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矛盾ありき、考えずに怒涛の展開に身を任せるべき作品
2020/9/20 20:30
by
silverlining
クリストファー・ノーランらしいアクションと重低音のBGM、分かりやすい伏線
序盤で時間の逆行について主人公が「考えても分からないから考えるな」と言われるが、これは監督が観客に向けて言っている言葉だ
時間の逆行が単に「巻き戻し」によるやり直しではなく、「時間の順行と逆行が同時に存在する」と言う今までにない飛躍した基本設定
(逆行させてやり直せるはずだが、誰もそうしない)
「祖父殺しのパラドクス」はクリアしているが
終盤は矛盾だらけ、いつの間にか逆行ではなく、過去への跳躍が行われるようになったり、時間逆行装置が大量にあったり、未来から情報、支援を得ている割にはマヌケな敵役(元々クリストファー・ノーラン作品の敵役は怖くないが)など
気にすると駄作に思えてくる。
ファンタジックな作品こそリアリティが必要だと思うが
いつもクリストファー・ノーランは登場人物の動機や細かい設定などは本当にサラッと触れるだけでお構いなしに力業で観客をねじ伏せてくる。
ある意味いさぎよい。
つまり監督は「矛盾だらけ」なのを承知して映像勝負で作っているのだ。
だから「考えても意味がない」作品だと言うこと
確認のためにもう一度見た方が良いかとも思ったが止めた。多分意味がない。
この作品は考えることをせずに怒涛の展開に身を任せることで楽しむ作品なのだ
ただ、最初は矛盾を最小限にして徐々に矛盾をエスカレーションさせて行くことで観客が矛盾を受け入れやすくする展開は流石。
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