オールスターキャストで贈る同名映画のリメイクは、楽しさ満載の手作り映画。
2003/07/04 (金) written by フォルティ大滝(映画ライター)
CG全盛の時代に、敢えてロケ撮影禁止にまで至る製作スタンス。やんちゃな空気漂う痛快追跡劇。
先ずキャストに注目してしまう。マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、エドワード・ノートン、ジェイソン・ステイサム、セス・グリーン、そしてドナルド・サザーランド。このなんとなく際どい豪華さに興味をそそられるのは筆者だけだろうか。60年代の同名作品のリメイク。ますます期待に胸が膨らむというものだ。
復讐と金塊奪還に燃え、ミニ・クーパーによるノスタルジックな追跡劇が見物だ。複雑な展開はない。誰もが知っている、ないし予想がついてしまうストーリーに安心していられる。またチーム構成員のそれぞれに得意分野の役割がある。“チームプレー”モノには不可欠な要素だが、さほど有機的に絡み合ってない点が残念だった。
ロケ地のヴェニスでは今後撮影を禁止するというミニ・クーパーによるカー・チェイス。CG全盛のこの時代に火花散り、タイヤの焼ける音と臭いがしそうな泥くさいアクションを見られる映画はかなり貴重だ。また敢えて再使用したこの邦題センスも最高。が、本編のイメージとは全然合っていない。それはキャストにも言えるのだ。
やはりエドワード・ノートン。あまりの演技の上手さに浮いている。『シベリア超特急2』の長門裕之氏が、その堂々たる演技力で同じような目に遭っていたのとほぼ同じ現象だ。個人的なひいき目を除外しても、素晴らしい俳優だ。安っぽい口ヒゲも、彼にかかれば意味のある小道具と化す。そんな魅力が大炸裂しているのである。
冒頭のヴェニスのボートの追跡シーンが圧巻である。007シリーズを意識した導入で、カメラアングルも申し分なく、大迫力だ。本編途中、ほんの一瞬誰もが知ってる何かが映ったような気がする(気のせいかも知れない)。ともあれ、そんな遊び心満載のハンド・メイドな楽しい映画。セスの笑顔がそれを象徴しているかのようだ。
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