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PFFスカラシップ作品『サイモン&タダタカシ』、劇場公開を控えた監督に聞く

(2018/03/12更新)
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1977年のスタート以来、数多くの映画監督を送り出してきたPFF(ぴあフィルムフェスティバル)。中でも、大きな注目を集めるのが、受賞した監督たちだけが挑戦権を獲得できるPFFスカラシップ作品。これまで園子温、橋口亮輔、矢口史靖、李相日、石井裕也ら錚々たる監督たちが、ここから本格的なキャリアをスタートさせた。今年、第24回PFFスカラシップ作品となる『サイモン&タダタカシ』を完成させたのが「PFFアワード2014」でジェムストーン賞を受賞した小田学監督。本作が映画初出演となる阪本一樹と、子役時代を経て個性派俳優へと成長した須賀健太を主演に迎えた初の長編映画にどう挑んだのか、小田監督に話を聞いた。


『サイモン&タダタカシ』の小田学監督

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PFFスカラシップ作品『サイモン&タダタカシ』、劇場公開を控えた監督に聞く

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「僕は劇団もやっているんですが、舞台は本当にバカバカしい話をやっているので、映画でもそれをやってみようと思って、最初は昔やった舞台の焼き直しみたいなのを書いたら、プロデューサーから“ナメてない?”みたいなことを言われて(笑)」

初めての商業映画となると、コチコチに緊張して挑む新人監督が多い中、小田監督の話しぶりは軽妙かつ、気負いを感じさせない。だが、これまで仲間たちと自主映画を作ってきただけに、プロデューサーたちとやり取りしながら、脚本を作りあげていく作業には戸惑いもあった。何よりスカラシップ作品だけに「ちゃんとしなきゃいけないんじゃないかと勝手に思い込んでいた」ことで、自分の色をどこまで出していいのか悩んだという。変化が生じたのはプロデューサーから「そういうことじゃなくて、やりたいことは何?」と訊かれたことだった。おずおずと、「“運命の女“に会いにいくロードムービーみたいな話をやりたいと言ったら、“いいじゃん、それ書いてこいよ”って言われました」

こうして具体化していった『サイモン&タダタカシ』は、男同士の友情物語が予想外のナンセンスな展開を見せながら進む小田監督の強烈な個性を反映させた青春映画となった。普遍性と逸脱が絶妙に配分された映画になったのは、プロデューサーをはじめ、大勢のスタッフとの共同作業の影響が大きいという。「他人の意見に、自分の色を混ぜた方が上手くいくことがあるんだと思いました。でも、全員の意見は聞かなくていいんです」と語る小田監督のバランス感覚は、これまでのスカラシップを撮ってきた監督たちと同じく、商業映画での活躍を予感させる。

親友に友情とも恋愛ともつかない感情を抱く難役に挑んだ阪本一樹は演技経験もなかったが、小田監督がつきっきりで稽古を重ねた。その方法は、ひたすら喋ることだったという。「一緒に居て喋ることがメインでした。僕と助監督と阪本君の3人がチームになれば、やり辛くならないんじゃないかなと」。実際、撮影に入ると、この結束力が活かされたという。「でも、阪本君と助監督が僕より仲よくなっちゃって、僕がふたりに嫉妬することになったんですけど(笑)。でも、それで良かったんですよ。撮影中の僕は阪本君につきっきりになれないので」

そして、監督と阪本を支えたのが須賀健太だった。「須賀君は、いろいろこうしましょうか、ああしましょうかと言ってくれたし、阪本君を盛り上げてもくれたので助かりましたね。一度、撮影にトラブルがあった時に“よく分かんなくなっちゃった”って言ったら、すごくフォローしてくれて。あの時は助かりました」

今後、作ってみたい映画を訊ねると、自分の家族の話だという。「僕は今、“継父”という状態らしいんですよ。女子高生の娘がいるバツイチの人と結婚したので。この家族との関係性が面白いんです。今、日常で起きることをずっとメモしていて、これを映画にできたらと思っています」

最後に、公開を目前に控えた今の心境を尋ねてみた。

「ともかく、いろんな人の感想を聞きたいですね。試写会では少し感想は聞けましたが、公開されたら、どんな感想が聞けるのか楽しみです」

取材・文:モルモット吉田 撮影:藤島亮

『サイモン&タダタカシ』
3月24日(土)、シネ・リーブル池袋ほか公開予定

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