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本日デジタル配信が開始。大友啓史監督が語る映画『ミュージアム』

(2017/02/16更新)
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昨年11月に公開され大ヒットを記録した映画『ミュージアム』のデジタルセル配信が本日から始まり、ブルーレイとDVDが3月16日(木)に発売になる。小栗旬、妻夫木聡ら俳優陣とタッグを組んで監督を務めたのは『るろうに剣心』『三月のライオン』の大友啓史監督で、ブルーレイやDVDなどで「繰り返し観ることで、新たな発見がある映画になっているはず」と語る。


大友啓史監督

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本日デジタル配信が開始。大友啓史監督が語る映画『ミュージアム』

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本作は、巴亮介の人気コミックが原作。カエルのマスクを被り、雨の日に猟奇殺人を繰り返す“カエル男”を追う刑事・沢村の姿を描くスリラー作品だが、大友監督は「最初はオファーを受けるかどうか、正直迷ったんですよ」と笑う。「原作コミックがそもそも『セブン』を意識していますから。結局映像化すると、どうあがいたってお客さんから必ず『セブン』と似ているって言われてしまう。作り手としてそういったレピュテーションをどう受け止めるか。それは、決して小さな問題ではありませんでしたね」。当時、無名の新人だったアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが脚本を書き、デイヴィッド・フィンチャーが監督を務めて1995年に製作された映画『セブン』は、キリスト教の“七つの大罪”になぞらえて犯罪を繰り返す正体不明の犯人ジョン・ドゥ(英語で“名なしのごんべい”のような意味をもつ)を追う刑事を描いた作品で、後続の映画、小説、コミックなどに多大な影響を与えた。そこで大友監督は「映画『セブン』にはあって、このコミックにはないものはあるのか? あるとして、その部分を僕たちが埋められることができるのか?」を考えることで、オファーを受けるかどうか検討したという。

突破口は、殺人鬼“カエル男”だった。カエル男はその名の通り、不気味なカエルのマスクをしており、その正体は不明だが、物語が進むに連れて本当の名前、素顔が明らかになり、マスクをしている理由も明かされていく。彼は“名なし”ではないのだ。これまでの作品でも“悪役”をどう描くかにこだわってきた大友監督は「スタッフには、この映画は僕なりの“異形三部作”の最後になるって伝えてたんですよ」と振り返る。「『るろうに剣心』の志々雄真実、『秘密 THE TOP SECRET』の絹子、そして『ミュージアム』のカエル男……僕の場合、主人公よりも彼らに仮託する部分が大きかったりする。『秘密…』が公開された時に、絹子は“サイコパス”だと言われることが多かったんですけど、僕は単純にそういう風には思えなかった。犯人の履歴書を作り、そこから“愛情が欠如していた”とか、そういうバックボーンを置くこともできなくはない。でも、実際に起こった事件を幾つも調べましたが、なぜ犯人が事件を起こすのか、“本当のところ”は調べれば調べるほどわからなくなっていく例も少なくはない」

大友作品に登場する殺人者の最大の特徴は、“説得不可能な理由なき殺人者”でも“過去のトラウマと動機がすべて説明できる殺人者”でもなく、名前があり、顔が見え、過去と現在が描かれているのに“正体不明のブラックボックス”を抱えていることだ。「これまでに“過去のトラウマ”的な設定を持つ物語は幾つも作られています。でも現実には、なぜ犯罪を犯すのか、結局はたどり着けない事例も多い。非常に複雑な要素が幾つも入り組み、それが何らかの形で人間の生理や心情に影響を与えていることは間違いない。でもそこに辿り着くことが目的ではない。だからそこは、僕にとってはどうしても“ブラックボックス”になってしまうんですね。とは言え、何かしらの仮説を立てないと脚本を書くことができない。原作コミックでは、カエル男は幼い頃に両親を失っていて、それすらも彼自身が犯した事件であることを匂わしている。その設定は当然魅力的ですが、それでは本当にサイコパスにという言葉ですべてを納得させるしかなくなってしまう。人物造形のための手掛かりがない、考察する余地がない抽象的なキャラクターになってしまうと思ったんですね。そこで、両親が殺害された事件は彼自信が手を下した事件ではなく、彼はその事件に拠るある意味“ストレス”を蓄積させながら生きてきた人物ではないかと想定したんですね。物語で散々使い尽くされた“トラウマ”という言葉ではなく、“ストレス”という言葉にベクトルを変えた。現代の日本を考える上で、“キラーストレス”は重要なキーワードだと思っていて。ストレスが原因で誰かを手にかけるケースだってあるし、病気になったり精神を病んだり、自らを殺してしまう場合だってある。『るろう…』の志々雄が明治政府に対する反逆、『秘密…』の絹子が思春期の暴走だとしたら、カエル男は過剰なストレスによって犯罪にはしる……まず、ここを拠り所に映画の根底に流れる考え方を構築していきました」

ポイントは、悪について考え、ストレスについて考えることが、“キャラクター”だけでなく映画全体のトーンや、ひとつひとつのカットのコンセプトやタッチの決定に密接につながっていることだ。「通常のサスペンスだと、伏線をはって最後は謎解きになりますけど、あまりその言葉を使いたくはない。結局描くべきは、“ドラマ”ですから。サスペンス映画を作るというよりも、姿の見えない敵に追い詰められていく刑事の葛藤を描くドラマ。だから、用意した小道具やシーン設定はもちろん、映画全体がひとつの意味ではなくて、見方によってはダブルミーニングなったり、トリプルミーニングになるようにしていかないと面白くないと思っていて。物語の構造がシンプルなだけにね」

ブルーレイやDVDで繰り返し本作を観ると、最初に観た時には気づかなかった演出やドラマ、解釈を発見するはずだ。例えば、本作は雨のシーンが多いが、画面の色はあえて暖色に寄せて設計されている。その理由は、大友監督曰く「カエルが生息する湿度の高い場所を映像で表現したい」から。本作では、カエル男が画面に登場していないシーンでも、映像、音響、画面の端にいるエキストラまでが“カエル男が存在する世界”を描くために機能しているのだ。「キャストについては、ちょっとした配役まで本当にこだわりました。廃墟で事件を発見するカップルだけでも数回オーディションを重ねている。この映画では、僕たちが生きている“現代”を映画の中にうまく取り入れたかったんです。だから、発見者のカップルも、“ひと昔前のワル”みたいなわかりやすいカップルではなく、ごくごく普通の大学生だったりする。僕らが生きている日常の延長線上にある物語であることを表現するために、配役には本当にこだわりました。エキストラであっても顔、背丈、姿かたちにこだわって……すべては“カエル男”を表現することに繋つながっているんです」

さらに大友監督は、主人公の刑事・沢村についても考察を重ね、ある時に「これは刑事と悪人が対峙する話ではなく、同じバックグラウンドを背負った男たちが運命的に出会う話」であることを発見したという。「詳しくは映画を観てもらいたいんですけど、追いかける沢村も昔に親を失っていて、そのことでストレスを抱えて、複雑な環境に置かれている。そんな沢村とカエル男が、沢村の妻を媒介にして出会うわけです。カエル男はマスクで顔は見えないけど、彼なりの正論がある。なぜ彼がカエルの面をかぶっているのか。カエルというのは一部の地域では“多産の象徴”だと言われていたりもするんですね。自称殺人アーティストが自ら作ったマスクが、多産の象徴である。このアイロニーが面白いですよね。実は繰り返し観ることで新たな発見があると思いますし、新しい解釈が生まれると、この映画はどんどん面白くなっていくでしょうね」

大友監督が、画面に映っているものをそのまま受け取るのではなく、観客が自分で考え、複数の解釈ができる作品をつくり続ける理由は「大袈裟かもしれないけれども、曖昧さが許されない世界になってきていること」への危機感があるからだ。「例えば、僕が上司に何か大きなプロジェクトを頼まれて“大友、悪いけど、会社のために死んでくれよ”と言われるとしますよね。でもそれは、死ぬほど頑張ってくれよ、という意味であって、実際に“死んでくれ”ということじゃない。当然ながら当事者同士の関係によって、言葉の解釈はいかようにでも変わっていく。単なる“たとえ”や当事者同士にしか通じない意味が、当事者同士の関係性や感情に対する考察を抜きにして拡がり、一方的に糾弾され、その結果一面的なルールが一般化され、強要されていく。場合によってそれは“言葉狩り”にも繋がっていきますよね。現代の社会はどんどん、比喩だったり、曖昧さやレトリック、複数の感情がもたらすニュアンスみたいなものへの目配せがなくなってきているように思います。そういったことに対して思うところはたくさんある。もちろん危機感も含めて。だから、反語だったり、皮肉だったり、レトリックの豊かさを作品の中に忍ばせていきたいですし、悪を悪として描くのは簡単だけど、悪人にも一分の理があるかもしれないということを、せめて映画の中だけでもほんのちょっとだけでも描いていきたい。悪が魅力的な映画は、映画自体が豊かになりますからね。カエル男というのは、そういう僕の思いを体現しているのかもしれませんね」

『ミュージアム』
デジタルセル先行配信中

3月16日(木) ブルーレイ&DVD発売
初回仕様ブルーレイ&DVDセット プレミアム・エディション(3枚組) 6990円+税
ブルーレイ(本編1枚) 4990円+税
DVD(本編1枚) 3990円+税
ブルーレイ、&DVDレンタル/デジタルレンタル配信開始

発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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DVD情報


ミュージアム ブルーレイ&DVDセット プレミアム・エディション(初回仕様/3枚組) [Blu-ray]

定価:7549 円(税込)
価格:5172 円(税込)
OFF:2377円(31%)
監督大友啓史
出演小栗旬,尾野真千子,野村周平,丸山智己,田畑智子
発売日2017年03月16日

 


ミュージアム [Blu-ray]

定価:5389 円(税込)
価格:3836 円(税込)
OFF:1553円(28%)
監督大友啓史
出演小栗旬,尾野真千子,野村周平,丸山智己,田畑智子
発売日2017年03月16日

 


ミュージアム [DVD]

定価:4309 円(税込)
価格:2500 円(税込)
OFF:1809円(41%)
監督大友啓史
出演小栗旬,尾野真千子,野村周平,丸山智己,田畑智子
発売日2017年03月16日

 


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