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伝説を守ろうとする男の想い。映画『馬を放つ』監督が語る

(2018/03/16更新)
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『あの娘と自転車に乗って』や『明りを灯す人』などの作品で知られるキルギスの映画作家アクタン・アリム・クバト監督の最新作『馬を放つ』が明日から公開になる。本作は現代のキルギスで古くから語り継がれる“伝説”を守り続けようとする男のドラマを描いた作品だが、PRのために来日したクバト監督は「日本の人々も古い伝統や文化をとても大事にしている人たちだと思います」と笑みを見せる。


アクタン・アリム・クバト監督

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本作の舞台になっているキルギスは、中央アジアに位置する国で、カザフスタン、中国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接している。19世紀末にロシア帝国に併合され、そのままソビエト連邦の一部になるも、ソ連邦が崩壊した1991年にキルギスタン共和国として独立。映画は美しい草原が広がるキルギスで行われ、クバト監督自身が主人公を演じている。

映画の主人公は、村人から“ケンタウロス”と呼ばれている男で、妻と5歳の息子と穏やかに暮らしている。しかし、彼には裏の顔があった。遊牧民を祖先にもつキルギスでは、人間と馬が強く結びくことで、村人たちが団結していたという伝説があり、ケンタウロスはこの伝説を守るために、夜中に厩舎に忍び込んでは人間が飼い、囲っている馬を野に放っている。馬の所有者からすれば彼の行為は“馬泥棒”でしかない。しかし、彼は伝説を守るため、馬を野に放ち続ける。

息をのむほど美しい自然と、詩情豊かな映像、寓意に満ちたドラマで主人公の想いを描き出したクバト監督は、自身が主演も務めたことが重要だったと考えている。「この主人公が観客からまったく理解されない存在になってしまう可能性は十分にありえました。通常の映画ですと、脚本を書いたり、演出をする人と演じる人間は別ですから、俳優がこの男をちゃんと理解しなければ、映画はダメになってしまいます。しかし、本作では自分で演じましたので、事前に課題も把握できましたし、どう演じれば観客がこの男を理解し、魅力的だと思ってもらえるのか自分で考えることができたわけです」

人の所有している馬を囲いから放って野に帰す。この行為は単純に考えれば犯罪だが、この映画ではケンタウロスの行いに“寓意”が込められている。「東京の街を歩いていると、とても進歩していて大都会ですが、人々と話すと自分たちの文化をとても大切にしていると感じました。日本の人々も古い伝統や文化をとても大事にしている人たちだと思います。私が暮らすキルギスは、ソビエトだった時代を経験していますが、当時をよくおぼえています。彼らはその土地の独自の文化を崩壊させて、キルギス人はロシア人ではないので“ソビエト人”だと言おうとしたわけです。そして現在のキルギスではイスラム教の脅威があります。キルギスの民族はとても規模が小さいですから、いつだって何らかの脅威と戦わなければならないのです」

また本作では、主人公が馬を野に放つドラマと並行して、彼と家族のドラマが丁寧に描かれる。「家族のコミュニケーションはその民族の文化の一部だと思うからです。家族がちゃんと交流しなければ、子どもは成長しないですし、家族は崩壊してしまいます。私たちが家族の絆を失ってしまったら、家族だけでなく世界そのものが滅びてしまうでしょう」

村人たちから犯罪者だと目をつけられたケンタウロスは、罠を仕掛けられる。それでも彼はこの地の伝説を守ろうとする。その時、彼の家族は、そして観客は、ケンタウロスの行動から何を受け取るのだろうか? クバト監督は本作の投げかける問いを、観客が自ら考え、想像しながら受けとめられるようにセリフを極力減らして、美しい映像で物語を綴っていく。「映画の言語はビジュアルですからね。それに私は、映画の世界に入る前は絵描きで、美術の仕事から映画界に入ったんです。だから最初に監督した作品ではセリフはひとつもありませんでした。歳をとると、どんどんおしゃべりになってしまうから(笑)、これでもセリフが増えてきてしまったんです(笑)」

どんな地域でも、その地域ならではの伝説や昔話や古くから伝わる考えがあり、社会が進歩しても、人々はその土地の伝説を大切にしようとする。それはキルギスでも日本でも変わらない。「そうですね。人間には“精神”がありますから、昔話や伝説を理解することができるのだと思います」

『馬を放つ』
3月17日(土)より岩波ホールほか全国順次公開

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