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オリジナル版が気になります
2012/2/20 2:52
by
影無茶
不覚にもオリジナル版の存在を全く知らず・・。
レヴューアーの何人かの方がオリジナル版の良さについて記しておられるのがとても気になっています。
結局全く予備知識なしに観た訳ですが、テンポが速く台詞も多い割に、役者達が丁寧に演じているので理解しやすく、ジャンルこそ全く違いますが、ソーシャルネットワークと共通する物を感じました。
フィンチャー監督ならではなんでしょうね。
主人公ミカエルとリスベットは前半、接点があるようなないような関係で、二人の行動はそれぞれ別々に描かれ、なかなか交わりません。
まるで「1Q84」の青豆と天吾の如く・・。
この前半部分で、リスベットが地下鉄のコンコースで盗難に遭うシーンがありますが、そこで犯人に対して見せる攻撃的性格は、観ている我々観客にその後彼女が起こすであろう行動様式を充分に予感させます。
ミカエルはヘンリックから依頼された、姪ハリエットの失踪事件の謎を解く仕事を遂行する為にその関係者一人一人と出会い、それを宿舎で丁寧にチャート化していきます。
しかし、会う人物会う人物、ひと癖ありそうで謎は深まり、やがてその謎を解く為に助手が必要となり・・・・
二人は出会います。
そこからどう展開していくのか。
これは観てのお楽しみ。
この映画、謎解きの興味はもちろんですが、二人の主人公の個性が光ります。
ダニエルクレイグの渋いの何のって、ボンドよりこっちの方が似合ってるんじゃないでしょうか。
ほんとかっこいいです。
ルーニーマーラも体当たりで頑張っています。
これだけ頑張った彼女にアカデミーも主演女優賞ノミネートという形でご褒美をあげた形ですが、当然でしょうね。
ラストシーン、リスベットを愛おしく思えた貴方はフィンチャーの術中にまんまとはまってしまった・・と言えるでしょう。
私?それは内緒です(笑)
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Re: オリジナル版が気になります(←リメイク版を先に観られたのもそれはそれで良かったとも思います)
2012/2/20 3:34 by
HALU
影無茶さん。こんばんは。
HALUです。
お邪魔させて頂きますね。
ハリウッド版のリメイク版の『ドラゴン・タトゥーの女』を鑑賞して来られたみたいですね。
> 不覚にもオリジナル版の存在を全く知らず・・。
> レヴューアーの何人かの方がオリジナル版の良さについて記しておられるのがとても気になっています。
そうですね。
スウェーデン版のオリジナル版の良さは、何と申しましても、探偵モノ映画としての体裁が丁寧で、ミステリー的な謎解きの面白さ度合いが抜群に面白い仕上がりの映画で有る点でしたね。
ただオリジナル版の方の難点は、編集手法が、今作品のディヴィッド・フィンチャー監督のリメイク版の様な独特な編集のキレの良さによる、158分間の長尺な映画にも拘わらず、アッという間に観終えてしまうような、テンポの流れの速さやキレが無い分、多少ながら中だるみ感はありますね。
その点、このディヴィッド・フィンチャー監督のハリウッド版のリメイク版の方は、主人公二人の人物造形の描写が非常に丁寧な感じを受けましたし、フィンチャー監督自身も、ミステリー的な映画の要素よりも、<主人公二人の物語>的な映画としての方を優先したのかもしれないですね。
あとの続編2作を考えれば、それはそれで正解でも有るリメイク版の映画作りだったのかもしれないですね。
> 主人公ミカエルとリスベットは前半、接点があるようなないような関係で、二人の行動はそれぞれ別々に描かれ、なかなか交わりません。
> まるで「1Q84」の青豆と天吾の如く・・。
ここも、オリジナル版の方は、早い段階で、主人公二人の接点が丁寧に描写されていますので、オリジナル版の方が丁寧ではありましたね。
> この前半部分で、リスベットが地下鉄のコンコースで盗難に遭うシーンがありますが、そこで犯人に対して見せる攻撃的性格は、観ている我々観客にその後彼女が起こすであろう行動様式を充分に予感させます。
このリスペッド役のルーニー・マーラも頑張ってはいましたが、他人を寄せ付けない野性味溢れる感じが、イマイチ、オリジナル版のリスペッド役のノオミ・ラパスには遠く及ばない感じはしましたね。
このハリウッド版のリメイク版を観られてから、オリジナル版の方を観られたらば、その映画それぞれの良さが相対評価出来るかとも思いますので、このミステリー小説の『ミレニアム』3部作の映画の入り口が、このハリウッド版のリメイク版の鑑賞の方が先なのも、それはそれで良かったのかも知れないですよ。
ですので、ミステリー的な要素をも、この映画で、更にじっくりと愉しみたいとお思いでしたらば、オリジナル版の方も、是非とも、レンタルDVDででも観られることをお勧め致します。
本レビュー投稿には、フィンチャー監督作品ならではなのかもしれないですが、主人公二人の人物造形が実に丁寧だったという印象は、私も同感でした。
それでは失礼致します。 -
Re: オリジナル版が気になります
2012/2/20 21:44 by
影無茶
HALUさんこんばんは。
早速レスいただきありがとうございます。
HALUさんのコメントを拝見するに、フィンチャー版はオリジナルに対して洗練された感じ・・という印象を受けました。
もちろんだからオリジナルはあかぬけてないから駄目とは全く思っていません。
オリジナルは着実に物語が進んでいく・・
テンポよりも重厚さが目立つ・・って感じでしょうか。
まあここで私がうだうだ書くより観る事に尽きるんでしょうね。
リスベッド役の比較も興味ありますし、HALUさんが本格ミステリーと言われるんですから、これは是非観たいと考えています。
ではまた -
オリジナル版の方は、横溝正史の『犬神家の一族』みたいな感じのミステリータッチの濃い映画ですね。
2012/2/21 0:25 by
HALU
影無茶さん。こんばんは。
HALUです。
お返事を下さり、有り難うございました。
オリジナル版の方は、レンタルDVDででも、観て下さったらばお解り頂けるかとも思うのですが、あの邦画の『犬神家の一族』の様に、各登場人物である親族を中心に、それぞれ巧く描き分けが、実に、丁寧になされていますので、その点が誰が真犯人なのか、ミステリー性に富んだ演出になっているという印象を受けましたね。
と言いますか、謎解きのヒントが、実に、沢山散りばめられていましたし、なかなか真犯人にまで至らずに観客を焦らしてくれますので、観ている側にすれば、親族の中で、いやその他も線も含めて、果たして、いったい誰が真犯人なのかと、観ながら一緒に推理出来るので、その点が面白かったですね。
また、主人公二人のミカエルとリスベッドの関係も、案外、淡泊でしたので、探偵と助手という関係性も、シックリ来ましたよ。
それに対しまして、ハリウッド版のリメイク版の方は、スタイリッシュさや洗練された感は、さすがにフィンチャー監督作品ならではなのかもしれないですが、ストーリー展開のテンポが早過ぎて、おそらくですが、観客の多くの方は、一緒に推理する愉しみ方が出来ない分、その点が非常に惜しいですね。
また、オリジナル版の方ですが、<重厚>というよりも、むしろ、<猟奇殺人>の描写など、エグい描写が比較的に多くて、それらのヒントを徐々に解明していくといった感じでしょうか??
それこそ、TV版シリーズの『新参者』の推理ドラマの様に、徐々に一皮ずつ剥いていく様に、一緒に観客も推理していく感じの、ミステリーに比重を置いた映画にはなっていますね。
そういった感じですから、オリジナル版の方も面白いのは面白いのですが、非常に長い映画に感じてしまう欠点は有るでしょうね。
オリジナル版の方は、正直、観ていて上映時間が長く感じましたね。
ですから、こと<探偵モノ映画>というミステリー的な要素を重点に置いて観れば、オリジナル版の方に軍配を上げますが、フィンチャー監督の今作品の方が、主人公二人についての人物造形の描写については丁寧な作りですので、ここは甲乙つけがたいですね。
レビューアーのお1人のハナミズさんのレビュー投稿では無いですが、フィンチャー監督作品ならではの『オープニングシーンでKO』って感じでしたし、また、映像的には非常に荘厳で綺麗な映像美の映画だったかと思いますね。
ですから、おそらくですが、今回のハリウッド版のリメイク版を観られてから、オリジナル版の方を観られますと、本当は、今作品よりも、約5分間、上映時間がやや短い作品にも拘わらず、やたらと焦れったいやら、やたら長い映画とお感じになられるかも知れないですが、そこは我慢して観て下さいませ。
それと、毎年郵送されてくる<押し花>の謎解きの点も、オリジナル版では合点がいく内容になっていますよ。
フィンチャー監督が、あえて、今回のリメイクに際して、主人公二人の人物造形を丁寧にした作りにする映画に重きを置いたのは、おそらくですが、続編2作への布石だと思いますよ。
そういった点からも、続編2作の次回作は楽しみではありますね。
それでは失礼致します。
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