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なぜ“日本”を舞台に選んだのか? 話題のアニメ大作『KUBO/クボ』監督が語る

(2017/11/15更新)
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『コララインとボタンの魔女』や『パラノーマン ブライス・ホローの謎』などの作品で知られる米国のアニメーションスタジオ“ライカ”の最新作『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』が18日(土)から公開になる。本作の監督を務めたのは、スタジオのCEOでもあるトラヴィス・ナイト。これまでは製作者として作品を送り出してきたが、「自分がやりたかったことを集結させたような映画を監督してみては?」という提案を受けて、スタジオの使命を果たし、同時に個人的なテーマを追求する映画を作り始めた。舞台は日本、主人公は三味線で折り紙を操る不思議な少年クボだ。


トラヴィス・ナイト監督

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なぜ“日本”を舞台に選んだのか? 話題のアニメ大作『KUBO/クボ』監督が語る
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ナイト監督は、人形を少しずつ動かしながら撮影していく“ストップモーション・アニメ”を武器に数々の傑作をおくりだしてきたライカを率いるアニメーターで、初の監督作を手がけるにあたって、8歳の頃にナイキの創業者でもある父フィル・ナイトに連れられて初めて日本を訪れたときのことを思い出した。「アメリカの太平洋岸北西部で育ったから、いろんな意味で日本にはとても親しみが持てたよ。一方で、未知との遭遇のような衝撃でもあった。美しくて、ハッと息を呑むようで、ほとんど別世界だったね。建築、芸術、服装、音楽、食べ物、映画、テレビ番組、漫画……目が覚めるような思いだった。完全にトリコになった。同い年の子供たちがサッカーをして駆け回ったり、ミニカーで遊んだりしているとき、僕は日本のことを夢見ながら、大量にコマ撮りされた侍たちのことを想像していた」

やがて長い時を経て、トラヴィス少年の夢はスクリーンで実現する。本作の主人公クボは三味線の音色で折り紙を操る少年で、サムライだった父ハンゾウを失い、現在は母とふたりで静かに暮らしている。しかしある日、クボの前に“闇の姉妹”が現れて命を狙われたことから、クボは身を挺して息子を守った母と別れて、たったひとりで冒険の旅に出る。

ナイト監督はこれまでに幾度となく日本を訪れており、本作を作る際、単に“サムライ”や“キモノ”のような表層的なモチーフだけをコピーするのではなく「日本のわびさびという美意識を意識した」と振り返る。「この概念には、無常さや不完全さというものの理解や受容、ありがたみが備わっているね。そうした概念は、足りないものに美しさを見出すよう僕らを励ました。わびさびは、映画のテーマとして指針になっただけじゃなくて、僕らの全製作過程を内包するものだよ。僕らの作品が提示し続けた人間哲学をはっきり表すものさ。僕らがやってきたこと、それは芸術と科学の融合、荒っぽさと洗練の融合、完璧さと欠陥の融合。完璧になれるように努力するけど、人間らしさも内包する。その融合がライカの映画であり、ライカそのものなんだ」

彼はアメリカ人だが、本作では遠く離れた日本の文化をモチーフにしている。恐れやためらいはなかったのか? 彼を後押ししたのは、彼が敬愛する映画作家のひとり、宮崎駿監督の作品群だった。「彼は自分が魅了されているものを見つけると、それを内面化してそれと同調し、最後に自分の芸術に織り込む。彼にとってのヨーロッパ的なものがいい例だ。あるがままを記録したり現実を複製するのではなく、彼の解釈したものを作品に表現する。最初は事実ではないぼんやりした印象のような場面が、最終的には大きな仕事のなかで繰り返し現れる主題になるんだ。宮崎監督がヨーロッパというテーマに対して使ったこうした多面的なプリズムを、僕は日本というテーマに使いたい。そうすることで僕の中で長い間重要な位置を占めてきた場所やその文化に対する自分の考え方を示そうと思っているんだ」

本作に登場するサムライやカタナやキモノは、日本人が真っ先に思い浮かべるそれとは少し異なっている。しかし、ナイト監督の解釈や愛情や想像力が加わった描写は、これまで誰も観たことがない映像表現として、すでに公開された国々で高い評価を集めている。

また「物語が個人的な内容であればあるほど、作品は普遍的なものになる」というナイト監督は、ビジュアルだけでなく、物語にも個人的な想いをこめた。「この物語で最も感情に訴えてくるのは、クボと母親の姿。僕自身の経験とも重なるところがある。クボと同じように僕も孤独な少年で、僕の人生は母親を中心に動いていたからね。この作品で描かれるのは、人生における母親とのこうした状況が変化し始めて、ついに後戻りできないところへ行きつくときのこと。そのとき、愛することは傷つけることだという悲しい真実を学ぶんだ。受け入れるのは辛いけど、それこそが人間の最も人間的な側面だ」

本作は、世界中で支持を集めてきたライカと、彼らを率いるナイト監督自身の現段階の“集大成”と呼べる映画になった。「この作品にはふたつの側面がある。ひとつは、僕から母に対するラブレターというきわめて個人的な側面。もうひとつが、ライカ社が意味のある物語を伝えるという社会的な側面だ。この映画が僕にとっての監督デビューになる事は夢のようだったよ」

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
11月18日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー

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出演ダコタ・ファニング,キース・デヴィッド,テリー・ハッチャー
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