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木偶と踊れば
2013/2/13 19:26
by
kotorin
Singin' in the Rain
ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズ、ジーン・ヘイゲン、シド・チャリシー
監督 スタンリー・ドーネン、ジーン・ケリー MGM作品
サイレントからトーキーへの移行期、
初めてトーキー作品に挑む俳優たちを描くミュージカル。
当時の大スターや名作のパロディーがいっぱい。
なめらかでバネの効いたケリーのダンスはいうまでもありませんが、
人形と踊り、壁を駆け上がるオコナーの
体力の限界に挑むような、それでいてコミカルな動きも圧倒的。
レイノルズの溌剌とした、しかし
お色気に欠けるダンスを補うのがシド・チャリシー。
殆ど素足で風に靡く白いシフォンの布と戯れる様は恍惚とさせる美しさ。
ヘイゲン演じる悪声のサイレント女優が憎めない。
人気を鼻に掛ける鼻持ちならない女だけれど、どこか可愛くて、
ラストでは意地悪なのはどっちだろうと思ってしまいました。
ヘイゲンは実際は落ち着いた声の持ち主で、
「Would you」のシーンの台詞は彼女自身の声だそうです。
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Re: 木偶と踊れば
2013/2/12 19:17 by
ありりん
> ラストでは意地悪なのはどっちだろうと思ってしまいました。
あー、これ、私も感じてましたね。
お久しぶりです、kotorinさん。
あの頃、声の不味さや下手なセリフ回しに失業した役者多数、というのは有名なお話(もしかして都市伝説?)ですが、今まで築いてきた地位から転落するかもしれないという恐怖感はどれほどのものだったでしょうか。それを思うと、あの女優さんの八つ当たりのような意地悪、そしていじらしいとも思える執着心は、さもありなん、と思うのです。
対する、デビー・レイノルズら3人、何とも楽しそうじゃないですか。初めて見た時はレイノルズ扮する小娘のサクセス・ストーリーに拍手、拍手でしたが、何度となく見るにつけ、あの大女優さんもなんとかしてあげてほしかったな、と思うのです。
>人形と踊り、壁を駆け上がるオコナーの
>体力の限界に挑むような、それでいてコミカルな動きも圧倒的。
ホント、軽々とやってのけてます。ジーン・ケリーの踊りが重く見えるくらいでした。何回見ても飽きませんね。
>ヘイゲンは実際は落ち着いた声の持ち主で、
>「Would you」のシーンの台詞はヘイゲン自身の声だそうです。
そうなんですか。貴重なトリビアネタ、ありがとうございます。 -
飴に鞭EVER!
2013/2/12 21:06 by
青島等
ありりんさんに釣られました。
こんばんわ、kotorinさん
>あの頃、声の不味さや下手なセリフ回しに失業した役者多数、というのは有名なお話(もしかして都市伝説?)
いえ、それは‘長澤まさみ美脚’じゃなくって田舎真実です。
ジョン・バリモアのアルコール依存症による凋落
ジョン・ギルバードの自殺(永らく心臓発作と改竄されていた)
スターでトーキーを克服出来たのはロナルド・コールマン等極僅か
エドワード・G・ロビンソン其の頃まだエキストラに近い脇役
ゲーリー・クーパーはスタントマン/ビリング5番目位置のランク
>今まで築いてきた地位から転落するかもしれないという恐怖感はどれほどのものだったでしょうか。
チャールズ・チャップリンの頑固なサイレント固執を批判攻撃したのがグルーチョ・マルクス
‘チャップリンより喋れる歌える演奏も出来る我々の方がずっと客のニーズに応えているゾ、
トーキー以降の奴の映画は全部屑だ。’
グルーチョの毒舌は営業用だけじゃく真性だったのかと!?! -
壁を駆け上がれば
2013/2/13 19:25 by
kotorin
ありりんさん、お久です〜。レスありがとうございます♪
>あー、これ、私も感じてましたね。
やっぱり? 本作、徹底してコミックタッチなので、リナをコケにするのもギャグのうちで有りなのはわかっているのですが、でもね。彼女のおかげで人気が出たのを忘れちゃいかんでしょ。
>ホント、軽々とやってのけてます
ケリーは完全主義者で厳格だったようですね。
専門は体操だったもののダンスの経験のないレイノルズは、ケリーに踊れないのを責められてピアノの下で泣いていたのを、アステアが見つけて教えてくれた。出産と本作の出演が、一番辛い経験だったと後に語っているそうです。
オコナーもケリーに怒られるので終始ビクビク。あの「Make ’Em Laugh」のダンスを撮り終えたあと、疲労で一週間寝たきりだったそうです。
ケリーの油の乗った動きには及びませんが、オコナーのあのハードな動きは若いからこそ。当時のケリーには無理だったのでは。
ケリーの厳しい指導に必死でついていった若い二人の根性にも脱帽。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
夢寝さん、こんにちは。
>>あの頃、声の不味さや下手なセリフ回しに失業した役者
オープニングで出てくるセレブ達、ジップガールのゼルダはイット・ガールのクララ・ボウ、
貴族と登場の蜘蛛の巣ドレスはポーラ・ネグリかグロリア・スワンソンのパロディ。
ポール・ムニ似でジョージ・ラフト気取りのコイン投げの彼女はルイーズ・ブルックス。
みんな、サイレントと共に消えていった人達。
ドンは舞台女優志望のキャシーを皮肉ってエセル・バリモアと呼ぶけど、彼女はトーキーでも活躍してて、納得。
ボーのぼっちゃんは、あんなに立派なダンサーに育って…クーパーもびっくり?
でも、オコナーって映画ではあまり有名な作品に出ていませんね。もったいない。
日本が舞台の「嬉し泣き」というコメディーでグレンと共演、ミヨシ梅木と結婚してますが、ダンスは無し。
「ブロードウェイ・メロディー・バレー」のシークエンスは、ストーリーとは殆ど関係がなくて、流れが冗漫になったように感じました。チャリシーは見事なんですが…ってこれ、「必殺の一弾」のラス・タンブリンのシーンでもこぼしたばかり。当時はサービスのつもりでこういうダンスシーンを入れるのが流行りだったんでしょうか???
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