黄水仙 さん
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2008年6月1日 to ランボー 最後の戦場
CGとかの発達の成果なのだと思いますが、人に着弾すると砕け散るのですよ、頭とか腕とか、肉体自体が。それだけでも気持ち悪くなりました。ゾンビ破壊ではないのです。悪いことはたくさんしていると思いますがそれでも人間なのですから、ああいう風に殺してしまうとわたしには薄ら寒い思いがします。
あまり工夫もなく、単なる殺し合いゲームにしか見えませんでしたねえ。第一作目はベトナム戦争に従軍した兵隊のその後で、ベトナム戦争を痛烈に批判していて面白く、好きな映画のひとつですが...。
さよなら、乱暴者。
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2008年6月1日 to 山のあなた 徳市の恋
名匠・清水宏監督の『按摩と女(1938)』のリメイクだそうだが、オリジナルは未鑑賞。リメイク用の脚本ではなく、オリジナル版からおこしたもの、つまりは「清水宏脚本」で、映画自体もオリジナルをかなり意識したものとなっている様子。
按摩としての素振り、徳市(草剛)は大振り過ぎ、むしろ福市(加瀬亮)にリアリティがあるように思う。『按摩と女』が観たい。
それよりも徳市の相棒の福市を呼んだ5人の浴衣女学生の、布団の敷かれた部屋で展開される福市のいじめられるシーンが面白い。これからこいつら按摩するのかよ、負けろ負けろって言われてるけどやだなあ、でも女子学生だからなあ、若いしなあ...、うしししし...ってな、映画での福市応対とは反対の、内心の声が想像できてニンマリ。按摩というのも存外、楽しい商売なのである。
でもやはり、オリジナル版が観たい。
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2008年6月1日 to 丘を越えて
猪瀬直樹原作「こころの王国」の映画化。
東京下町っこの洒落言葉が随所に使われている。そのうちのいくつかを使っているわたしは、やはり古い人間だ(「その手は桑名の焼き蛤」「恐れ入谷の鬼子母神」)と再認識。映画では、特に「鬼子母神」を「きちもじん」と発音させる懲りようだ。
昭和初期の風俗も興味深い。「モダン日本」よりも昔ながらの日本の街並みに、だ。取り立てて興味深かったのは、娼家の町並みと赤いちょうちん、ふかし芋屋。ま、それ以外にはあまり記憶にないが。
「生活第一、芸術第二」の菊池寛を「高等遊民」の夏目漱石に対比させた原作者猪瀬直樹(未読)の意図は面白い。が、高橋伴明監督のこの映画では、期せずして、劇中の菊池寛がその高等遊民に見えるのは、皮肉だ。
池脇千鶴好演も、背が小さく、西島秀俊とのダンスシーンで、見上げる顔がそっくり返っていて目をひん剥いていたのが、かわいそうだった。別な演出でも良かったのに。
物語り自体は尻切れ蜻蛉の様、原作どおり?なのだろうか。フォローで入れたのかもしれない出演者総出(とはいえ、高橋恵子はいなかったような)ダンスは楽しい。回想シーンでの刺青を入れた峰岸徹の歌が優しい。
2008年5月31日 to 世界で一番美しい夜
これって、渋谷のイーストアンドウエスト以外では掛かってないみたいですが、他の地域ではどうなんでしょう。しかも160分の長尺。しかし、今村昌平の忘れ形見、天願大介原作脚本監督(『AIKI』『暗いところで待ち合わせ』)にはちょっと惹かれるものが。
しかしなんか、はちゃめちゃな映画でした。楽しかったのですけど。シームレスの合金の貞操帯でっせ、いまどき。縄文パワーとか。詳細は、観ていただければ。
月船さららさん、きれいですよ、ほんとうに。最後、船に乗って、バイバイって手を振るんですが、ほんとにスタイルよくって、手がすっきりの健康的に伸びていて。いい子供、たくさん産めるんだろうなって、勝手に想像しちゃいました。
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2008年5月31日 to アフタースクール
内田けんじ、脚本、うまいっすねえ。いつだか、渋谷のタワーレコードの一階で、CDを物色中、脇を通り過ぎました。その節は、挨拶もしないで失礼しましたって、友達じゃあないっす。しかしこの映画、おもしろいっすよ、見てて十分。後半は、あれよあれよの大どんでん返しだモノ。
でも、なんかそれだけなのがなあ。みんなつじつま合わせになっちゃうんだもんなあ。そりゃあそれぞれのシーンやエピソードが一つ一つの部品で、それの集大成で出来上がる映画ってのは、理屈では分かっているんだけど、一秒たりとも遅れない時計の中の歯車よりも、なんとなくその時間が分かる砂時計がいいときもある。謎解きした後のコナンみたいで、謎解きにはスカッとするが、そんだけ〜って感じがしてしまった。
いや、再三言うけど、おもしろいっすよ、この映画。主人公たちのキャラも立っているし、ちょっと悲哀もあるし。でも、やっぱなんか、前作の『運命じゃない人』から飛び出てないんだなあ。破綻があっても良いから、もっとわたしたちの気持ちをつかんでよ、内田監督。
期待しているからこその、なおさら辛口評になってしまいましたとさ。
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2008年2月11日 to チーム・バチスタの栄光
厚生労働省の役人白鳥(阿部寛)と少しテンポの遅そうな心療内科担当の田口先生(竹内結子)。この二人がおよそコンビになっていないコンビで、バチスタ手術4不連続失敗・4人死亡の謎解きをする。
阿部ちゃんがもっと大暴れするかと思いきや、ソフトボールでのホームランと出だしのアクティブ・インタビューのときくらいで、後半は至極真っ当なお役人になってしまう演出に少し失望。だって、阿部ちゃんの勢いがなくなっているんだもの。竹内も、何をするのでもなく、只流されて、ぱっとしない役どころ。竹内がよかったのは唯一、患者の死を体験した時の怖さを廊下で座り込んでおびえて見せたところ。
それ以上に、チーム・バチスタだってそれぞれ個性ある役者に演じさせているわりに、個々のキャラクターがぜんぜん浮かんでこない。だから、結末も唐突。伏線も何もあったもんじゃない。
厚生労働省が病院を管理するための法律を国会で通しやすくなった、ありがとう、と白鳥(2度目のソフトボールはマイ・ユニホームで胸には「SWAN」!)が犯人に感謝するが、それに対し、チーム・バチスタの連中+田口は困惑の表情を浮かべる。観ているわたしは、どっちにも感情が動かず、中途半端。へんな役人をヒールにして映画を盛り上げるか、殺人医師のいる病院を撃破して役人側に付くか。そんな選択を迫られることなく、物語は進み、そして、終わる。
大きく破綻はしないが、観終わっても、あまり心に残らない。竹内結子は好きだし、井川遙もいいし、配役に文句はないんだけどなあ。人間ドラマには程遠い、単なる医療系探偵モノになっちゃったなあ。残念。
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2008年2月11日 to 子猫の涙
題名にある「子猫」は、冒頭に出てきて拾われて、お母ちゃんの出奔の日に唐突に死んでしまう。その猫、一体、何を表現しているのかは不明。主人公の女の子でもないし、野良猫とその子に呼ばれた広末涼子でもない。そもそも猫自体、大して出番はない。だからその「涙」にいたっては皆目わからん。
で、物語は実在のメキシコオリンピック銅メダリスト・森岡栄治の引退その後で、娘の目から見たどうしようもなくしょうもないお父ちゃんの話。お母ちゃんスナックで働かしておいて、自分は仕事もせんと毎晩飲み歩いて浮気する。美人を見れば、娘の担任であろうが、パイプカットした医者であろうが、声をかける。そのだらしなさやだめさ加減をしかし徹底的に書かずにいる。そもそも森岡栄治を演じる武田真治は映像的にはイケメンで基本的にかっこいい。そして、彼は子供に対して徹底的に優しくかっこいい。最後の最後、株偽造容疑で捕まったときの事情聴取でも、警官を一発でノックアウトしてしまうような、映像的にその場その場でのかっこよさが散りばめられている。
だめ男は徹底的にだめ男で書けば、その中から別のものが見えてくるはず。どなたかも指摘されていたとおり、脚本監督の森岡利行は甥だそうで、なまじ愛着のある栄治を冷静に見ることができていない。人はさらけ出された生身の人間に感動を覚えるのであって、その時々のかっこよさに惹かれるわけではない。
大きな建物は通天閣だけみせて、あとは大阪の路地裏を丁寧に拾ってワンシーンワンシーン見せている。ボロボロの自転車の止めてある軒先には雑然としてはいるが愛情込めて丹精しているだろう植木鉢、そんなのがたくさんおいてある裏道。そのシーンだけでもそこに住む人たちの生活がにおって来る。これはこの映画のよいところだ、と思っていたら、この路地裏は東京近郊で撮影したものだと、知り合いが指摘していて驚いた。これはすごい。その雰囲気を映像にしっかり写し取っているのは技術だ。撮影や美術の裏方さんがちゃんと仕事をしている。
夢路いとし・喜味こいしの喜味こいしが、おじいさん役で出ている。髯面で、娘が訪ねるといつも千円札(髯面伊藤博文の旧札)のアイロンがけをしている。なかなかよい。動いているシーンが多いが、ここだけはいつも止まっている。時間さえも止まっているかのような演出がされている。
山崎邦正の栄治の兄役が結構いけている。常に自分中心で自分のために怒ったり泣いたり叫んだり頼んだりしている。栄治だってそうなんだろう。ボクシングがあったかなかったか、それだけの違いだったのだろう、この兄弟はって思わせる。最後の落ちるところもいい。
栄治の姉役の鈴木砂羽は、相変わらずいい。どの映画に出ていても颯爽としていて凛としていて、背筋が伸びている。存在感は申し分なし。『サイドカーに犬』でもそうだった。『オリヲン座からの招待状』でもそうだった。独身で飲み屋の女将。いいなあ、あんな飲み屋、ねえかなあ。
ということで、本チャンの栄治よりも、その周りが面白かった映画でした。
2008年2月11日 to 陰日向に咲く
原作は読んでません。ギャンブル狂で借金まみれのバス運転手(岡田准一)が浅草で昔芸人だった母親の昔の相棒(伊藤淳史)を探す女性(宮崎あおい、母と二役)に出会い、モーゼ髭の住所不定公園住人(西田敏行)をみてサラリーマン(三浦友和)はその公園住人チームに参加を試み、漫画喫茶の店長(塚本高史)はアイドル武田みやこ(平山あや)に夢中...。それと、昔芸人つながりでクレジットされているストリッパー(緒川たまき)も出てきます。
ちょっと眠かったです。人間関係とかその行動とかはそんなに複雑ではないので、多分、主人公であろうギャンブル狂のバスの運転手にぜんぜん感情移入できなかったのが原因でしょう。そのほかの人たちの人生も、共鳴できるものがなく。
それでも、結構人がお客さんが入っていました。岡田准一めあて?ごくろうさんです。
配役がよかったので、少し残念です。
2008年2月11日 to 迷子の警察音楽隊
1948年の建国以来、イスラエルは、いわゆる「パレスチナ問題」をかかえ、アラブの周辺諸国と4回にわたる戦争(中東戦争)と繰り広げてきた。1979年にエジプトと平和条約がなったイスラエルには、ひと時の平和が訪れる。この映画は、その束の間の平穏を囲っているイスラエルに作られた「アラブ文化センター」の開所式に招かれたエジプトの警察音楽隊が、アルファベット一時違いでかの地とは全く別の地に降り立つ、つまりは「迷子」になるところから始まる。
さて、基本的にエジプトとイスラエルは敵国同士なんだから、さぞかし緊張感あふれる映画なのだろうと想像している頭でっかちのわたしは、映画のプログラムをみてのけぞった。なんと、イスラエルに住むユダヤ人の2割はアラブ系なのだそうだ!建国当初はヨーロッパ系ユダヤ人(アインシュタイン、スピルバーク、ダスティン・ホフマンなどなど)の立国を予想していた大半の人々の思惑は、建国後のアラブ系ユダヤ人の大量移住で全く外れてしまったようで、そして事実このイスラエル映画のエジプト人警察音楽隊の面々は、皆イスラエルのアラブ系ユダヤ人俳優なのである。主人公の隊長などは、イスラエルでは知らないもののない、アラブ系ユダヤ人の大俳優だそうな。しかし、アラブ系ユダヤ人は冷遇されている。イスラエルでは「アラブの人」といわれ、二流市民扱い。アラブに出れば、「ユダヤ人」ということで白い目で見られるそうだ。うむ。
映画でも語られるが、イスラエルでの娯楽は、まだチャンネルがひとつしかないテレビで毎週金曜日に放送されるエジプト映画であったようだし、その映画にあこがれていた一膳飯屋の女主人は、だからこそあのエジプト人たちにひと肌脱ぐのであろうと思われるし、隊長に好意を寄せるのだろう。う〜ん、歴史は表面づらだけではわからない。庶民はどんな生活をしているのか、そんなことが意外に丁寧につづられているこの映画は、そういう意味でも興味深く面白い。
女主人と隊長のぎこちないデートも一興だし、若い隊員の初心な青年への恋の手ほどきも、ただの具体的な手ほどきではなく、パントマイムを見るような一連の演出は楽しい。
全編を通して互いにぎこちない訛り丸出しの英語を使っているのもおもしろい。設定がそうであるからとはいえ、自分の気持ちがさらさらと通じるはずの母国語が禁じ手になるが故のもどかしさと、だからこそ通じさせようと考えながら確かめながら話す英語の、あるときは見当違いな、あるときはは言い過ぎた、互いに第二外国語を使いながらの微妙なコミュニケーションが、映画に緊張を孕ませる。
しかしこの音楽隊、意外と言っていいほど、音楽はコミュニケーションとして使わない。楽器に関しては唯一、クラリネットを吹く、隊長ともう20年来音楽隊をやっている副隊長格の男のうまくはない演奏だけだ。しかもその自作の曲は明るくなく、そして未完成。泊まった家の若い主人はもう一年失業しており、一歳にもなっていない小さな赤ん坊の寝顔を見ながらぼーっとしている。壁にかかる新婚の新婦を抱きかかえる写真。彼は、その未完成の曲の最後をその子供の寝ている部屋のような静けさで突然終わればなんて、提案したりする。音楽とは反対の静寂。いや、意外に表裏なのかもしれない。
でも、どうにかなる。そして、朝になり、警察音楽隊は正しい地に降り立つ。そしていつものように、正しく演奏をするのだ。
ここでの評価があまりに低いことに少し吃驚したが、それはそれでよし。わたしは、ある種の共感と驚きと自分の無知さ加減へのあきれ(軽い自己嫌悪)を覚えた。百聞は一見如かずといった使い古されたことわざを引っ張り出すまでもなく、まずはご覧いただければと思う。そして、いろいろと考えよう。
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2008年2月11日 to 転々
変な映画です。原作は読んでません。映画は、借金取りの三浦友和が借金しているオダジョーの下宿にあがり込み、羽交い絞めにして自分の靴下をオダジョーの口につっこむシーンから始まります。そしてその前半は、ひょんなことから、その三浦友和とオダジョーの、東京名所旧跡散歩になるんです。で、後半、小泉今日子が出てきたあたりからは、偽家族が本当の家族のようになっていくベタなホームドラマ展開になっていきます。
もしかしたら、若い人たちは、三浦友和の奥さんが山口百恵で、イケメンの走りであったことなんて知らないでしょう。同世代のわたしは、その三浦友和も好きでしたが、『台風クラブ』あたりから崩れてきたそんなかっこよさがまるでない、デブでロンゲでダサイ三浦友和も好きです。
偽家族の食卓で、かねてより三浦友和が「娑婆での最後の食事として食べたい」といっていたカレーライスを、オダジョーが泣きながら食べるシーンは結構ジンときます。
三木聡監督は『時効警察』で監督脚本をしていたそうで、サイドストーリーではおなじみの岩松了やふせえりが、ひょうきんな一面を持つ松重豊(『しゃべれども しゃべれども』『Little DJ 小さな恋の物語』)と絡んで軽いギャグを連発、ワンポイントで麻生久美子も応援出演。岸部一徳も岸部一徳役で出演。
観終わってなんとなくほっとする映画です。
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