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『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の夫婦監督に訊く。男女平等社会の過去と現在

(2018/07/04更新)
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初の長編映画『リトル・ミス・サンシャイン』がアカデミー賞4部門にノミネートされ、高い評価を集めた夫婦監督、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス。夫婦でタッグを組み、作品を作り続ける彼らが新作では実話の映画化に挑んでいる。


ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス

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『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の夫婦監督に訊く。男女平等社会の過去と現在
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の夫婦監督に訊く。男女平等社会の過去と現在

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その新作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が描くのは、1973年、全世界で9000万人が観戦したという女子テニスの世界チャンピオン、ビリー・ジーン・キングと、元男子テニス世界チャンピオンのボビー・リッグスの一戦だ。当時、まだ10代だった両監督はこの一戦をかすかに覚えているという。「試合があったことは記憶の片隅にある。でも、当時は例えばブラジャーを燃やして抗議するようなウーマン・リブの運動が活発で。大人の女性が自らの権利を主張して立ち上がっていた。その雰囲気は子供ながらよく覚えているね」(ジョナサン)、「女性を「ミス」と「ミセス」に分けない雑誌「ミズ」が創刊されたのもこのころ。でも、当時、私はまだ子供で正直なところ何もわかっていなかった。ただ、大人の女性がすごく真剣に社会情勢を見つめていたことは記憶に残っているわ」(ヴァレリー)

監督の言葉通り、当時のアメリカは、男女平等を訴える運動が各地で起こっていた時代。テニスでいうと男子の優勝賞金に対して、女子の賞金がたった1/8だった。これに抗議する形で当時29歳の女子テニス現役王者のビリー・ジーン・キングは全米テニス協会を離脱。自ら「女子テニス協会」を立ち上げると、仲間を集めて女子テニスツアーを開催する。それに対して、男性優位主義を代表して対戦を挑んできたのが、当時55歳の元世界テニス王者、ボビー・リッグスだった。こうして実現した一戦は、男女平等問題を大きく動かす世紀の一戦となった。このときの映像を改めて観たふたりは驚きを隠せなかったという。「劇中で描かれているように、テレビ局のABC放送は当初、ビル・プルマンが演じた全米テニス協会のジャック・クレイマーを解説に起用しようとしていた。でも、ビリー・ジーンが阻止したの。それぐらい彼の男尊女卑は目に余る。もし、ジャックが起用されていたら、もっとひどい放送になったことでしょう」(ヴァレリー)、「スポーツキャスターはハワード・コーセルが務めているんだけど、彼は当時、リベラルな男とされていたんだ。でも、実際にいまきくと男尊女卑的な発言を繰り返していて、びっくりしたよ」(ジョナサン)

この映画を制作していたのはアメリカ大統領選挙の最中。当初はアメリカについに女性の大統領が誕生し、進歩的な社会になったことを示す作品になるのではと考えていたという。
「作っているときは、ヒラリーの勝利を疑わなかった。それで、アメリカの社会がこれほど女性のパワーを大切かつ認める社会になったことを伝える作品になると思っていたの」(ヴァレリー)、「ホワイトハウスで上映会もできると思っていたなぁ(苦笑)」(ジョナサン)、「でも、叶わなかった。正直、残念で落ち込んだわ。でも、逆に男女格差をはじめ、世界が今おかしな方向に進みそうになっている。それで今はこう思っているの。現代の社会に大きなメッセージを届ける作品になったのではと」(ヴァレリー)

偶然か必然か。とりわけ“#MeToo(ミートゥー)”の運動に、リンクした内容になっているのはいま届く命運のようなものを感じさせる。「1973年から40年以上が経って、社会は男女の格差がない、進歩していると思っていました。でも、現実はあまり進歩していないかもしれない」(ヴァレリー)、「もしかしたら、アメリカはトランプ政権になって進歩するどころかもっと後退してしまうかもしれないね」(ジョナサン)、「“#MeToo”もアメリカでは波及しているように見えるけど、実質はショービジネスの世界でのこと。ビジネス界ではまだまだ広まっていないし、虐げられている女性がたくさんいる。一般の人々の働き場所にこそ広まっていってほしい。そのことに、この作品が少しでも役立ってくれたらうれしいわ」(ヴァレリー)

男女平等を訴えた主人公のビリー・ジーン・キングを演じたのは、『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたエマ・ストーン。両監督とも彼女の女優魂には頭が下がったと口を揃える。「俳優としてものすごい才能の持ち主であることはみなさんご承知でしょう。ただ、彼女は女優としてのみならず、ひとりの人間としてもすばらしい。いつも自然体で見栄を張るようなところがない。ものすごく謙虚。だから、これだけ多くの人に愛される存在になったんじゃないかな」(ジョナサン)、「彼女は仕事に全神経を集中させることができる人ね。実際、彼女はテニス経験ゼロだったのに、現役時代のビリー・ジーンを見事に演じ切った」(ヴァレリー)、「4カ月かけて肉体改造をして、7キロも体重を増やしてアスリートの体に仕上げたんだ」(ジョナサン)、「彼女はとにかく下準備を惜しまない。ビリー・ジーンのありとあらゆる資料、ビデオなどを見て研究し尽くしていた。本人は“ビリー・ジーンのストーカーになった”と言ってたわ」(ヴァレリー)

最後にふたりで作り続ける理由をきいてみた。「監督業というのはさまざまな困難に直面する。その困難を乗り越えたときは、ふたりだと、歓びが倍になる。一方で、その悩みを共有できて、ストレスを半減することもできるんだ」(ジョナサン)、「やはり自分の視点には限界がある。でも、ジョナサンと話すことでまったく自分にはなかった視点やアイデアが生まれることがある。それは確実に作品を豊かにしてくれる。なので、これからも二人三脚でやっていくつもりよ」(ヴァレリー)

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
7月6日(金)より全国公開

取材・文・写真:水上賢治

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