伝統芸能\的なエディ節、懐かしいはずが今や新鮮!?
2003/06/29 (日) written by フォルティ大滝(映画ライター)
デ・ニーロと共演した『ショウタイム』も記憶に新しいエディ・マーフィーによるバディ・ムービーが再登場!
いわゆるバディ・ムービーとは、コンビが主人公の映画の意。相性の合わないデコボコな2人組であればあるほど面白いものだ。相手役はオーウェン・ウィルソン。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ズーランダー』等で、顔は二枚目だが、独特のコメディセンスを爆発させている今が旬の注目俳優だ。相変わらずのエディ節に対抗すべく、真顔でズレた事をいうオトボケぶりを発揮。ベテランのエディに引けを取らない快演を見せてくれる。
本作は60年代に製作されたTVシリーズのリメイクであるが、言われないと分からないほどにエディの映画になっている。国家保安局BNSのスペシャル・エージェントと、彼の相棒になることになった無敵のボクサーが遂行する極秘任務も、まったくと言っていいほどスパイ映画らしさは失せている。互いの視覚を共有できるスパイ・ガジェット”スイッチ・アイ”を手にしたとたんにエディ節に火が付いて、完全にエディの映画になってしまう。
ここはやはりエディのセリフに耳を奪われるというもの。2人が『ミッション・インポッシブル』のトム・クルーズばりの潜入劇を展開するスリリングなシーンでも、エディのセリフで笑いのそれと化す。かなりどうでもいいような事にこだわるエディの口撃に笑わせてもらう。また、『007/ダイ・アナザー・デイ』でも既に使用済みのあのステルス製の戦闘機も登場。エディにとっては、スイッチを切り替えて遊ぶ程度のモノに過ぎないところがなんとも面白い。全てエディ色に染まれっ!と言わんばかりだ。
相方を務めるのは、善人テイスト全開のオーウェン・ウィルソン。喋るときに目線をそらしたままでいる仕草は、狙った演出かどうかは不明だけど、本作の隠しコマンドとなり、いい味を出していたように思う。
エディ・マーフィーが相変わらず口達者だ。健在というか、80年代のまんまなんである。世間の評価はどうであれ、一貫したスタイルを貫き通すコメディ芸人魂を感じる。本人がどう思っているかは知らないけど。確かに現代ウケはしないかも知れないけど、磨きのかかったマシンガン・トークは、もはや伝統芸能の域に達しているのではないか!?そんな気がした映画である。
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