ぴあ映画生活 presents マーティン・スコセッシ監督作品『ヒューゴの不思議な発明』』

アカデミー賞®最多5部門受賞(撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞)

『ヒューゴの不思議な発明』がもたらす3つの“なぜ”と“驚き”

3月1日(木・映画の日)全国ロードショー [3D/2D同時公開]

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3:なぜ、『ヒューゴの不思議な発明』を巨匠スコセッシは手がけたのか?

米アカデミー賞はもちろん、カンヌ映画祭、ゴールデン・グローブ賞などで数々の栄冠に輝いてきたスコセッシ監督は、生存する映画作家の中でも“巨匠”と称されるにふさわしい存在のひとりで、全世界に多くのファンを持つ。そんなスコセッシ監督はなぜ、『ヒューゴの不思議な発明』を手がけ、69歳にして“キャリア最高傑作!”と評される作品を世に生み出せたのだろうか?

スコセッシ監督は原作を読み、ひとりぼっちで暮らし、機械人形を通じて亡き父親とつながろうとする主人公ヒューゴに「すぐに共感できた」という。ニューヨークの“リトル・イタリー”という地域に育ち、幼少期から映画館の暗闇でスクリーンを見つめながら、隣の席に座る父親との親密感を感じてきたスコセッシにとって、ヒューゴ少年は監督がこれまで描いてきたギャングや、歴史上の人物以上に“身近な存在”に感じられたのではないだろうか。

さらに映画作家でありながら熱狂的な映画ファンであるスコセッシ監督にとって、本作が伝説的な映画人ジョルジュ・メリエスを扱った物語であることも重要だったようだ。スコセッシ監督は「今日の映画製作で行われていることは何もかもメリエスから始まったと思う。彼のオリジナル映画は、私が心から愛し、人生の大半を捧げてきた映画の、ごく初期の力強い表現を保持している」と力説する。

本作は、スコセッシ監督が初めて3Dに挑んだ“新境地”でありながら、同時に自身の幼少期と、生涯をかけて愛情を注いできた映画の始まりを描く“ルーツを辿る旅”のような作品だ。『ヒューゴの不思議な発明』は、スコセッシ映画を観てきたファンに新たな驚きを与えるとともに、 スコセッシ監督にしか描くことのできない映画と登場人物への深い愛を感じられる作品に仕上がっている。と同時に、本作は映画を愛するすべての人にとっても自らのルーツを辿り、これからも心に残る“奇跡の一作”であり続けるはずだ。

5年ぶりに来日したスコセッシ監督に直撃

「私は幼いころから強い喘息持ちで、スポーツをしてはいけなかったし、植物や動物にふれることも禁止されてきました」と振り返るスコセッシ監督は、「子どもの頃からカトリック教会との関わりがありましたが、それ以外でのコミュニケーションは、父と映画館に行くことでした。父は寡黙な人でしたから、一緒に黙って映画を観るだけでしたが、この経験が私の人生にとても強い影響を与えています」と語る。カトリック教会と自身が育ったコミニュティでの体験は『ディパーテッド』などにも活かさているが、“父と映画館の思い出”は本作に大きな影響を与えているようで、スコセッシ監督は「この映画は私の過去の作品と異なり、とても“個人的な”映画です」という。

スコセッシ監督が本作で“映画”にこめた想い。それを読み解くカギは劇中に登場する“機械人形”にあるようだ。機械人形は、亡くなった父から主人公ヒューゴに受け継がれた唯一のもので、この機械人形が動き出すとき、ヒューゴは孤独だった日々を抜け出し、人生の新たな局面へと足を踏み入れる。「ヒューゴは少女やメリエスと関わりますが、ヒューゴと最も強いつながりがあるのは“機械人形”です。この人形は登場人物のひとりと言ってよいですし、実際にはこの人形が、物語を動かしているのです」。

映画も人形もそれ自体は機械で動く“もの”でしかない。しかし、本作ではそんな機械が人と人をつなぎ、忘れられていた夢を呼び起こし、ヒューゴに想像もしなかった“奇跡”をもたらす。そしてその“奇跡”は、絵空事ではなく、映画を愛し、映画に救われたスコセッシ監督が愛と情熱を込めた“奇跡”なのではないだろうか。

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