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阿部純子
2018/5/31 8:50
by
デニロ
『仁義なき戦い』はやくざ映画だったけど、本作は警察映画だ。『仁義なき戦い』の笠原和夫脚本、深作欣二監督が描いた『県警対組織暴力』の世界に通底する。いや、様々なところで警察の腐敗が描かれていて、本作もその一つである。
やくざが堅気に迷惑をかけないように目を光らせるのが刑事たる自分の役割。そしてやりすぎた外道を潰す。その為であれば何でも利用する、という刑事を役所広司が演じる。彼とコンビを組むのが新米刑事松坂桃李。
やくざ映画と言えば女に尽きる。笠原和夫脚本は、やくざ世界の女を儚げに健気に生きざるを得ないがごとく描いていて、それがまた男たちのこころの中の檻から出られぬ憤懣を描いていた。つまり日本の社会に根付く差別を描いていた。
本作はその辺りは実に軽やかで、警察組織の意味不明の腐敗の一端を描く。それも役所広司のノートに書かれているショボイ話。松坂桃李が最後の1頁を書き足すが、それもショボイ。
東映の役者は故合ってやくざと兄弟のような関係者が多かったと思われるが、本作の出演者は果たして、と思う。大親分役の伊吹吾郎が見せ場なく可哀そう。石橋蓮司は、カメオ出演じゃないのか。
阿部純子。どこかで観たなと見つめていて、あ、「とと姉ちゃん」。
広島県には数か月お世話になったけど、本作を観てどう思うだろう。
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