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紙の月に見る女の業

11月15日(土)全国ロードショー

ぴあ映画生活PRESENTS

最も美しい横領犯。

Introduction & Story

90 年代。まだ子どもはなく、夫とふたり暮らしをしている梨花は、銀行の契約社員として渉外係を任されている。ある日、顧客の孫である光太と惹かれあった彼女は、ふと手を付けてしまった銀行のお金を、彼のために使うようになっていく。角田光代の同名小説を、『桐島、部活やめるってよ』の次回作が待たれていた吉田大八監督が映画化した『紙の月』。デビュー作の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』や『パーマネント野ばら』など、これまでもフラットでありながらも濃密に“女の業”を見つめてきた監督が、本作で描き出したものとは何なのか。ヒロインの梨花と、銀行で働くふたりの女性の生き方から探ってみたい。

紙の月に見る女の業

何不自由なく見えても心に渇望感を抱えている梨花。ちゃっかりと現実をサバイブしていく窓口係の相川。支店を支える事務員として実直に働き続けてきた隅。3人のキャラクターから見える“女の業”を、吉田監督のコメントともに紹介。

女の業1 欲望に忠実に、自由を求めるヒロイン

夫がありながら、勤め先の銀行から横領したお金を年下の男に貢ぐ。この行動だけを聞くと、寂しさや心の隙間を埋めるために年下の不倫相手に走ったのでは? と思ってしまうが、そう簡単には片づけられないのが梨花という女性の業の深さだろう。まるで自分の強固な意志で能動的に堕ちていくかのような彼女を見ていると、年下の彼氏もお金も彼女が本当に欲しかったものではなく、ただひたすらに自分の欲望に忠実に、自由を求めて駆け抜ける女性像が浮かび上がってくる。吉田監督はこのヒロインについて「自分ではたどり着けない場所に、女性たちにはたどり着いてほしいという願いや祈りが、僕の中にきっとあるんだと思うんです。託すのは都合がいいかなと思いますし、女性たちから“いい加減、私たちに押し付けるのはやめて”って言われそうな気もしますけど(笑)」と語っている。

女の業2 “天使と悪魔”の顔を持つ、上司と不倫する窓口係

わかば銀行の窓口係として働く相川は、ロッカー室で梨花と顔をあわせるたびに、彼女がドキリとするようなことを口にする女の子だ。上司と不倫していることを突然告白し、「ストレスでカードの支払いがやばいけど、もう色々我慢してんの馬鹿みたいで。やりたいことはやりたいじゃないですか」と語り出す。ロレックスを買ってくれる不倫相手との交際を続けながら、しっかり結婚相手を探す堅実さもある。そんな現代的でちゃっかりとしたところのある相川を、吉田監督は「梨花が道を踏み外していく時に、無意識に彼女を導くような存在」と語っている。「相川は意識していないでしょうが、梨花の転落を加速させていく小悪魔的な女の子なんですね。無邪気に口にした言葉が梨花の心にトゲのように刺さって、彼女の行動を操っていく。“天使と悪魔”の両方を持つ存在です」。

女の業3 堅実に生きてきたお局 OL が、心に秘めているもの

ベテランの事務員としてわかば銀行で働き続けてきた隅より子。まだ女性の総合職での入社が少なかった時代に、銀行での仕事にプライドを持ちながら、人一倍努力しながら働き続けてきたのだろう。いわゆるお局と呼ばれる存在で、きっちりと切り揃えられた前髪からも彼女の真面目な性格が伝わってくる。ひたすら堅実に生きてきた彼女だが、もしかすると梨花のように、“自由”に憧れる気持ちを持っていた人なのではないか――。梨花が道を踏み外した時に、隅が自分の心に潜んでいた欲望と直面するシーンは、この映画のクライマックスともいえる。吉田監督いわく「隅は言ってみれば“宿敵キャラ”なのですが、梨花の合わせ鏡ともいえるキャラクター」。生き方はまったく違っても、秘められた女の業の部分では密かに心を響き合わせている、そんな存在といえるのかもしれない。

©2014「紙の月」製作委員会 文:細谷美香 Design:cosmicengine

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(C)2014「紙の月」製作委員会

 




 

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