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遠く離れて暮らした歳月は母娘の絆も引き裂いてしまうのか・・・。

2003/05/12 (月) written by フォルティ大滝(映画ライター)

ありがちなテーマを見事にドラマにした映画大国フィリピン発の愛すべき国民映画の登場!!

6年間離れて暮らしていた親子が、再び共同生活を始める。その間出来てしまった”壁”を乗り越えるまでの心の葛藤と家族のあり方について、現代のフィリピン経済事情を織り交ぜて描いた感動的な映画である。こう聞くとかなり重々しい空気が流れていそうだ。ありがちな題材であるだけに気の利いた工夫を導入しなければ、凡百のテレビドラマなレベルで終わってしまいそうな危険性があるところだ。

6年間もの”出稼ぎ”単身赴任は、母親としての存在意義と家族の一員としての資格を剥奪するのに十分な期間であった。戻ってきたところで、すでに赤の他人となり、子供たちとの間に存在する見えない壁に観ている方まで戸惑う。タイトルにも冠されている”娘”の変わり果てようには、同情こそすれ投げかける言葉を見失うほどだ。

基本的に分かりやすいストーリーに加え、登場人物のキャラクター像がはっきりとしているのでとても観やすい。並居る大作系映画の中において、橋田ドラマ的な内容ではあるが、味のある俳優たちによる力強い芝居の累積が、クライマックスへ向けて昇華していく。その様はやはり映画ならではのパワーを感じる。母と娘がぶつかり合うシーンでは、どちらの味方に付くでもなく、一体どうすればよいのかという問題解決の糸口だけを探すような気分にさせる見せ方となっているのが凄い。

登場人物たちが一様に魅力的だ。皆、寝不足のようにクリアーでない目つきをしているあたりは、心に何か引っ掛っている心情を表しているのか。活き活きとした母親役のヴィルマ・サントスが良い。余談だが、彼女が家政婦として奉公していた先の香港家族の”悪のデフォルメ度”は、なかなかツボを得た感じで笑ってしまった。

これだけ普遍的かつ重いテーマを扱っているにもかかわらず、雰囲気は爽やかなのが不思議。最初は壁を感じて気を使っていた母親が、後半ブチ切れて思いのたけを語り出すシーンは、涙を誘うとともにエネルギーをもらえるような気にもなる。貧しさが招いた家族の乖離現象は、いつの時代どこの国でもやるせない気分にさせるのだが、本作は真夏のマニラのようにパワフルな母と娘のやり取りが功を奏して、返って清々しい気分になれたと思う。

【関連作品】
母と娘

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