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少年老い易く学成り難し
2012/2/1 23:54
by
影無茶
初代FBI局長J・エドガー・フーバーの生涯を描いた物語です。
正直私はエドガーがどのような人物であったのか、この作品を観るまでほとんど知りませんでした。
ここでイーストウッドが描いたエドガーの姿が真実であるならば・・驚きを禁じ得ません。
有能で最後の最後までフーバーに献身的だったヘレン・ガンディとの関係。
フーバーの人生に多大な影響を与えた母との関係。
そして、クライド・トルソンとのアンタッチャブルな関係。
なりふり構わず、見栄っ張りで虚栄心が強く、母親に認められたい一心で頑張っていたと思われる若き頃のエドガー。
母親の死後、過去の出来事を自分に都合のいいように思いこんでいる年老いたエドガー。
まるで子供が成熟した大人になる事なくそのまま老人になってしまったような人生。
イーストウッドはこの作品では黎明期のFBIを描くより、人間J・エドガーを際立たせる事を選んだのです。
それにより人と人とのつながりの大切さを我々に訴えようとしていたのかもしれません。
ヘレン・ガンディ、クライド・トルソンがただ単に有能なだけだったならエドガーはエドガーではいられなかったでしょう。
それにしてもFBIという強大な組織の初代長官が良くも悪くもここまで人間味あふれる人物だったとは・・・。
鑑賞後のショック状態は一日経った今も容易には回復出来ません。
3人がこのレビューに共感したと評価しています。
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影無茶さん。私も、この作品を観て来ましたよ♪
2012/2/13 18:43 by
HALU
影無茶さん。こんばんは。
HALUです。
お久し振りです。
私が観た映画と影無茶さんの観た映画とが、なかなか被る作品がなかったので、影無茶さんなどとも是非ともお話ししたかったので、今回、影無茶さんが観られた作品の中から、『J・エドガー』を鑑賞して来まして、早速ながらも、私もレビュー投稿の方をUPさせて頂きました。
> 初代FBI局長J・エドガー・フーバーの生涯を描いた物語です。
> 正直私はエドガーがどのような人物であったのか、この作品を観るまでほとんど知りませんでした。
私の場合にも、学生時代に米国政治史を履修していたにも拘わらず、初代FBI長官のJ・エドガー・フーヴァーについては、ほとんど全く知識が無く鑑賞に臨みました。
> なりふり構わず、見栄っ張りで虚栄心が強く、母親に認められたい一心で頑張っていたと思われる若き頃のエドガー。
> 母親の死後、過去の出来事を自分に都合のいいように思いこんでいる年老いたエドガー。
> まるで子供が成熟した大人になる事なくそのまま老人になってしまったような人生。
>
> イーストウッドはこの作品では黎明期のFBIを描くより、人間J・エドガーを際立たせる事を選んだのです。
> それにより人と人とのつながりの大切さを我々に訴えようとしていたのかもしれません。
そうかもしれないですね。
私のレビュー投稿の方でも書き記していますが、先ず、私が思い浮かんだのは、9.11の世界同時多発テロ以降のブッシュ政権から続いた政治主導の強権政治体制の米国の国家自体の<光と影>。
そして、また、J・エドガー・フーヴァーが権力の濫用により盗聴していた機密情報などからも、このインターネット社会に代表される高度情報化社会にありながらも人間関係が希薄な現代社会をも皮肉った作品にも思いましたね。
ですから、あえて、劇中の少ない登場人物の中で、リアルなJ・エドガー・フーヴァーの実像を、そのコンプレックスの塊の様な<光と影>の部分を浮き彫りにすることによって、要は、1人の人間たる、人間臭いJ・エドガー・フーヴァーを描写したかったのだと思いますよね。
> ヘレン・ガンディ、クライド・トルソンがただ単に有能なだけだったならエドガーはエドガーではいられなかったでしょう。
>
> それにしてもFBIという強大な組織の初代長官が良くも悪くもここまで人間味あふれる人物だったとは・・・。
> 鑑賞後のショック状態は一日経った今も容易には回復出来ません。
そうですよね。
私の場合も、長尺で、実に、淡々とした回想録形式の映画ながらも、途中で観飽きること無く、観ることが出来た137分間でしたね。
本レビュー投稿には同感でした。
また、影無茶さんもご多忙の事かとは思いますが、また、影無茶さんのお手すきのお時間のお有りの際にででも結構ですので、私の『J・エドガー』のレビュー投稿の方もお目をお通し下されば幸いです。
それでは失礼致します。 -
Re: 少年老い易く学成り難し
2012/2/14 23:26 by
影無茶
HALUさんこんばんは!
お久しぶりです。
ひょっとして今年初?
今年こそはもっと映画を観にいきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
HALUさんからいただいたレスに唸ってしまいました。
ほれぼれする文章です。
>先ず、私が思い浮かんだのは、9.11の世界同時多発テロ以降のブッシュ政権から続いた政治主導の強権政治体制の米国の国家自体の<光と影>。
そして、また、J・エドガー・フーヴァーが権力の濫用により盗聴していた機密情報などからも、このインターネット社会に代表される高度情報化社会にありながらも人間関係が希薄な現代社会をも皮肉った作品にも思いましたね。
ですから、あえて、劇中の少ない登場人物の中で、リアルなJ・エドガー・フーヴァーの実像を、そのコンプレックスの塊の様な<光と影>の部分を浮き彫りにすることによって、要は、1人の人間たる、人間臭いJ・エドガー・フーヴァーを描写したかったのだと思いますよね。
想いをそのまま書き綴るってのは容易な事ではありません。
HALUさんの上記の文章は完璧ですね。
ただただ納得しました。
その筆力は羨ましいです。
私の鑑賞予定はまず、何といっても「はやぶさ・遥かなる帰還」ついで「ドラゴンタトゥーの女」「TIME」って所ですかね。
「宇宙人ポール」残念ながら時間が合いませんでした。
ではまた。 -
この度は、過分なお褒めのお言葉を頂戴しまして恐縮しきりです(汗)。
2012/2/15 19:00 by
HALU
影無茶さん。こんばんは。
HALUです。
この度は、お返事を下さり、誠に有り難うございました。
また、私のレビュー投稿の方へもコメントを下さり、有り難うございました。
本当に嬉しかったです!!
この度は、過分なお褒めのお言葉を頂戴しまして恐縮しきりです(汗)。
そうでしたね。
最近、観た映画を同じくしたレビュー投稿の方では、今年初のコメントになりますね。
私の場合も、『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』と『はやぶさ・遙かなる帰還』と『ドラゴンタトゥーの女』、そして『タイム』は観に行こうかと思っています。
今更ながらも『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』は、TV版シリーズを鑑賞次第観に行こうかと思っています。
また、私も、それらの映画を観に行き次第、またレビュー投稿の方をUPさせて頂きますので、その節には、何卒宜しくお願い申し上げます。
それでは失礼致します。
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