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「この話が隠されていてはいけない」監督が語る衝撃作『デトロイト』

(2018/01/26更新)
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『ハート・ロッカー』でアメリカ軍の危険物処理班の活動を、『ゼロ・ダーク・サーティ』でオサマ・ビンラディンの捜索を題材にしたキャスリン・ビグロー監督の最新作『デトロイト』が本日から公開されている。本作はタイトルの通り、アメリカの工業都市デトロイトを舞台にした作品で、米国史上最大級の暴動が発生した1967年7月に起こったドラマを実話を基に描いている。


『デトロイト』を手がけたキャスリン・ビグロー監督

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『ブルースチール』や『ハートブルー』など緊迫感のあるアクション描写で高い評価を集めていたビグロー監督は、ジャーナリスト出身の脚本家マーク・ボールとタッグを組んで『ハート・ロッカー』を発表し、アカデミー賞で作品賞など6部門を受賞。続く『ゼロ・ダーク・サーティ』も高評価を集め、3度目のタッグ作となるのが『デトロイト』だ。

1960年代のアメリカでは不当な差別や抑圧に苦しんできた黒人たちの不満が爆発し、暴力事件や暴動が発生。白人警官も黒人に対して非人道的な取調べや、正当防衛ではない状況での銃の使用など不当な捜査や対応が繰り返されていた。1967年の7月にはデトロイトで黒人たちの暴動が発生し、警察だけでなく軍も出動。街は“戦場状態”になった。そんな中、若い黒人客が集まるアルジェ・モーテルで発砲があったと通報を受けた警官と州兵がモーテルに殺到。白人警官は、モーテルにいた若者たちを相手に暴力的な尋問を始め、やがて想像を絶する状況が展開される。

本作の企画は脚本家のボールによって持ち込まれ、当時の状況を知る人、実際にモーテルにいた人を含む様々な証言者から聞き取りを行うところから映画づくりが始まった。ビグロー監督は「彼らのおかげで、事件当夜の状況を細部に至るまで解明することができました」と振り返るが、この作業を通じて彼女は“あの夜”に起こった出来事が決して“歴史”になっていないことを確認したようだ。「50年経った今も、彼らの多くは事件の話になると動揺を隠せないことは明らかでした。それは当然のことです」

50年を経ても動揺を隠せないほど凄惨で、苦しみを伴う出来事を映画とは言え“再現”する意義は本当にあるのか? ビグロー監督は「この映画に関わった人たちは、みんな同じ目的を持っていた。みんな、この物語を語りたかった」という。「この話は重要だと私たちはわかっていたの。この話が隠されていてはいけないと。それが私たちの燃料、モチベーションとなった。だから、撮影を乗り切れたのよ。それにキャストもクルーも、だれかが極端にストレスを感じていないか、すごく気をつけていたわ。このキャストは素晴らしかった。みんなすごい情熱を持っていたの」

その夜、アルジェ・モーテルで白人警官は黒人を不当に虐げ、尋問し、客たちは出口のない状況に追い込まれてしまう。さらに現場にはモーテルの向かいの食糧品店の警備を担当していた黒人メルヴィン・ディスミュークスが居合わせた。彼は警官でもなければ、尋問される客でもない。映画ではジョン・ボイエガが演じたこの役が、本作のドラマをさらに多層的にしている。「メルヴィンはとても特殊な立場にいたわ。彼にとっても、あの夜を思い出すのは、とても辛いことだった。だけど彼は最初から最後まで、ひとつずつの瞬間を細かく私たちに教えてくれたわ。最初に銃声を聞いた時、窓を見た時、後ろの路地に移動した時、中の声が聞こえた時、そして、遺体を見た時。それは、ほんの少し前に起こったことだった。あれはメルヴィンにとって、すごく恐ろしい出来事だったのよ。でも彼は、この話を語りたいと強く願った。あの人たちは50年もあの出来事を胸に秘めて生きてきたのよ。その間に、その思い出をなんとか受け入れられるようになってもいたかもしれない。だけど、これが語られるべき出来事だということに、変わりはないの。私は彼らの意思に大きな敬意を払いたかった」

そこでビグロー監督はリサーチを重ねて歴史を歪めたり、過剰な脚色がないように脚本を練り、同時に映像的にも“1967年7月”を再現することに力を注いだ。諸事情で本作は現地デトロイトではなく、ボストンで撮影されたが、スタッフは当時の建物や衣装の様子、道路にひかれた車線の数まで徹底的に再現。『ハート・ロッカー』でもビグロー監督とタッグを組んだ名撮影監督バリー・アクロイドは、当時の記録映像や写真を入れ込んでも違和感のない映像の質感を追求した。「私たちはリサーチのために写真やドキュメンタリー映像を集めていたの。それらのフッテージは素晴らしかった。写真も1000枚近く集まって、セットをできるだけ正確に作る上でとても役立った。だけどそのうち『これらのフッテージも映画に入れ込んだらどうだろう』と思い始めたのよ。そこで、バリー・アクロイドはあるレンズを使ったの。ドキュメンタリーを撮影する際に使われた主なレンズで、60ミリのものよ。そのレンズをデジタルカメラにつけることで、両方のいい部分が生きるの。デジタルは光が少ないところでも撮影できる。60ミリは画像がちょっと粗くなって、ビンテージのフィールができる。時代物ふうのね。だからうまくミックスできたのよ」

世界を揺るがした事件を鮮烈に描き出す『デトロイト』は、多くの観客に衝撃を与えるだろう。そして観客は問われる。ここで明らかになる悲劇は単に“いつかどこか”で起こった出来事なのか? “いまここ”とは無関係な話なのか? ビグロー監督は「今、世界は、大きなひとつの村となった。地理的に北米だとか中国、日本、アフリカという場所で何かが起こったとしても、それは今や世界の話なの。つまり、そこらが起こす影響はとても大きいのよ。悲しいことに今、世の中は逆戻りしている。私たちは、前に向かって進んでいない」と語っている。

『デトロイト』
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