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“自己矛盾”と対峙する物語 三木聡監督が語る『音量を上げろタコ!』

(2018/10/17更新)
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ドラマ『時効警察』シリーズや、映画『俺俺』などの作品を手がけてきた三木聡監督の最新作『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が公開されている。本作は“声帯ドーピング”によってシャウトを続けるロック・スターの男と、声が小さいためにバンドをクビになってしまった女の物語だが、三木監督はあえてふたりを極端に描き分けたり、対比させることをしていない。それどころか一見、正反対に見えるふたりの主人公は、物語が進んでいくと実は“同じ要素”を持ち合わせていることがわかってくる。この異色作に見えて真摯なドラマはどのようにして生まれたのか? 監督に話を聞いた。


三木聡監督

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“自己矛盾”と対峙する物語 三木聡監督が語る『音量を上げろタコ!』
“自己矛盾”と対峙する物語 三木聡監督が語る『音量を上げろタコ!』

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本作の主人公シンは、カリスマ的なロック・スターだが、観客を魅了する声を出すために“声帯ドーピング”と呼ばれる禁断の技に手を出し続けた結果、ノドに大きな負担がかかり、声を失う危機に直面している。三木監督は「ボイス・トレーナーの人と話しているときに、“何でロック・ミュージシャンの人ってあんなに大きな声で歌ってるんだろう?”って聞いたことがあった」と振り返る。「ずっとあんな大きな声で歌っててイヤにならないのかねって(笑)。でもその時に“やっぱり想いが強いから声も大きくなるし、遠くまで声を伝えたいのは想いの強さなんだ”って言われて。確かにロックミュージシャンって客観性があったらできないじゃないですか(笑)。ある種、主観的だし、トランス状態にあって、だからこそロックはカッコいいんだけど、その客観性のなさはどこか喜劇性を帯びているんですよね。そこに“ドーピングで大きな声を出す人”というアイデアが加わって、対極的な存在として声の小さい人が出てくる映画ってアイデアは2000年の半ばぐらいにはあったんです」

ところが監督は脚本を書いていく上で、声の大きな男シンと、彼が出会う声の小さい女ふうかが対立したり、相手を一方的に変化させていくようなドラマを描くことはしなかった。「ふたりの関係はあえて言うなら“バディ(相棒)”だと思うんです。俺の映画はバディものが多いんですけど、恋愛とは違うバディ感を描いた話が好きですし、こういう話は恋愛の方向に行きがちなんですけど、今回もバディに面白みを感じたんだと思います。ただ、シンとふうかの関係が変わっていくことにドラマがあると思っているので、ふたりが出会って、お互いが“補完”しあう関係が面白いんです。シンは幼少期に大きな声が出せない環境にあったし、ふうかはふうかでテンション上がるとデカい声を出してる。だからそれぞれがもってる“自己矛盾”をお互いが補完しあう関係を描くことでバディ感が出てくるんです」

物語が進んでいくと、シンの中にはふうかの、ふうかの中にはシンの要素があることがわかってくる。ふたりは正反対のキャラクターのようで、どこか似た要素を持ち合わせたコンビだ。「ひとりの人間がひとつのキャラクターではないってリアリティが俺の中にはあって、その人の意外な面が出てくる、その人が言いそうにないことを言い出すことにリアリティを感じるんです。『俺俺』ではそれが全面的に脱構築されて、ひとりの人間がバラバラに解体されていく状況を描いたわけですけど、今回の映画ではシンとふうかが、お互いを補完していく関係を描いている。それはやっぱり役者が持ち込んでくれるものも大きくて、『俺俺』だと亀梨(和也)が状況を切り替えることに慣れてるから、演じわけるのではなくて“スイッチする”キャラクターにハマったし、今回は(シンを演じた)阿部(サダヲ)さんがふうかの部分を持ち合わせているからこそシンを演じられるし、逆に(ふうかを演じた)吉岡(里帆)さんにも感情が爆発する部分があるからこそ、その部分を役に落とし込むことができた。でも、それこそがリアルだって気がするんですよね」

前作『俺俺』では、俺の前に“もうひとりの俺”が出現し、同じ顔で同じ好みだけど少しだけ違う“俺”が増殖していくドラマを用いて、他人の意見や声に過剰に反応してしまうことで、自分の中にバラバラなキャラクターが生まれてしまい、制御できない状況が描かれたが、本作は“その先”を描こうとしている。「他人が自分をどう思うのか気にするのは悪いことじゃないですけど、それだけだと困るじゃないですか。昔と違って今は他人からいろんなことを言われる時代ではあるんですけど、他人を一度切り離して“まず、自分はどう思うのか?”ってことを中心にしてもいいと思うんですよ。だから『俺俺』ではひとりの人間が別々のキャラクターに分離していく状況を描いた。今回の映画では、前作で描いた問題の答えというわけじゃないですけど、“負の要素”を抱えて生きている人間が、自分と同じ要素があるにも関わらず“正の要素”で生きている人間と出会う物語を描くことで、自分の中にあるバラバラのキャラクターとどうやって対峙していくのかを描いているんだと思います」

ちなみに、監督が語ったことは創作の過程で意識したり、計画されたことではなくて、あくまでも作品が完成した後に改めて振り返ったときに出てきた答えのようだ。「こうやって取材を受けると、自分がどういう映画をつくったのかよくわかりますよね(笑)。事前にわかっていれば、もう少し賢くやれるんだろうけど、やっぱり『俺俺』をつくった時から時間も経って、時代も動いているわけで、そういうことに影響された結果として今回みたいな映画になったんでしょうね」

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
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DVD情報


俺俺 ブルーレイ通常版 [Blu-ray]

定価:6156 円(税込)
価格:1262 円(税込)
OFF:4894円(79%)
監督三木聡
出演亀梨和也,内田有紀,加瀬 亮,中谷 竜,小林きな子
発売日2013年11月06日

 


インスタント沼 ミラクル・エディション [DVD]

定価:4935 円(税込)
価格:3926 円(税込)
OFF:1009円(20%)
監督三木聡
出演麻生久美子,風間杜夫,加瀬亮,松坂慶子,相田翔子
発売日2009年11月27日

 


図鑑に載ってない虫 スペシャルコレクターズBOX(DVD2枚+CD1枚)初回限定

定価:7140 円(税込)
価格:4980 円(税込)
OFF:2160円(30%)
監督三木聡
出演伊勢谷友介,松尾スズキ,菊地凛子
発売日2007年11月23日

 


転々 プレミアム・エディション [DVD]

定価:5076 円(税込)
価格:3604 円(税込)
OFF:1472円(28%)
監督三木聡
出演小泉今日子,オダギリ ジョー,岸部一徳,岩松了,三浦友和
発売日2008年04月23日

 


イン・ザ・プール [DVD]

定価:4298 円(税込)
価格:3833 円(税込)
OFF:465円(10%)
監督三木聡
出演松尾スズキ,オダギリジョー,市川実和子,田辺誠一,MAIKO
発売日2005年10月19日

 


亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 [DVD]

定価:5076 円(税込)
価格:4441 円(税込)
OFF:635円(12%)
監督三木聡
出演上野樹里,蒼井優,岩松了,ふせえり,要潤
発売日2006年01月25日

 


ダメジン デラックス版 [DVD]

定価:5076 円(税込)
価格:3926 円(税込)
OFF:1150円(22%)
監督三木聡
出演佐藤隆太,緋田康人,温水洋一,市川実日子,篠井英介
発売日2007年01月25日

 


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(c)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会

 

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