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映画初主演で堂々の演技! 弱冠16歳、南沙良に大器の予感

(2018/07/10更新)
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雑誌『nicola』の専属モデルとして活躍し、昨年公開の『幼な子われらに生まれ』で女優デビューを果たした南沙良が、押見修造の人気漫画を実写化した『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で映画初主演を果たした。吃音に悩むヒロインに16歳の新鋭はどのように向き合ったのか? 公開を前に話を聞いた。


『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』に出演した南沙良

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映画初主演で堂々の演技! 弱冠16歳、南沙良に大器の予感
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映画初主演で堂々の演技! 弱冠16歳、南沙良に大器の予感

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吃音によるコンプレックスを抱える志乃が、同じく周囲とうまくコミュニケーションをとることができない加代(蒔田彩珠)、空気が読めずに浮いてしまう菊地(萩原利久)らと知り合うことで、少しずつ成長していく様を描く本作。もともと漫画が好きだという南は『惡の華』や『ぼくは麻理の中』といった押見作品を愛読していた。「小学生の頃から押見さんの作品は読んでいました。生々しくて妙にリアルで“これ、本当にあるんじゃない?”と感じられてすごく好きです」と語る。だからこそ、本作のオーディションの話が来たときは「絶対にやりたい!」と意気込んだ。そして見事に志乃役を射止めたが、まさに本人が先述したとおり、押見作品の魅力とも言える生々しさを感じさせるヒロインを実写でどう表現するのか? 「決まってから自分にできるのか? 押見さんの作品の世界観が壊れないか?と不安が襲ってきた」と正直な胸の内を明かす。

吃音に関しては様々な作品を観たり、実際に吃音を抱える人とも会って、どういうものなのかを知るところからリサーチした。また劇中、路上ライブなど歌唱のシーンもあるが、先生についてもらい、さらにひとりカラオケに行くなど、撮影前から丁寧に準備を重ねたという。一方で、志乃の内面に関してはゼロから“作り上げる”というよりは「共感する部分、自分と重なる部分がすごく多かったので、そこを大切にしました。湯浅(弘章)監督からは“志乃として、そのとき思ったこと、感じたことを素直に肉体や表情、仕種で表現してほしい”と言われました」と語る。ちなみに、自らと志乃の重なるところは「自分をうまく表現できないところ。人前で喋るのが苦手なところ。あとは……嫌なことがあるとすぐに逃げるところ(笑)」とのこと。

号泣するシーンでは、涙のみならず、よだれや鼻水までもスクリーンに映し出される。監督から指示があったわけではない。「志乃としての感情を素直にそのまま出しただけ」と語り「完成した映画を観たときはやっぱりインパクトありました」と笑う。本作に限らず「演技について前もってあれこれ考えるとパンクしちゃう」という“本能型”の女優だが、それにしても躊躇なく全てをさらけ出せるところに、女優としての強い覚悟を感じる。

女優デビュー作『幼な子われらに生まれ』では、母が再婚相手の子を妊娠したことを受け入れられずに反発する娘を演じ、浅野忠信、田中麗奈ら実力派の俳優を相手に堂々たる演技を見せた。そして本作では、同い年の蒔田彩珠(まきた・あじゅ)と共に主演を張り、志乃と加代という合わせ鏡のようなふたりのヒリヒリするような友情を積み重ねていった。

蒔田ら同世代の女優や、ハイティーンながらも既に第一線で活躍している少し上の世代に対し、ライバル意識や競争心は?との問いに「全然、ないんですよね(笑)」とあっけらかんとした口調で語る。「現場でも彩珠を見ながら、ただ“すごいなぁ”と思ってました。すごく明るくて、現場に彩珠が来るだけで、空気がガラッと変わるんです。野心? “女優”という意識? うーん、ないかなぁ……すいません(苦笑)。地味にお芝居を続けていけたらいいなって(笑)」

10代で「地味に続けていきたい」と語る女優もなかなか珍しい。小さい頃から女優に憧れていたというが、決してスポットライトを浴びてキラキラと輝くことが目的ではなく、お芝居を通して「他人になりたい」というのが原点。だからこそ「今、こうやって役をいただいて、お芝居ができることがうれしい」と力強くうなずく。

もちろん本人がいくら「地味に」と言えども、周りは放っておかない。これから数年で、大化けする可能性大である。

取材・文・撮影:黒豆直樹

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
7月20日(金)より全国公開

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