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ミスコン批判への批判
2021/2/23 23:18
by
ハナミズ
ミスコンが性差別的であるとか、時代錯誤という批判が昨今目に付く。
本作の主人公は男性に生まれながら「ミスコン」で優勝することを夢見る青年の話。
今どきらしいジェンダーの問題はもちろん、職業差別やフランスが抱える移民・難民問題も垣間見える。
またこれは疑似家族を思わせるという点でも今どきの映画を感じさせる。
ある程度は予想がつく内容ではあるのだが、主人公が暮らす下宿に集う個性的な脇役が楽しませる。
何よりもボーダーレスな美女男子のモデルとして活躍するアレクサンドル・ヴェテールの存在があってこその作品。
彼がいなければ成立しなかったのではないかと思うほど説得力がある。
ミスコン批判への皮肉もチラリと見え隠れ。
結局のところ価値観は外野が押し付けることではない。
どれほど無謀であっても夢に向かって挑戦する勇気や本当の自分を見つけることの大切さが貫かれていて主人公の生き方に応援したくなる。
さりげない所作だが、前年度のミスコン優勝者の“ある挙動”に彼女の本音がよく出ていたのではないか。
フランソワ・オゾン作品や『ガール/Girl』などのファンには勧められるだろうか。
(公式HPのデザインもF・オゾンを意識している気がする。)
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