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ト書から入った変わり者。
2005/2/16 23:10
by
Naribu
劇場で「鉄道員」が上映されていた頃・・・
月刊の日本映画シナリオ誌で出会った「鉄道員」の脚本。
原作も読まず、映画も観ぬまま読破し、いつか映像を観てみたい、と願い続け・・・
TVの中ではあるが、ハマりにハマっていた高倉健さんの乙松。
当時まだ10代だった頃に観た「幸せの黄色いハンカチ」や「居酒屋兆治」で、高倉健の朴訥で静かな中に滲み出る情感。
それが、この作品でも見事に引き出されていた。
「不器用ですから」
まさに、そのもの。
昭和の、いや、高度成長期の変転の渦中で真っ直ぐに自分の責務を
果たす男。故に、守りきれなかったもの。
そして、置き去りにされる男。
乙松の生き様。それを自然且つ最大限に引き出せる俳優。
そして、この俳優こそが乙松そのもの。
頑固一徹な昭和の仕事人の最期の刻に贈られた素敵なプレゼント。
受け取った乙松・・・戸惑い。邂逅。後悔。そして、感謝。
ゆるやかに、心に届く想い。
脇を固める俳優陣と演出が、更に「それ」を引き立たせていた。
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