いついて、そこからさかのぼって考えていったワンアイデアの作品ではないでしょうか。
しかも、あのラストシーンに固執しすぎたため、全体がちぐはぐな作品に仕上がったような印象すら受けます。
あのラストシーンにつながるのは、子ども時代のエピソードだけで、青年期と壮年期のエピソードを受けとめるには、少し感傷的すぎると思います。
つまり、子ども時代に焦点を当てた『通常版』が正解なのでしょう。
ところが監督はどうしてもサルバトーレ君の半生を描きたかった。
この作品は監督が29歳の時に撮ったそうですから、かなり背伸びしている感があります。サルバトーレ君の半生と恋人エレナのその後まで描くのであれば、あのラストでは満足出来ない人もいるのではないでしょうか。
(アンタのことや!)
理由は前述したように、サルバトーレ君の苦しみを救うには感傷的すぎます。また、あのラストではエレナは何も救われません。
人生に失敗は付きものです。覆水は盆に返らないのです。
そういう厳しい現実を描くのなら、過去を変えることはできなくても、せめて『映画』が2人にとっての救いだったというのが『完全版』のラストにふさわしいのではないかと。(そう思うのアンタだけや!)
3時間もあったのに、肝心なとこがないやん!
エレナ ほったらかしやん! ブリジット・フォッセーやん!!
(あんた ブリジット・フォッセー好きゃもんなァ〜!)
初めにあのラストを思いつき、それ以上のラストシーンが考えられず、どうしてもあそこに着地したかったという無理を感じてしまうのです。
この『完全版』で印象に残るのは、サルバトーレ君がトトと呼ばれていた子ども時代、火災により怪我を負う前のアルフレードさんとの交流、そしてあのラストシーンの3つです。つまり、この作品はこの3つの要素が全てで、あとはなくてもいいのです。(そんなこと言ったらアカンて!)
青年時代では、サルバトーレ君の映画に対する情熱が描かれていません。
村を出てから映画で成功するまでのエピソードもありませんので、ラストの感動につながらないのです。どうやってその映画で成功出来たのか、そんな才能がどこにあったのか、と思うわけです。
(別にええやん、才能あったっちゅうことや!)
アルフレードという人間も、名優フィリップ・ノワレの演技をもってしても、後半はどうにもつかみどころのないナゾの人物になっています。
この人物描写が十分でないため、彼が2人の恋の行方に決定的な関わりを持つ部分に大きな不満が残ります。なぜあのような事をしたのかと。
まぁ 人生の先輩なので、2人の事が心配だったのでしょうが…
私なら怒ります!(アンタの話とちゃいまんねん!)
この作品、2割の脚本を8割の音楽でごまかしています。
あの音楽がなかったら、実に平凡な作品ではないかと。
(あっ、言うた、ついに言うた! それ禁句やん!)
『完全版』と『通常版』があるということは…1つの作品で2度おいしいと見るべきか、1つに決められない煮え切らぬ作品と見るべきか…
いずれにせよ、この2つのバージョンで印象が違うという事自体、作品としてはどちらも『不完全』という見方も出来ます。
面白かったかと聞かれれば… 正直 あまり印象には残らない作品で…(汗)
『チョコレート・ファイター』の方が、だんぜん面白いのではないかと。
(おまえは本物のロリコンや! もっと大人の映画を観なさい!)
長くなりました。まあ こういう感想もあるという事で… おそまつさま!
3人がこのレビューに共感したと評価しています。
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♪ブリジット・フォッセーをもっと大切にしよう♪
2010/10/24 22:08 by
くまのマーくん
sanae0712さん、はじめまして。
お返事遅くなりました。くまのマーくんです♪
『ニュー・シネマ・パラダイス』お好きなんですね。
sanaeさんの熱い想いが、文面を通じて伝わってきました。
そちらの星5つと私の星2つ半では、ずいぶんちがいますから。
ただこれは、『完全版』を観た私の感想(主観)です。
未見の劇場版を観ると、また別の感想になるかもしれません。
今改めてチェックしたのですが、この作品のレビューページは劇場版、完全オリジナル版、デジタルリマスター版と3つあるんですね!!
私のレビューは、完全版のページに投稿すべきものを、劇場版のページに投稿していました。場所を間違えたということでしょうか♪
それにしても、ひとつの作品に投稿ページが3つあるとは… 難儀や!
さて、私のレビューについている点数ですが、あくまでサイトの主旨に従った『満足度』で、採点ではありません。
余は満足じゃ〜♪ですと、駄作でも星の数がふえます。
余は満足できんのじゃ〜♪となりますと、名作でも星が減ります。
とってもわかりやすいシステムで運営しております♪
私が付ける星の数と作品の価値とは、あまり関係ありません。
ですから、ご指摘の『2割の脚本を8割の音楽でごまかしています』
という表現も、評価ではなく、私の主観(レビュースタイル)なのです。
『私はこう感じました』という感想を自分なりに工夫したもので、作品の批評ではありません。批評や採点はしません。
それにしても、『2割の脚本を8割の音楽でごまかしています』って、
スゴイ書き方ですね〜♪(今ごろ気づくわけや…)
改めて読み直すと、自分でもビックリしますね〜♪(なら直せや!)
せめて、3割の脚本と書くべきでした♪(敵を増やすなよ…)
しかし、書き直すのも面倒なので、残します♪
サイトの管理人が削除しない限り、このまま残させてくだしゃ〜い!!
これが生き甲斐だから〜!!(他に生き甲斐ないんかい!)
私の観方が正しいということではなく、まして『ニュー・シネマ・パラダイス』が駄作だとか、失敗作という意味ではありません。
そういう意味を、ちょっと含むという事にしてもかまいませんけど…
(敵を増やしたらアカン! ひとり戦地で戦うことになるから〜!)
モリコーネ氏の音楽は、見事だと思います。
作品の意図を的確につかんでいて、号泣する人が9割でしょう。
だた、あの音楽を聴いて思い出すのは、少年トトとアルフレードの姿だけで、青年サルバトーレとエレナの姿は浮かばないのです。
私にはどうしてもエレナが蚊帳の外にいるとしか思えない。(主観です)
ブリジット・フォッセーなのに〜!!
もっと大切にしてほしい〜〜〜!!!(興奮すなよ〜)
青年時代のエピソードはあまり魅力がなく、子ども時代と壮年だけで良かったと思うのです。音楽担当のモリコーネ氏が、そこをきちんとつかんでいるのに、肝心の監督がブレているように感じたわけです。
だから、余計な完全版を作っちゃったんですよ、多分。
sanaeさんがおっしゃる『劇場版を見れば、完全版は見なくてもよい』というのは、多くの映画ファンの想いですよ、きっと。
本国イタリアで、最初に公開した155分のオリジナル作品の興行がふるわなかったため、海外向けに短く編集して公開したら、成功したそうです。
これが sanaeさんのおっしゃる劇場版ということらしい。
せっかく自分で最適の長さに編集して大成功したのに、オリジナル作品よりさらに長い、3時間という余計なバージョンを作ったわけです。
『8割の音楽でごまかしている』というのは、あの映画の本質を理解しているのは、実は監督ではなく、エンニオ・モリコーネと劇場版を支持した世界中の観客なのではないか?
モリコーネ氏の音楽が、作品を理解して創られている分、逆に脚本から浮いて観えるということを、ちょっと皮肉っぽく書きたかったのです。
私の主観ですから、もっと別の観方はたくさんあると思います。
どうも『ごまかす』という言葉が気にさわったようですね。ペコリ!
(あのレビュー、未だに誰も共感しとらんがな… 人気ないの〜♪)
蛇足ですが…『オオカミの誘惑』の満点も、私の『満足度』です。
作品の評価ではなく、余は満足じゃ〜♪ であります。
色々とツッコミを入れていただくと、生き甲斐が増えます♪
どんなツッコミでも、別にかみつきませんからご安心を♪♪
(せやから、他に生き甲斐ないんかい! 何か探せや〜!) -
素晴らしいと思います。
2010/10/28 2:46 by
ラブアゲイン
どーも!
くまのマー君さん、以前にもレスした事あったかな・・・? 初めましてなら失礼!
ラブアゲインと申します。
> 多分これはあのラストシーンを最初に思いついて、そこからさかのぼって考えていったワンアイデアの作品ではないでしょうか。
> しかも、あのラストシーンに固執しすぎたため、全体がちぐはぐな作品に仕上がったような印象すら受けます。
>
> あのラストシーンにつながるのは、子ども時代のエピソードだけで、青年期と壮年期のエピソードを受けとめるには、少し感傷的すぎると思います。
> この作品、2割の脚本を8割の音楽でごまかしています。
> あの音楽がなかったら、実に平凡な作品ではないかと。
ズバリの指摘、素晴らしいと思います。
僕はこの映画が大好きなんですが、アナタの指摘は的を得てると思います。
「周りが名作と認める」映画であっても、自分の鑑賞眼に基づいたレヴューをするのって、パワーが要りますよね。
また、マー君さんのレヴュー楽しみにしてますよ! -
ラブアゲイン、アゲイン!
2010/10/29 17:41 by
くまのマーくん
ラブアゲインさん、ごぶさたマーくんです♪
8ヶ月ぶりの復帰ではないでしょうか。
初めましてではないですよ。『ウォーリー』のレビューでお話させていただきました。でもって『アイアンジャイアント』の話題で盛り上がった?のが昨日のことのようでございます♪
2月頃からレビューが止まっていたので、あぁ休憩中なんだなぁ…と思っていました。カンバック第1作が『エクスペンダブルズ』というのも、ラブアゲインさんらしい♪(私まだ観ておりませんが)
男の子は好きなんですよね、ああいうの(観てないけど)
またよろしくお願い致します。 -
Re: ブリジット・フォッセー!
2012/5/10 10:55 by
ラプター
私は映画好きでいろいろ観てきましたが、
くまのまーくんと似てて、昨日観たんですよ。(w)
もちろん、かなり前から評判がいい映画だということは知ってましたけどね。
なぜか、あまり観ようと思う、衝動が起きなかったって感じなんですけどね。
ちなみに観たのはデジタルマスター版です。
で、見終わった感想はですね、評判が高い割には、
うーん@@って感じでした。
で、ここで、私と同じような思いを持った方はいないかなーと思ったら、くまのまーくんさんがいたと。w
見事に文章化されていると思いました。^^
私はトトが子供の頃の話、村の人みんなで映画を観るとかトトと中高年か老年の映写技師との関係とかいいと思いました。
でもね、くまのまーくんさんがおっしゃる通り、
トトが青年になってエレナに恋する場面になっていく、それもあっていいですよ、、
で、最後、エレナが消えちゃうじゃないですか。
で、ラストは成功したトトと例のラストシーンですよね。
なんか分散化しちゃってる感じがしました。
曲はもちろん、いいですよ。
先の方でくまのまーくんさんがお若いからこの映画の良さが分かっていない、みたいなコメントがありましたけど、私はね、この映画の監督が若いと思うんですね。
もちろん、優秀だとは思いますよ。
一言でいえば、ちょっとおしい作品だと思うんです。
くまのまーくんさんが言われるように、これじゃあ、エレナが救われない、トトの恋愛まで描いた割には、トトが村を出て、どうも映画業界で成功したようですが、それが描かれていない。
どうしても謎の男のイメージになる。
とにかく、ストーリーがおしいんですよね。
もちろん、これは私の主観ですけどね。
この監督は才能あると思います。
アイデアもいいしね。
でも、繰り返しますけど、ちょっとおしいんだよな〜。
この作品、ストーリー、話の構成かな、をもうちょっと変えたら、もっとよくなると思いますよ。
これももちろん、私の主観ですけどね。(w) -
観るなら、通常版が良いらしい♪
2012/5/13 1:19 by
くまのマーくん
ラプターさん、初めまして。くまのマーくんです。
>この作品、ストーリー、話の構成かな、をもうちょっと変えたら、
もっとよくなると思いますよ。
私は『通常版』を観てないのでコメントできませんが、
観た方の大半は、『通常版』の方が良いと言います。
監督が一番創りたかったロングバージョンではなく、
海外向けに再編集した『通常版』が大ヒットしたということは、
テーマがギュッとしぼられて、明確になったのだと思います。
作品のアイデアもよかったのでしょう。
あのラストは、ある意味ズルイですけど…
ほとんどの人は泣きますよ。
ラプターさんのおっしゃる『もうちょっと変えたら』というのが
おそらく評判の良い『通常版』なのでしょう。
そちらをご覧になると、作品の印象が変わるかもしれませんよ。
私もいつか『通常版』を観たら、またレビューしようと思っています。
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