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揺らぐ“家族”の姿を描く。映画『ラブレス』監督が語る

(2018/04/06更新)
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『父、帰る』『裁かれるは善人のみ』のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督の新作『ラブレス』が明日から公開になる。本作は離婚協議中の夫婦を主人公に、失踪した息子の行方を探すサスペンス的な展開と人間の本質を見つめるドラマが織り交ざった作品だ。


『ラブレス』

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揺らぐ“家族”の姿を描く。映画『ラブレス』監督が語る
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本作の主人公ボリスとジェーニャはロシアで暮らす夫婦で、息子がひとりいるが、夫婦関係は完全に冷え切っており、離婚に向けた話し合いを進めている。ふたりはそれぞれが仕事を持ち、恋人もおり、離婚した後の生活について考え始めているが、息子をどちらが引き取るのかについてはまだ解決していない。そんなある日、息子が姿を消す。

本作はそもそも、ある名作のリメイク企画としてスタートした。「2011年に『エレナの惑い』を完成させた後、私は大胆にもイングマール・ベルイマンの『ある結婚の風景』をリメイクしようと考えました。この映画は離婚について描いた最高レベルの映画で、ここまで完成度の高いものを自分でリメイクする意味があるのかとも考えましたが、どうしてもリメイクしたいと動き出したわけです」

スウェーデンが誇る伝説的な映画作家ベルイマンが1973年に製作した『ある結婚の風景』は、幸福な結婚生活をおくっていた男女の間に亀裂が入り、夫婦が激しくぶつかりあう様を描いた作品で、ズビャギンツェフ監督は「この映画が生まれた1970年代の初めには“家族関係の危機”はすでに存在していたのだと思います」と語る。「かつて農業が中心だった時代が終わり、人々が地方から都市に出てくるようになると、男性も女性も自由になり、女性が男性に金銭的に依存することをやめるようになり、家族という仕組みが揺らぎました。私は、一緒に暮らして次世代を育てる家族という強い結びつきは、農業の存続があって初めて成り立つものであると考えています。しかし、男性も女性も現在は自由な状況に置かれているわけですから、家族は人間関係の最後の砦にはなりえないわけです」

結果として監督は4年ほどをかけてベルイマンの再映画化を模索した後、都市で暮らす夫婦の姿を描くオリジナル作品の製作を決定した。本作に登場する夫婦はそれぞれに収入があり、裕福で、恋人もおり、自由に暮らすことができるため、離れ離れになっても何の問題もない。しかし、ふたりの間に生まれた息子には行き場がない。「先ほど私は男性も女性も自由になったと言いましたが、そのような状況が出現したことと、私たちがこの状況を受け入れることができるかどうかは別問題です。人間は人間を必要としていますし、他人が自分に関心を向けてくれている状況や、人のぬくもりが必要なわけです。しかし、家族が永遠に続く普遍的なものである時代は終わってしまった。であるとすれば、人間には何が必要なのでしょうか?」

これこそが本作『ラブレス』が投げかけるテーマだ。通常の映画であれば、“失踪した息子はどこにいったのか?”が物語に中心に据えられるが、本作の夫婦は、失踪した息子を探そうとはするがふたりの関係は変わることなく、いや時間が経過するごとに亀裂は広がっていく。時間は経過し、息子が見つかるかどうかと関係なく、男女それぞれの新しい人生は準備される。

この夫婦は単に残酷で冷酷な存在なのか? 本作は何らかの結論を描くではなく、劇中に様々な“問い”を散りばめたまま物語が進んでいく。「時に、問いを抱く人間の方が真実に近いことがあります。質問する人は、真実に対する呼びかけをしているのであり、自分が何かの山を越えれば真実にたどり着くのではないかと思って質問をするわけですが、回答者は回答を与えることができないことがあります」

本作は、わかりやすい教訓や感動を与えてくれるような作品ではない。しかし、観る者すべてに“しばらく頭から消えることのない問い”を残す作品になっている。

『ラブレス』
4月7日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー

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