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“見えないもの”を描く試み。監督が語る映画『プラネタリム』

(2017/09/20更新)
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長編デビュー作『美しき棘』が高評価を集めたフランス人監督レベッカ・ズロトヴスキが、ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップをキャストに迎えた新作『プラネタリウム』を完成させた。彼女は1930年代のパリを舞台に、死者を呼び寄せる降霊術ショーで成り上がろうとする姉妹の数奇な運命を描きだしているが、本人は「霊を呼ぶ行為をまったく信じていない」という。では、映画の中の“霊”とは一体、何なのか? 来日時に話を聞いた。


『プラネタリウム』を手がけたレベッカ・ズロトヴスキ監督

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1930年、死者を呼び寄せる降霊術ショーで金を稼ぐローラとケイトの姉妹はアメリカから憧れの都市パリにやってくる。そこで姉妹は、フランス人映画プロデューサーのコルベンに出会い、姉妹が呼び寄せた霊をフィルムに撮影したいと頼まれる。やがて姉妹はカメラの前に立つことになり、野心家の姉ローラは女優としての才能を開花させ、いつしかコルベンに惹かれていく。一方、純粋な妹のケイトはうまく演じることができず自分の世界に閉じこもっていくが、コルベンはケイトこそが霊を呼び寄せる力を持っていると確信し、ふたりだけで行動するようになる。それぞれの想いが交錯する中、霊を写し取ろうとする試みはエスカレートしていき、やがてフランスに戦争の影が忍び寄ってくる。

アメリカ人スピリチュアリストやフランスの映画プロデューサーの実話と、様々なイメージを長い時間をかけて寄り合わせて脚本を執筆したズロトヴスキ監督は、以前から知り合いだったナタリー・ポートマンに声をかけた。「映画スターというのは、どこかミステリアスな部分があります。彼女は『スター・ウォーズ』にも出ているスターですが、必ず“見えない部分”があります。この映画ではアメリカから来た女性が、フランスで映画スターになるという設定が重要でした」

劇中では“見えない”霊を、“見える”フィルムに写し取ろうと試行錯誤を繰り返す男女のドラマを通して、次第にそれぞれのキャラクターが抱えていた欲望が露になってくる。実はこの映画で“見えない”から“見える”状態になっていくのは、霊ではなく人間の欲望なのではないだろうか? 「その通りです。私は霊を呼ぶ行為をまったく信じていないけど、俳優には“お互いが催眠術をかけるように相手を魅了し合ってほしい”と繰り返し言いました。まるで現像液の中で少しずつイメージが浮かび上がってくるように、登場人物の内面や本性が現れてくるわけです」

愛や欲望や嫉妬は目には見えない。しかし、本作はフィクションである映画づくりを通して、隠されていたものを描こうとする。「多くの人は映画というものは“ここに存在するもの”を撮影していると考えていますが、私は映画とは“すでにここにはない、死んでしまった瞬間”を撮影していると考えています。この映画のために、1930年代のキャバレーが舞台の華やかな映画を観たのですが、途中でふと“ここに映っている俳優や、スタッフはこの映画の5年後には戦争で亡くなっている”ことに気づきました。中にはユダヤ人もいましたから、強制収容所に送られた人もいたでしょう。映画とは何かを見せているように見えて、実は何かを隠している、映画とは死んでしまったものを捉えているのだと改めて思ったわけです。この映画のタイトルは“プラネタリム”ですが、プラネタリムにある星は、すでにそこにはない人工的な星、つまり死んでいる星です」

興味深いのは、監督は様々な手法やドラマを通じて人間の隠されていた感情を描きつつ、同時にそれらもまた“ここに存在するもの”ではなく“フィクション”かもしれないと匂わせていることだ。「それは興味深い解釈です。愛も欲望も嫉妬も“社会がつくりあげたフィクション”かもしれないという解釈は非常に興味深いと思います。この映画には反ユダヤ思想が出てきますが、それもまた悪いフィクションです。人よってはリアリズムを重視して映画づくりをしますが、私の映画づくりでは、自分の内面にわき起こってくるミステリアスで理解できないものが大きな位置を占めています」

観客は、姉妹の物語を通して、様々な目には見えない感情や欲望を目撃する。それは霊のように不確かなものかもしれない、単なる虚構=フィクションかもしれない。しかし、物語が後半に進み、1930年のパリに戦争の影が近づくと、映画も、霊も、虚構も存在することが許されなくなってくる。「私はこの映画で1930年代を“浮遊する時代”として描きましたが、それは現代を反映しています。ここ数年、フランスでもテロが多くて暗い時代になってきています。古い体制が崩れ、積み重なってきた時代が崩壊していることを何となく感じてはいるけれど、ここまで来てしまった。そこで、この映画ではあえてアレクサ65という最新のデジタルカメラを使って撮影することで、現代にも通じる映画をつくろうとしたのです」

映画は、霊は、虚構は、2017年の世界にちゃんと存在しているだろうか? そして、いつまで存在し続けることができるだろうか? 本作は姉妹の数奇なドラマを通じて、映画でしか描けない“問い”を観客に突きつけている。

『プラネタリウム』
9月23日(土)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開

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