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『女の歴史』あらすじ


(※内容にネタバレを含む場合があります)
東京近郊で美容院を経営する清水信子は、自動車会社のセールスマンである一人息子功平と、ささやかな家庭を営んでいた。その功平もいつの間にか信子が結婚した当時の夫と同じ年になっていた。昭和十二年春信子は、町内の材木問屋の長男と結婚した。この日から信子の女の歴史が始った。翌年の秋功平が生れた。武漢三鎮が陥落して提灯行列で賑った晩だった。一人息子は六つになったがアメリカとの大戦争はいつ果てるともなく続いた。そんな折、信子は女として初めて嫉妬に悩んだ。夫に女からの手紙があったのだ。実家に帰った信子を迎えに来た夫の手には召集令状が握られていた。信子は生れて始めて夫を激しく愛した。嫉妬することを教えてくれた人。女の喜びを呼びさましてくれた人。その夫も親友秋本に送られて華やかに戦場に出て行った。誇らしさと、不安と、哀しみが私の胸をしめっけた。戦況は益々ひどく、深川の父も母も戦火のかげに死に、功平は国民学校に入学した。暑い夏夫の戦死の公報が入った。終戦−世の中は全て変わったが、復員した夫の親友の秋本の心づかいは信子の胸にあたたかった。米のかつぎ屋に身を粉として働く貧しい信子の許に秋本が五千円の大金をもって訪れた。やさしい秋本の態度、笑顔、この人が私のものであったら、女の心の悲しさに信子は泣いた。ある日仕事の関係のある玉枝の家で、夫のかつての恋人と称する女に会った。心の支えを全て失った信子は、この日から功平だけを頼りとした。そんな信子に功平はキャバレーで働く女を残して事故死した。何んのために私は生活と戦ってきたのだろう。すきま風が吹きすさんだ。功平の子供をはらんだみどりを罵倒する信子に、女の歴史が重く。 【キネマ旬報データベースより】


 

 

 

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