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ドス黒い濁りを凝視せよ!

2010/11/18 (木) written by 相馬学(映画ライター)

まず、この邦題がイイ。映画のただならぬ空気と、いかがわしさを伝えるに十分で、強く興味を引かれる。で、いざ見てみると、これが看板に偽りナシの、どっぷりダークな強力サスペンス。



詐欺罪で逮捕された宗教家が悪徳刑事に拷問同然に痛めつけられる導入部から、不穏な空気は漂っている。毅然と暴力に耐え続けて、刑事の心をも動かしはじめた、このキリストのような聖人君子的な宗教家がいきなり刑事に“(ある悪党を)半殺しにして欲しい”と頼む。冒頭から、この濁り具合だ。

物語が本筋に移り、父の訃報を受けて山奥の村にやってきた青年が、村長をはじめとする村人たちに、なぜか厄介者と見られる上に命までも狙われてしまう。なぜ、父の検死が行なわれない? 父の財産が、なぜ他人の手に渡ったのか? 20年前に起きた集団死亡事件と、今回の件にはどんな関係があるのか? 濃度を増してゆく濁りの奥底には、多くの秘密が渦を巻いており、さながらミステリーのジェットコースター。謎が謎を呼ぶ展開に、ガッチリと心をつかまれてしまう。

田舎の閉鎖性を活かしている点も注目すべきポイントだ。山に囲まれ、森に覆われた風景は一見、風光明媚だが、闇が数多く点在する。同様に、いかにも気が良さそうな村人たちも肝心なことには口を閉ざし、多くを語りたがらない。田舎を舞台にした傑作スリラーは『悪魔のいけにえ』をはじめ数多いが、韓国製の本作は日本のメンタリティに近く、『犬神家の一族』や『八つ墓村』などの横溝正史原作作品に近いものを感じさせる。

そして言うまでもなく、そこには人間の心に潜む邪悪な面が浮かび上がってくる。支配欲や所有欲、肉欲などの欲望。これまで築き上げたものを守るためには犯罪行為さえいとわない、その欲望は底なしの様相を呈する。濁っているのは、決してドラマの展開だけではないのだ。

物語が複雑に入り組んでいるため見終わってからも、すべてを理解しているのか自信が持てない観客も少なくないだろう。しかし、このブラックホールのような闇は、見る者の好奇心を強烈な吸引力で引き寄せる。この“濁り”は、なかなかドス黒い。

【関連作品】
黒く濁る村

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