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新作が続々と待機中。世界が注目するD・ヴィルヌーヴ監督が語る“映画づくりのカギ”

(2017/05/15更新)
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エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカーらが出演するSF映画『メッセージ』が19日(金)から公開になる。監督を務めたのは、カナダ・ケベック州出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼は近年、驚異的なペースで新作を発表し続けており「まだ自分の作品群を俯瞰して見られる余裕がないんです」と笑うが、同時に“ある考え”に深く執着し続けているという。


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

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本作は、テッド・チャンの『あなたの人生の物語』(ハヤカワ文庫)に収録されている短編小説を映画化したもの。ある日、巨大な球体型宇宙船が地球に降り立ち、言語学者のルイーズ(アダムス)、物理学の専門家イアン(レナー)らが召集される。宇宙からやってきた者たちは、何らかの音や波動を発しているが、それが一体、何を意味しているのかわからない。そこでルイーズたちは、謎の物体に恐る恐る近づき、彼らの発する“メッセージ”を受け取り、解読しようとする。

原作小説を読んだヴィルヌーヴ監督は「最も心に響いたのは。コミュニケーションが生まれる瞬間を描いている部分でした」と振り返る。「通常のSFだと、エイリアンが地球にやってきて、いきなり英語や日本語をベラベラと喋りだしたりしますが(笑)、この物語は人類と異星人のコミュニケーションが“生まれる瞬間”を描いていて、もし本当にこんなことが起こったら、ここで描かれているみたいに複雑なんだろうなぁと実感が持てたんです。だからある意味では、このドラマは、言語の限界を描いたものだともいえますが、相手の発しているものを解釈するとき、“直感”がどれほど重要なのかを描いた物語でもあると思います」

映画は、巨大な宇宙船の内部に入り、彼らの示す“文字のようなもの”を解読しようと試行錯誤するルイーズたちのドラマと、飛来した宇宙船に攻撃を加えるのか、友好的に接するのかで意見が分かれ、こう着状態にある各国のやりとり、そして幼い子と過ごす平凡な家族のドラマが同時進行で描かれる。やがてそれらは何らかの接点を持つのだろうか? それとも……。これから映画を観る人のために、詳細は記さないが、ヴィルヌーヴ監督は、家族のドラマを丁寧に描くことにこだわった。「家族というのは、粗いかもしれませんが“鏡”のようなものだと思います。そこに自分の姿を映し出し、やがて自分の人生の物語が、どこかしらで起こった物語の“反復”だと気づくのです」

ヴィルヌーヴ作品ではこれまでも、異なるレベルのドラマが同時進行で描かれ、やがて巨大なテーマや哲学的な問いが浮かび上がってきたが、監督は「長い歴史の中で、人類は同じことを繰り返すし、個人もまた同じパターンを反復してしまう。私たちは、教育だったり、過去の失敗で感じた恐怖を利用しながら、そのサイクルを抜け出して進化し、社会も個人も本当の意味で“大人”にならなければならない。私は、この考えに深く執着しているんです」と笑顔を見せる。

この考えは、『メッセージ』だけでなく、今後のヴィルヌーヴ作品にも貫かれるようだ。彼は現在、伝説的なSF映画の続編『ブレードランナー2049』の仕上げ作業を行っており、その後はフランク・ハーバートのSF大河小説『デューン/砂の惑星』の再映画化に着手する。「ここ6年で5本も新作を手がけましたから、とにかくすごい仕事量で、まだ自分の作品群を俯瞰して見られる余裕がないんです(笑)。でも、そろそろ自分の作品を少し距離を置いて真剣に眺めてみる時期が来ているのかもしれません。私の作品は、ハリウッドの大作映画であったとしても、自分の中にある衝動から生まれていますから、まだ自分自身で分析するまでにはいたっていませんが、ある意味、とても個人的な側面があると思います」

だからこそヴィルヌーヴ監督は、自身の想いを投じることができ、同時に観客を魅了できる「良い物語を見つけることが、映画づくりのカギ」だという。「若い頃は、自分のエゴに突き動かされて映画を作ったりもしましたが(笑)。今は、エゴではなく、映画に対する愛情を力に映画を作りたいですし、観客と関係を持てる作品を作りたいと思っています。ですから、作品の中に、作り手がちゃんと存在していることを感じてもらえるとうれしいですね」

『メッセージ』
5月19日(金)より全国公開

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