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日常にある最も身近な“未知”とは? 吉田大八監督が語る『羊の木』

(2018/02/07更新)
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『紙の月』『美しい星』の吉田大八監督の新作『羊の木』が公開されている。本作は元殺人犯の移住を受け入れた街を舞台に、街に移り住んだ6人の元殺人犯と、彼らの過去を知らない住人たちのドラマで、吉田監督は善と悪、人を殺した者と殺してない者など、何らかの境界を踏み越えた“未知”の存在に向き合う人々の姿を描いている。


吉田大八監督

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日常にある最も身近な“未知”とは? 吉田大八監督が語る『羊の木』
日常にある最も身近な“未知”とは? 吉田大八監督が語る『羊の木』

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本作の舞台になる港町・魚深(うおぶか)は国家の極秘プロジェクトの舞台に指定され、殺人をおかした元受刑者の移住を受け入れる。市の職員・月末は彼らの受け入れと世話を担当することになり、移住者に戸惑いながらも、少しずつ友情を築き始めるが、彼らに対する疑いや恐れを退けることができない。やがて、町で大きな事件が起こり、魚深で暮らす人々の思惑は交錯し、予想外の事態が起こりはじめる。

本作は、山上たつひこが原作を、いがらしみきおが作画を務めた同名コミックが基になっており、脚本の執筆には2年以上を要した。「コミックにはひとつのエピソード、ひとつのコマの中に“すごく笑える出来事”と“すごく恐ろしいこと”が同居していて、作品全体が混沌としたパワーに貫かれているので、最終的に何らかの決着やカタルシスを持つ2時間の映画にする際に、どのルートを通って結末に向かうべきなのかが定まらなかったんです。原作のパワーや混沌を脱色しないで2時間の映画にまとめるわけで、1度はコメディ寄りの脚本でまとまって“これでいけるかな”と思ったけど、これでは原作の読後感や受け取ったものをちゃんと描けていないなと改めて思って、結局はすべて捨てざるを得なかったり……そもそもこの原作の脚色はできるのかな?って気持ちに何回かなりましたね(笑)。原作があまりにもパワフルなので、普通の脚色のやり方では歯が立たないんですよ」

それでも吉田監督は脚本執筆の初期の段階から「この物語は“境界線”の話だということは自分の中で決めていた」と振り返る。「映画の中で描かれる殺人は、観客からすると“自分がそこへ行ってしまったらどうしよう”という恐怖と、“もしそうなったら自分はどんな気持ちになるんだろう”という永遠に果たされないロマンがあると思うので、観客の心を割と早く捕まえることができるものだとは思うんです。でも同時に人を“殺さないこと”と“殺すこと”の境界線がそれほど大きな意味を持たないような突き放した視点も持ちたかった。単純に悪を告発したり、悪に同情するのではなく、どちらでもない視点をいかにして獲得して、劇的な高まりをつくるのか? それこそがこの原作に取り組む際の課題になるだろうとは思っていました」

更正を目指して街に移住してきた元殺人犯のドラマに寄り添うか、彼らを受け入れる市の職員・月末の視点だけにフォーカスすれば、この物語はスッキリとわかりやすいものになる。しかし、本作はどちらもの視点を描き、さらに両者を俯瞰する視点さえも織り交ぜてドラマが進んでいく。「普通の映画と比較したら“モヤッと”しているかもしれないですけど、映画の中で起こった出来事を一方的に断罪するのではなく、良いことも悪いこともすべて同じ価値があるんだという視点に立つしかないというか。僕は観客を最大公約数的な共感に導くようなカタルシスのあり方になじめないんですよ。そもそも“安心して観られるもの”にそれほど興味がないですし、この映画もそれなりの規模でつくってますけど、心のどこかで“錦戸亮主演の映画だと思ったらなんかヤバいもの観てる”みたいなドキドキを経験させたい気持ちがあるんです」

穏やかな町で暮らす人にとって、外部からやってきた元殺人犯は“未知”の存在だが、吉田監督は未知なるものを簡単に意味づけしたり、解決させることなく“未知”のままで物語の中に織り込んでいく。「もしかしたら、殺人経験のある人というのは、日常の中にある最も身近な“未知”かもしれないですよね。僕はこれまでに“人を殺したことのある人”に会ったことはないと思ってますが、それも本当のところはわからなくて、いるかもしれない。だからこそ、他人のことを疑い続けてもしょうがないじゃないですか。僕たちはそういう現実の中を生きてるんだと思います」

『羊の木』
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