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帰還部分に力を入れたんだね
2012/2/29 23:25
by
影無茶
はやぶさ物3作目の鑑賞。
ここまできたら、「おかえりはやぶさ」も見よってか!
歴史的快挙から1年半過ぎたタイミングでの上映。
熱しやすく冷めやすい我々の気質からして、ちょっと公開が遅すぎたのか客入りは今一つって感じです。
今回、上映開始後早々にロケット打上げとなり、「はやぶさ HAYABUSA」が打上げまでのエピソードを丁寧に見せていたのとは大きく異なります。
帰還に際してイオンエンジンに細工を施す事になりますが、打上げ前の準備段階を見せている方がカタルシスを感じる事が出来たでしょうね。
はやぶさが遭遇する大きなピンチと言えば、着陸、燃料漏れ、迷子、エンジン不調が有名です。
ところが今回の「はやぶさ 遥かなる帰還」は着陸、燃料漏れに関してえらくあっさりとした扱いでした。
あまりに淡泊なので、全く感情移入出来ませんでした。
こんな調子で最後までいくの?と心配になってきたんですが、あるシーンから一気に印象が変わったんです。
それは、はやぶさが迷子になり渡辺謙演ずる川口先生が神頼みに行った飛不動での山努との出会いのシーンです。
台詞は少ないですが、心のひだを感じ取りあったような名優二人の絡みは、それまでの物足りなさを払拭する名シーンでした。
あくまで私的な感想ですが、これ以降、NASAとの交渉、はやぶさの発見、イオンエンジン不調への対処などのシークエンスは前半とは見違えるほど力が入っていたように思えます。
おそらく監督は初めからこの映画に関しては、帰還の部分に重きを置こうと考えていたのでしょう。
その節目が飛不動でのあのシーンだったと思います。
何もかも上手くいったならはやぶさに関する映画は作られなかったでしょう。
今回道なき場所に幾多の困難を切り抜けて新しい道を作ったはやぶさプロジェクト。
確かな日本の技術を今一度確認する為にもこの映画、観て損はないと思います。
だってまだ1年半しか経っていないのにもう冷めかけているのは寂しすぎるじゃないですか。
でしょ。
1人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: 帰還部分に力を入れたんだね(←まさにその通りでしたね♪)
2012/3/3 11:30 by
HALU
影無茶さん。おはようございます。
HALUです。
この度も、私のレビュー投稿の方へコメントを下さり、有り難うございました。
> 熱しやすく冷めやすい我々の気質からして、ちょっと公開が遅すぎたのか客入りは今一つって感じです。
私の場合も、「映画の日」の鑑賞の割りには、観客の入りが非常に少なかったですね。
> 今回、上映開始後早々にロケット打上げとなり、「はやぶさ HAYABUSA」が打上げまでのエピソードを丁寧に見せていたのとは大きく異なります。
> 帰還に際してイオンエンジンに細工を施す事になりますが、打上げ前の準備段階を見せている方がカタルシスを感じる事が出来たでしょうね。
この点、本当に影無茶さんの仰られる通りだと思いますね。
また、何よりも、<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトに関する、個々の説明が中途半端で、不親切に過ぎた感も否めなかったですし、この東映版においては、既に、観客が、竹内結子さん主演の20世紀フォックス版を観ていたかの様な割り切り方をした、映画作りでしたので、(比べて観てはイケナイのかも知れないですが)、やはり、観客の得るカタルシスのツボを押さえ切れていなかった様な気も致しますね。
> はやぶさが遭遇する大きなピンチと言えば、着陸、燃料漏れ、迷子、エンジン不調が有名です。
> ところが今回の「はやぶさ 遥かなる帰還」は着陸、燃料漏れに関してえらくあっさりとした扱いでした。
> あまりに淡泊なので、全く感情移入出来ませんでした。
そうですよね。
あまりにも、イオンエンジンの不具合に関する、JAXAの職員達の苦悩と葛藤に時間を割いていて、あまりにも淡泊過ぎましたよね。
> こんな調子で最後までいくの?と心配になってきたんですが、あるシーンから一気に印象が変わったんです。
>
> それは、はやぶさが迷子になり渡辺謙演ずる川口先生が神頼みに行った飛不動での山努との出会いのシーンです。
> 台詞は少ないですが、心のひだを感じ取りあったような名優二人の絡みは、それまでの物足りなさを払拭する名シーンでした。
>
> あくまで私的な感想ですが、これ以降、NASAとの交渉、はやぶさの発見、イオンエンジン不調への対処などのシークエンスは前半とは見違えるほど力が入っていたように思えます。
>
> おそらく監督は初めからこの映画に関しては、帰還の部分に重きを置こうと考えていたのでしょう。
> その節目が飛不動でのあのシーンだったと思います。
そうですね。
この映画の場合には、あくまでも日本における「物づくり」のレベルの高さに反比例するかの様に、その技術力の実情は、下町の小さな町工場の職人技などや民間企業(NECなど)の出向社員などに根底を支えられて、成り立っているといった日本の宇宙航空学の窮状を、社会派ドラマ仕立てで、訴えていた様な映画だった様な気も致しますね。
その点から、あくまで<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトという体裁を借りて、それらの日本における「物づくり」の気概や意気込みを社会派ドラマ仕立てに、男達の人間群像劇として描いた映画だった様な気も致しますね。
その点から、逆に、<小惑星探査機はやぶさ>自体に<愛>や<ロマン>を感じさせるよりも、<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトに携わった方々の苦悩や葛藤の人間模様に終始した映画作りになっていた様にも思われましたね。
> 何もかも上手くいったならはやぶさに関する映画は作られなかったでしょう。
> 今回道なき場所に幾多の困難を切り抜けて新しい道を作ったはやぶさプロジェクト。
> 確かな日本の技術を今一度確認する為にもこの映画、観て損はないと思います。
> だってまだ1年半しか経っていないのにもう冷めかけているのは寂しすぎるじゃないですか。
> でしょ。
たしかにその通りなのですが、
専門用語が飛び交う中でも、まったくそれらについての事細かな説明も無かった映画でも有りますので、この映画のみで、<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトの全貌や全体像を知るのは、少々、至難の業の様な作りにもなっていた様な気も致しますので、出来ますれば、角川映画版や、20世紀フォックス版などの映画のソフトにて、DVD鑑賞してから観た方がより解り易いかもしれないですよね。
特に、ターゲットマーカーの説明のくだりなど、この東映版の映画では、<お手玉>をポトンと落とすのみの描写でしたので、非常に解り辛かったのに比べて、20世紀フォックス版の方は、より詳しい解説がなされていましたからね。
社会派ドラマとしては及第点を与えられる映画では有りましたが、この<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトの全貌を知るには事足りない映画で有った事は否めなかったかもしれないですね。
本レビュー投稿には同感でした。
この度も、私のレビュー投稿の方へコメントを下さり、有り難うございました。
それでは失礼致します。 -
Re: 帰還部分に力を入れたんだね
2012/3/4 23:26 by
影無茶
HALUさんこんばんは。
返信が遅くなりました。
レスありがとうございます。
この映画いつもながら、渡辺謙が精力的にプロモーション活動をしていましたね。
はやぶさの帰還から1年半、前作フォックス版からおよそ半年。
この映画の最大の問題は時間が経ち過ぎている事です。
残念ながらこの大きな壁を突破するだけの力は持っていなかった・・と言わざるを得ませんでした。
やはりスピードというのはジャンルを問わず大切な事ですね。
>この映画の場合には、あくまでも日本における「物づくり」のレベルの高さに反比例するかの様に、その技術力の実情は、下町の小さな町工場の職人技などや民間企業(NECなど)の出向社員などに根底を支えられて、成り立っているといった日本の宇宙航空学の窮状を、社会派ドラマ仕立てで、訴えていた様な映画だった様な気も致しますね。
その点から、あくまで<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトという体裁を借りて、それらの日本における「物づくり」の気概や意気込みを社会派ドラマ仕立てに、男達の人間群像劇として描いた映画だった様な気も致しますね。
その点から、逆に、<小惑星探査機はやぶさ>自体に<愛>や<ロマン>を感じさせるよりも、<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトに携わった方々の苦悩や葛藤の人間模様に終始した映画作りになっていた様にも思われましたね。
正にこの映画はHALUさんの言われるように男たちの人間群像劇として描きたかったんでしょう。
しかし、だからといって「はやぶさ」を題材にするならば、もっとそれにまつわる多くの試みを見せなければ我々には伝わってこないように思えますね。
HALUさんが書かれてたターゲットマーカーのくだりなんてほんとに申し訳程度の扱いでしたね。
上映時間はほとんど変わらないのに、東映版はすごくはしょった印象を受けるのは脚本、編集が少しまずかった・・と言わざるをえませんね。
>社会派ドラマとしては及第点を与えられる映画では有りましたが、この<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトの全貌を知るには事足りない映画で有った事は否めなかったかもしれないですね。
全く同感ですね。
次、「おかえり、はやぶさ」
HALUさん、観られますか? -
ここまで来ましたらば、『おかえり、はやぶさ』は3Dで観ようかと思っています♪
2012/3/7 1:19 by
HALU
影無茶さん。こんばんは。
HALUです。
影無茶さんのコメントのご返信のレスポンスは決して遅くはないですよ。
むしろ早い方ですよ(笑)。
私の方こそ、コメントの返信が遅くなりまして申し訳ありません。
そうですね。
渡辺謙さんですが、あの天下の公共放送のNHKのニュース番組の中でも、プロモーション活動されているくらい、積極的に広報宣伝に行脚しておられるみたいですね。
渡辺謙さんが、ここまで、広報宣伝に行脚されるのには、ひとつには、映画自体の興行が奮っていないことも有りますが、それ以上に、この映画の役柄同様に、この映画製作のプロジェクトマネージャーを請け負ってられたということもあるのでしょうね。
ケータリングの手配全般までも、渡辺謙さんの事務所が担ったらしいですからね。
映画の公開までのスピードもさることながらも、日本の「物づくり」を主題にするのは良いのですが、こと<小惑星探査機はやぶさ>のプロジェクトに関する、事細かいエピソードを、大幅に端折り過ぎたのが致命的だと思いますよね。
その点、20世紀フォックス版の堤幸彦監督の映画の方が、親切な作りで好感が持てましたし、それと、この東映版の場合には、「物づくり」に懸ける<葛藤や苦悩>ばかりがクローズアップされて、<小惑星探査機はやぶさ>自体に対する<愛やロマン>がほとんど感じられなかったのもイマイチだったところではありましたね。
ここまで来ましたらば、私の場合には、最後まで付き合って、松竹版の『おかえり、はやぶさ』は3Dで観て観ようかと思っています♪
それでは失礼致します。
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