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「たくみ君」ファンは満足
2020/2/26 12:12
by
羊蹄山
「お前さぁ、もう少し愛想良く出来ない?」
「僕は、アキさんじゃない!」
「あなたを上書きしたくない」 「あなたが消えてしまうんですよ」
「カナさんが戻って来たくなるような曲があれば・・・」
若手イケメン男優(北村匠海と新田真剣佑)のW主演とは云え、封切から1ヶ月も経過しているし、「新型コロナウィルス」の逆風もあり、映画館=閑散と予想したのですが・・・杞憂でしたね。 実際には、「たくみ君」と「まっけん」ファンの女子たちで、渋谷の劇場は結構な客入りでした。 北村の歌声(高音の美声)を聴け、リクルート・スーツ姿も拝めて、「たくみ君」ファンには大満足の作品だったでしょう。 但し「映画ファン」的には、細部には色々と不満が残りました。
T:導入部〜中盤の展開の小気味よさに比べ、終盤〜ラストの描き方が、やや強引で安直。 監督(萩原健太郎)と脚本家(大島里美)の若さと経験不足が、露呈? 例えば、「フェスには、もう出ない。バンドは、もうやらない」と頑なだったカナ(久保田紗友)が、ラストであっさりと「遅れてゴメン」とは・・・。 同じ合流の仕方でも、もう少し丁寧に演出出来なかったのかな。 (これは、久保田に罪は無いのですが・・・今、話題の熟女女優/鈴木A樹の若い頃に表情や印象が似ていて)
U:死者のアキ(新田)が成仏出来ず、生者の颯太(北村匠海)やカナの前に現れ、守護霊然として振る舞う設定は、TVドラマ「お迎えデス。」(2016年放映。主演:福士蒼汰・土屋太鳳・鈴木亮平)を思い出しました。 アキと颯太の肉体が入れ替わる趣向は、映画「転校生」(1982年公開。主演:尾美としのり・小林聡美)やTVドラマ「パパとムスメの7日間」(2007年放映。主演:舘ひろし・新垣結衣)のようでもあり、楽しかったです。 しかし、本作の場合 ラストの描き方がやや雑で・・・仲間の記憶から消えてしまう「アキの切なさ」や、自分の人生=アキの記録の上書きが必須と悟った「颯太の苦悩」の描写が、表層的でインパクトに欠けました。
V:北村匠海と云えば・・・俳優業とダンス・ロックバンド活動を両立させている点が、個性。その意味では、本作の「颯太」役はハマリで、素の北村に近かったかもしれません。 しかも、JTのTV-CM「想うた/同期を想う」における好演で「社交下手で内向的な青年」の印象が世間的には定着していますし。 北村に関する既成概念を打破出来なかった点では、次回出演作(真逆のキャラの役柄)に期待するしかありませんね。 劇中歌では、バンドの練習中、颯太がギターの代わりにピアノを担当した曲(「stand by me」?)が出色で、ラストのフェス・シーンでも 同曲を演奏してほしかったなぁ。
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