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“共感”を集める“数奇”な人生。原作者が語る映画『LION/ライオン 25年目のただいま』

(2017/03/31更新)
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本年度のアカデミー賞で作品賞など6部門で候補になった映画『LION/ライオン 25年目のただいま』が4月7日(金)から公開になる。本作は、オーストラリア在住のサルー・ブライアリーの実話を描いた作品で、彼の半生を描いた書籍はすでに多くの注目を集めている。


サルー・ブライアリー(写真上)と映画『LION/ライオン…』

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“共感”を集める“数奇”な人生。原作者が語る映画『LION/ライオン 25年目のただいま』
“共感”を集める“数奇”な人生。原作者が語る映画『LION/ライオン 25年目のただいま』

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ブライアリーはオーストラリアのタスマニア州在住で、穏やかな口調と優しい表情が印象的な人物だ。しかし、彼の半生は孤独や葛藤、迷いの連続だった。ブライアリーはインドで生まれ、母親や兄妹たちと暮らしていたが、5歳のブライアリーはある夜、兄について駅まで行き、うっかり回送電車内で眠ってしまったことから、家から遠く離れたカルカッタに運ばれてしまう。自分の家のある場所がわからないブライアリーは、ひとりぼっちで街を彷徨い、やがて様々な経験を経て、オーストラリアで暮らす夫婦の養子になった。

兄について家を出たあの夜以来、帰宅することなく、自分の家がインドのどこにあるのかさえわからないまま、オーストラリアで成長したブライアリーは「自分がおぼえているインド時代の出来事を繰り返し、繰り返し思い出していました」と振り返る。「夜になって眠ると、インドにいた頃の夢を見ることがありましたし、映画を観たり、食べ物の匂いをかいだ瞬間に記憶がよみがえったり、街で小さな子どもと家族が歩いているのを目にして“自分もインドの家族と一緒にいたい”と思うこともありました。一度、故郷のことを考え出すとそのことで頭がいっぱいになり、次第にそのことが薄れてオーストラリアの日常に集中するようになって、また何かのきっかけで故郷のことを思い出し……その繰り返しでした」

それでもブライアリーは「そんな状況に怒りはなかった」と笑顔を見せる。「私はオーストラリアにいて、新しい家族がいて、それが自分の生活で、自分には故郷があっても、そこに帰ることができないんだとわかっていました。それに家族からはぐれて、カルカッタで危険にさらされているよりも、自分はずっと幸福だと思っていました」

そんなある日、ブライアリーは友人からGoogle Earthを使えば、地球上のどこであっても見ることができると知らされる。彼の頭に残る幼少期の不鮮明な記憶、オーストラリアの育ての両親への想い、心配する恋人との関係……様々な状況が複雑に絡み合う中でブライアリーは、“帰宅”への道を模索する。

彼の半生は時に“数奇なドラマ”と称されるが、すでにネットやテレビ番組で話題になった奇跡的な実話をただ映画化しただけでは、本作がここまで高評価を得ることはなかっただろう。ブライアリー本人は、自分の半生は「驚くべきことに、多くの人が共感できるところがあったようです」という。「もし、子を持つ方であれば自分の子どもにあんなことが起こったら? と思うでしょうし、家族のドラマは何かしら共感できる部分があるようですね。迷子になって苦労したカルカッタ時代や、オーストラリアで新しい親に愛されて育った時代、故郷に憧憬を抱く部分、通常であればあきらめてしまうような捜索をあきらめない部分……この物語の様々な部分に共感してくれる人がいることに私自身も驚いています」

ちなみに、彼にとって自著が多くの人に読まれたり、映画化されたりすることは「ごほうびのようなもの」と笑顔を見せる。「最大のごほうびは、インドにいる家族に会えたことです。でも、自分の出来事を本に書いたことで、こうして映画の宣伝をしたり、ありがたいことにスピーチを頼まれることもあります。私自身はこうした活動を通じて、世の中が少しでも良い方向に変化することになればいいと思っていますし、私自身は謙虚な気持ちでいます」

『LION/ライオン 25年目のただいま』
4月7日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー

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