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“愛の幻想”は砕かれる。フランソワ・オゾン監督が語る新作『婚約者の友人』

(2017/10/20更新)
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『8人の女たち』や『スイミング・プール』などで知られる仏監督フランソワ・オゾンの新作映画『婚約者の友人』が明日から公開になる。本作は、戦争で婚約者を失った女性と、婚約者の友人を名乗る男が織りなすサスペンスタッチのドラマだが、オゾン監督は「“嘘”をテーマにした映画が撮りたい」と企画をスタートさせたという。


『婚約者の友人』を発表したフランソワ・オゾン監督

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“愛の幻想”は砕かれる。フランソワ・オゾン監督が語る新作『婚約者の友人』
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オゾン監督が“嘘”にまつわる映画を撮ろうとした理由は現代が「真実やわかりやすさばかりが求められる時代」だから。その背後には巨匠エリック・ロメールの作品のように「嘘がストーリーを動かすための刺激的なネタになるのではないかと思った」と振り返る。「それでいろいろと題材を探しているときに、友人がモーリス・ロスタンの戯曲のことを教えてくれた。でも調べているうちに、エルンスト・ルビッチが1932年に映画化していることがわかって、一旦は諦めた。ルビッチと比べられるのは嫌だからね(笑)」

監督が言うルビッチ作品は『私の殺した男』で、フランス人の主人公が“ある出来事”を経験した後にドイツを訪れる物語だ。「ルビッチの作品を観たら、僕がやりたいこととはかなり違うと思った。ルビッチは戯曲と同様にフランス人男性の視点から描いているけれど、僕はドイツ人の視点からこの映画を描きたかった。それでやはり映画化しようと思い直したんだ」

『婚約者の友人』の舞台は、1919年のドイツ。前年まで続いた第一次世界大戦によってドイツは多くの国民を失い、主人公のアンナもまた、婚約者のフランツをフランスとの戦いで失っていた。フランツの不在を受け入れることができないまま、フランツの両親と暮らすアンナはある日、彼の墓に花を手向けている男性に出会う。彼はフランス人のアドリアンで、フランツの友人だと名乗る。アンナとアドリアンは在りし日のフランツについて語り合い、やがてアンナはアドリアンを“婚約者の友人”以上の存在として見るようになるが、アドリアンはアンナに“ある秘密”を語りはじめる。

映画は、モノクロとカラーが入り交ざる映像で描かれており、モノクロだった画面がいつの間にかカラーになったり、白と黒だけで構成されていた場面に“色”をまとったカットが差し込まれたりする。撮影を手がけたのは『17歳』や『彼は秘密の女ともだち』でも監督とタッグを組んだパスカル・マルティで、撮影はすべて35ミリフィルムで行われた。「僕はどちらかといえばテクニカラーのようなヴィヴィッドな色合いが好きだけれど、今回はモノクロとの調和や、時代的な感触という点で、柔らかい色調にしようと思った。だから撮影監督とはよく相談したよ。モノクロからカラーになる場面では、観ている人が気づかないぐらい自然に滑らかに変換したかった。実際はモノクロの部分も含めて、すべてカラーで撮って、後からモノクロに変換したんだ」。ちなみに本作は“現在の場面はカラーで、回想はモノクロ”といった明快なルールで描き分けられてはいない。「強い感情を表現する手段として、回想シーンや嘘のシーン、幸せなシーンなどにカラーを使うようにした。この時代が、モノクロで表現する哀悼の期間だったことを暗示するためだ」

アドリアンがアンナに“ある秘密”を告白した後、物語は予想外の展開を見せる。次から次へと“新たな事実”が明かされ、物語は最後の最後まで予測できないが、映画の後半部は原案になった戯曲にもルビッチの映画でも描かれなかったオゾン監督オリジナルのパートだ。「狙いは前半と後半をパラレルな作りにすることだった。前半と後半は似ているけれど、正反対というような。前半はアドリアンがドイツに行き、後半はアンナがフランスを訪れる。前半と後半を鏡のような構造にしたかったんだ」

アンナはアドリアンの正体を知るために迷いながら旅をして、新たな真実を見つけていくが、同時にオゾン監督が最初に目指した通り、物語には“嘘”が積み重なっていく。悲しい時代を生き抜くために、愛する誰かのために、真実を追い求め、同時に“嘘”をつく。様々な展開と感情が重層的に描かれる本作をオゾン監督は「愛の幻想と、その幻想が砕かれるストーリー」と評する。「感傷的な気持ちを味わうのにぴったりな映画と言えます。女性にとっても男性にとっても感動的だと思うので、ぜひご観になっていただけたら幸いです」

『婚約者の友人』
10月21日(土) シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

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