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観客を驚かせる“新たな展開”を追求。『スパイダーマン:ホームカミング』監督が語る

(2017/08/12更新)
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マーベルの人気ヒーローが活躍する新作映画『スパイダーマン:ホームカミング』が昨日から公開されている。本作から主演が英国出身の新鋭トム・ホランドになり、1981年生まれのジョン・ワッツが監督に抜擢された。本作がまだ長編3作目のワッツ監督は、超大作を指揮し、ファンの期待に応え、自身のカラーを出すことができるのか? 不安になる観客もいるかもしれないが、ワッツ監督と彼を起用した製作陣には“ある秘策”があったようだ。


ジョン・ワッツ監督

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観客を驚かせる“新たな展開”を追求。『スパイダーマン:ホームカミング』監督が語る
観客を驚かせる“新たな展開”を追求。『スパイダーマン:ホームカミング』監督が語る
観客を驚かせる“新たな展開”を追求。『スパイダーマン:ホームカミング』監督が語る

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スパイダーマンは、アメリカのニューヨークで暮らしながら街を守るために活躍するヒーローで、映像化は大規模なアクションや飛行シーンがふんだんに盛り込まれた超大作になることが多い。近年はサム・ライミ、マーク・ウェブと実績を積んだ監督がメガホンをとってきたが、マーベル・スタジオを率いるケヴィン・ファイギとプロデューサーのエイミー・パスカルは、決して大規模ではない映画『COP CAR/コップ・カー』を手がけたジョン・ワッツに声をかけた。

新作映画ための最初のプレゼンテーションの日、ワッツ監督がプロデューサー陣に提案したのは、スーパーヒーロー映画と学園ドラマを“ミックス”させるアイデアだったという。「プレゼンにはイメージイラストを持っていったんだけど、そこにはいかにもイマどきのニューヨークの高校生の集団がいて、クールな集団がいる一方で、オタク系のダサい集団もいたりする(笑)。その背景にはスタテン島行きのフェリーが航行していて、コニ−・アイランドの遊園地が描いてあって……驚くことに実際に完成した映画とまったく同じものだよ! 僕が提案したのは、15歳のピーター・パーカー=スパイダーマンが敵と戦ったり、危険な目に遭ったりするけど、同時に学園ドラマ的な要素があるコメディタッチの映画にしたいということだった」

本作の主人公ピーター・パーカーは、冴えない15歳の青年だ。特殊なクモに噛まれたことで驚異的なパワーを手にした彼は、こっそり変装して“スパイダーマン”として活動を開始。地球の危機を救ってきたアベンジャーズのメンバー、アイアンマン=トニー・スタークから声をかけられて、ベルリンでの戦いに参加するが、正式なメンバーになるにはまだまだ修行が足りないらしい。そこで、ピーターはアベンジャーズに加入するため、“ご近所”で躍起にやって活動するが失敗ばかりで、ヒーロー活動で忙しいため、想いを寄せている娘にもアタックできずじまい。そんなある日、ピーターは巨大な翼をもつ怪人バルチャーに出会う。

劇中のピーターは、トニー・スタークから特製のスーツをプレゼントされ、サポートを受けるが、超大作の経験のないワッツ監督を支えたのは、数々のヒット作を生み出してきたマーベル映画の製作陣だった。「普通の映画会社だと、脚本を書いたら“ここを修正しろ”とか“ここを加筆するように”みたいな事務的なメールが来るだけなんだけど、マーベルの場合は、ケヴィン・ファイギを含めた全員がひとつのテーブルに集まって、1日中、みんなでアイデアを出し合って、映画がもっとよくなるように脚本を練り上げていくんだよ。こんな経験は初めてだったし、こんな大規模な映画でこんな体験ができるのは本当にすごいことだと思うよ」

さらにワッツ監督は、大規模で複雑な撮影を制御し、自身のカラーをしっかりと出せるよう、事前に何度でも“失敗”できる環境と時間をもらえたという。「しっかりと予算をもらえて撮影前に様々なアイデアを試したり、準備する時間を用意してもらったんだ。1本の映画の中にありとあらゆるアイデアや要素を詰め込んでやろうという野心があったけど、入れ込み過ぎてしまうと1本の映画として観た時に統一感がなくなってしまう。だから、絵コンテやプリヴィズ(簡易な映像でつくられた動く絵コンテ)を何度も作って、“このシーンの後にはこのトーンがしっくり来るんだな”と思えるまで試しに試したよ。そのうちに、最終的にCGで仕上げるにしても物理的に不可能なカメラの動きはしないようにしようとか、人物を追うカットでは何ミリのレンズを使うようにしようとか“ルール”が出来てくる。撮影前に何度も試して、何度も失敗して徹底的に準備したよ」

事前にアイデアを試す時間ができたことで、本作では“異なるトーンの映像”を1本の映画の中で混ぜ合わせることに成功している。あるシーンではキャラクターの表情にフォーカスをあてた青春ドラマのようなタッチに、次のシーンではスクリーンを隅々まで要素が詰まったダイナミックなアクション映像に、さらに観客の意表を突くようにヒッチコック風のシーンまで登場する。「その通り! “あのシーン”は映像も音楽もヒッチコックを意識したよ!」

ワッツ監督は「観客が“また定番のパターンか”と思ったら、ええええ! と驚くようなサプライズがある映画が僕は好きなんだよ」と笑顔を見せる。「最近はヒーロー映画もたくさんあるから、お決まりのパターンが出来ているのは確かだと思う。だからこそ、観客の“慣れ”をうまく利用してサプライズを仕掛けることができる。この映画は学園ドラマを土台にして、その上にヒーロー映画が乗っかっているから、それぞれのジャンルの“お決まりの展開”を混ぜ合わせて新しいサプライズをつくることができた。ピーターがお目当ての娘をデートに誘うことができるのか? というドラマと、スパイダーマンが強敵バルチャーに勝てるのか? というドラマを混ぜ合わることで、観客の予想がつかないストーリーができたと思うよ」

ワッツ監督とスタッフ陣は、まだ誰も観たことがない“ミックス”を生み出すため、事前に時間をかけて何度も試行錯誤する作戦に出た。その結果、映画は“新しいスパイダーマン”を描くことに成功し、全世界で大ヒットを記録している。「だから、僕が若い人に言いたいのは、“失敗したっていいんだよ”ってことかな。失敗は大人になるための大事なステップだしね。スパイダーマンだって、桁ハズレに大きなミスをするんだから(笑)、少々のことには落ち込まずに頑張れよって言いたいよ」

『スパイダーマン:ホームカミング』
全国公開中

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