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伝説的な歌姫の“真実”に迫る『私は、マリア・カラス』が公開

(2018/12/19更新)
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伝説的なオペラ歌手マリア・カラスの生涯を描くドキュメンタリー映画『私は、マリア・カラス』が21日(金)から公開になる。本作は彼女が遺した未完の自叙伝や手紙、プライベートな映像を徹底的に収集・構成して制作された作品で、トム・ヴォルフ監督は「この映画ではこれまでの誤解や間違いを訂正し、彼女の真実を描きたいと思った」と語る。圧倒的な歌声で人々を魅了する一方、波乱に満ちた人生をおくったマリア・カラスの“真実”とは?


『私は、マリア・カラス』

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伝説的な歌姫の“真実”に迫る『私は、マリア・カラス』が公開
伝説的な歌姫の“真実”に迫る『私は、マリア・カラス』が公開
伝説的な歌姫の“真実”に迫る『私は、マリア・カラス』が公開

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ヴォルフ監督はカメラマンやインタビュアーとして活動してきた人物で、6年前にマリア・カラスの存在を知った“生前の彼女を知らない世代”だ。しかし彼は彼女に魅了され、3年かけて世界中を飛び回って生前の彼女を知る人に出会い、これまで発表されなかった未完の自叙伝や400通もの手紙、膨大な記録映像を発見し、観客が客席から隠し撮りしていた秘蔵映像まで探し出した。

「私がまず魅了されたのはオペラ歌手としての彼女ではなく、マリア・カラスという女性そのものでした」とヴォルフ監督は振り返る。「彼女の人生はまるで小説のように魅惑的なものでした。ニューヨークでギリシア移民の両親から生まれ、戦争中にギリシアに移住し、その後、洋服をつめたバッグひとつだけを手にイタリアに渡ります。そこで彼女は何もない状況から努力と意志の力だけでスター歌手になり、“生きた伝説”と呼ばれるほどの人気を博したわけです」

調査を続ける中で監督は、彼女の人生はつねに“二重性”を帯びていることを発見する。「有名になった彼女の人生はジェット・コースターに乗っているような目まぐるしいものでした。興味深いのは、彼女の中には“プライベートな自分=マリア”と“人々の前に立つ有名人としての自分=カラス”がいて、マリアとカラスはいつも対立し、必ず一方が犠牲になっていたことです。そこで私はこの映画のタイトル(原題)を“マリア・バイ・カラス”にしました。歌手カラスから見た“人間としてのマリア”を描きたかったのです」

そこで監督は自身の書いたナレーションや関係者の声を排して、記録映像の彼女の発言と、自叙伝と手紙の言葉、つまり“マリア・カラス自身の声”だけで映画を構成した(ちなみに自叙伝と手紙は、彼女を主人公にした劇映画『永遠のマリア・カラス』でカラスを演じた名女優ファニー・アルダンが朗読している)。「私は観客に自分の解釈を押し付けるために素材を操作したり編集したくはありませんでした。この映画における私の使命は、彼女の真実を語ること。他の伝記や記事を読むとマリア・カラスの人生は“悲劇一色”で彩られていますが、人間ですから楽しい時間も哀しいこともあります。だからこそ彼女の人生を包括的に描きたいと思いました」

1940年代の終わりに歌手として頭角を現した彼女は、圧倒的な歌唱力と表現力でスター街道をまい進する。28歳上の実業家と結婚し、1950年代には世界的なオペラハウスで公演を行なうようになるが、観客の彼女に対する想いや熱狂は膨れ上がり、マスコミは彼女を執拗に追いかけるようになる。

「映画の冒頭に登場するインタビュー映像で彼女は『マリアとして生きるには、カラスの名が重すぎる』と言っています。カラスは生きる伝説であって、マリアにとっては重荷なわけです。観客やマスコミは、いつも完璧で体調も崩さない“女神”のような存在を求めていました。この映画に出てくる彼女の歌唱を聴いてしまうと、人々が彼女に対して“もっと!”と思う気持ちもわかりますけどね(笑)。でも観客は伝説の裏側にいた“人間”の部分に目をやらず、彼女が“人間”であることを許せなかったのだと思います」

もし彼女が19世紀の歌手であれば、当時ほどメディアが発達していないため、熱狂や追跡がここまで大規模になったり、エスカレートすることはなかっただろう。また、彼女が2000年代に活躍した歌手であれば、ネットなど様々なツールを使って自分の想いを観客に直接伝えることができたはずだ。「その通りだと思います。今ならTwitterやFacebookがありますが、当時の彼女は真実を伝える手段を持っていなかったですし、新聞は彼女を悪者にしようと躍起になっていました。だからこそ、死後40年が経ってしまいましたが、この映画ではこれまでの誤解や間違いを訂正し、彼女の真実を描きたいと思ったのです」

本作は彼女の遺した映像、歌唱、文字を丁寧に積み重ねながら、マリア・カラスの、正確には“マリア”と“カラス”の人生を描いていく。「マリア・カラスは過去の人ではなく、現代のアーティストだと私は思っています。優れた芸術は本人がこの世を去った後も時代を超越して生き続けるものです。私が6年前に彼女を発見したように、これからも若い方がマリア・カラスを発見するでしょう。この映画が彼女のレガシーやアートが生き続ける一助となれば、と願っています」

激動の人生を歩み、自身の想いを伝えられない苦しみや私生活上の哀しみを抱えながら、マリア・カラスは最後の最後まで歌うことを、つまり“カラス”でいることをやめなかった。本作は、苦しみや哀しみに満ちた人生が、人々を圧倒する“芸術的な美”と同居し、時に転化する瞬間を描き出した作品でもある。

「彼女は映像の中で『ベルカント(美や表現力などを備えた理想的な歌唱法)こそが私の世界であって、私の役目は人々に美しさや最上の世界が存在する幻想を与えること』と語っているのですが、私自身はこれこそが“アート”の定義だと思っています。人生には哀しみや影の部分があるけれど、最終的にはそれを超越して美しさ、彼女の言葉を借りるなら“ハーモニーに満ちた天上のもの”へといたる。マリア・カラスはそのことに挑み続けた人で、その人生には苦悩もあったと思いますが、彼女はそれを変容させ、自身の美=アートに変えていったのだと私は考えています」

『私は、マリア・カラス』
12月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

【関連リンク】
『私は、マリア・カラス』作品情報

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(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

 

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