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撮影現場は“いい緊張感”。阿部サダヲが語る映画『音量を上げろタコ!』

(2018/10/12更新)
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阿部サダヲが主演を務める映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が本日から公開されている。本作の脚本と監督を務めるのは、シティボーイズとタッグを組んだ伝説的な公演の数々や、映画『亀は意外と速く泳ぐ』『インスタント沼』などを手がけてきた鬼才・三木聡。阿部は「なかなか三木さんからお声がかからなかったんですけど、ついに来た!って感じです」と笑みを見せる。


阿部サダヲ

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撮影現場は“いい緊張感”。阿部サダヲが語る映画『音量を上げろタコ!』
撮影現場は“いい緊張感”。阿部サダヲが語る映画『音量を上げろタコ!』

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本作で阿部が演じたシンは、圧倒的な人気を誇るロック・スターで、カリスマ的な存在としてファンから崇拝されているが、“声帯ドーピング”を繰り返しているせいで、ノドに負担がかかり、声を失う危機にある。それでもノドに注射を打ち込み、血を吐きながら歌い続けるシンはある時、あまりにも声が小さいせいでバンドをクビになった女性・ふうか(吉岡里帆)に出会う。

阿部が所属する大人計画の主宰を務める松尾スズキは、三木作品の常連(本作にも出演)で、阿部も以前から三木監督とは「舞台を観に来てもらった時にあいさつする程度だったんですけど、いつかはご一緒できるんじゃないかなとは思っていた」と振り返る。そしてついに訪れた出演依頼。満を持して挑んだ本作でまず驚いたのは、三木監督が「みっちりとリハーサルをすること」だったようだ。「本当にビックリしましたね。意外とラフにやってるんじゃないかと思ってたんですよ。この映画の取材でも“アドリブはあったんですか?”って聞かれるんですけど、まったくないです。三木さんは演技の精度に関しては厳しい方ですし、脚本の段階で相当に練られているんですよ。構想から7年ぐらいかかってるらしいんで脚本も何度も書き直されてるだろうし、リハーサル中にも監督から新しいアイデアがどんどん出てくる(笑)。間もトーンも三木さんの中で完全に決まっているから崩せないし、現場では監督が自分で動いて見せてくれるところもあるので、僕らの中でどうこうってのはなかったですね」

監督のイメージするセリフのトーンや動きにどれだけ近づけるか? 細かなニュアンスを重視する三木監督の要求に応えるのは難しそうだが「最初に松尾(スズキ)さんの下で演技を始めて、宮藤(官九郎)さん、細川(徹)さんとか……相当にフザけた台本をいっぱい読んできたのが自分の強みではあると思うんです」と阿部は笑う。「ただ、台本のタイプはそれぞれ違いますし、今回はボケもあるけど、とにかくすごいキャラクターの人がいっぱい出てくるので(笑)ツッコミも多いんですよ。ただ、そのツッコミが叫び系じゃなくて、テンション高くないものも多かったりして、それはずっとやりたかったので、難しくはあるんですけど嬉しかったですね。スリッパでツッコむみたいなわかりやすいのもやってますけど(笑)、見た目ではそんなにわかんないぐらいのツッコミも好きだから」

本作のキャストはクセ者揃いで、阿部は自分でボケて笑いもとりにいく一方、“とにかくすごいキャラクター”を相手に演技を繰り広げる。中でも阿部、吉岡、松尾、同じく三木作品常連のふせえりの4人が絡むシーンは圧巻だ。「僕と吉岡さんは三木監督の作品が初めてなんで、リハーサルでもふたりだけのシーンだと掴みきれていない部分があったんですけど、松尾さんとふせさんがやってきてリハーサルをやった時から“意味がわかんなくてもやる”って風になったんですよね(笑)。松尾さんとふせさんはこちらがどれだけ向かっていっても、ちゃんと返してくれるし、笑いに対して貪欲な人が相手だから自分も欲が出ちゃいますよね(笑)。何回やっても同じようにやらないで、さらに面白い方を目指す方々なので、自分もやりたくなっちゃうんですよ。だから、本番の直前になると、相手の出方を伺う“いい緊張感”があって、笑いのシーンをやるのに笑ってないっていう緊張感が僕は好きなんですよね。馴れ合いじゃない感じが。それに“監督が笑ってくれているんだから、いいシーンなんだ”っていう感じがあって、役者としては信頼できる監督がいることは本当に有り難いことだし、その人を笑わせようと思って演じられるのは嬉しいんですよ」

その一方、映画ではシンが“声帯ドーピング”をしてまでステージで叫び続ける理由や秘められた過去、声が小さくて何に対しても“やらない理由”を探すふうかとの関係の変化が丁寧に描かれる。「グループ魂の中でも破壊という“役”をやっているので、そういうものを与えられたほうが、自由にやってって言われるよりは逆にメチャクチャできるんです。シンも彼の生い立ちを考えると“シンというカリスマ・ロック・シンガー”を演じてる人みたいなところもある。シンは歌う前に“消えろすべて”って言うんですけど、それはすべてをまっさらにしないと歌えないからなんじゃないかなって思ったんですね。だから、シンという人になりきる前に自分のスイッチをひとつ入れてるんじゃないかなってイメージもあったし、そういう役の方がやっていて楽しいですよね」

強烈な共演者を相手にボケ、ツッコミを繰り返しながら、叫び声をあげて観客を魅了するカリスマを“演じなければならなかった”男・シンを演じる。「この映画は“ゆったりやるのかな”と思ったら、こんなにピリピリするんだ!って(笑)。それがとにかく気持ちよかったですね」

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』
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