ただいまの掲載件数は タイトル57371件 口コミ 1124186件 劇場 594件

映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > オン・ザ・ミルキー・ロード > ニュース > “帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る

“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る

(2017/09/14更新)
  • Check
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


『アンダーグラウンド』『白猫・黒猫』のエミール・クストリッツァ監督の新作映画『オン・ザ・ミルキー・ロード』が明日から公開になる。本作は戦争が続く国を舞台に、ミルク運びの男と美しい女性の恋と逃避行が狂騒的なトーンで描かれる作品だが、その先には“居場所”を失った人々の悲しみと希望のドラマが待っている。来日したクストリッツァ監督に話を聞いた。


エミール・クストリッツァ監督

フォトギャラリー

“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る
“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る
“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る
“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る
“帰る場所”を求める旅。エミール・クストリッツァ監督が新作を語る

※ 各画像をクリックすると拡大表示されます。

本作でクストリッツァ自身が演じるコスタは、隣国と戦争が続く国で戦線で戦う兵士にミルクを届けている寡黙な男だ。彼は、最前線と、そんな状況すら日常になってしまっている村を行き来しながら変わりのない日々を送っていたが、ある日、彼を慕っている女性の兄の花嫁として村にやってきた女性(モニカ・ベルッチ)に出会い、恋に落ちる。やがて戦争は終結。花嫁の結婚式が近づく中、コスタと花嫁は村を飛び出して決死の逃避行を開始する!

本作は、これまでのクストリッツァ作品同様、強烈なキャラクターが入り乱れる作品だが、映画の根幹をなすエピソードは監督が過去に耳にしたり読んだ実話が基になっている。「この映画はすべて“真実”から出来ています。SFは創作できますが、リアリズムは作り出すことはできません。もちろん、実際のエピソードよりは効率的な形で伝えてはいますが、私の映画はいつだって自分が過去に聞いた話や自身の体験したことを寄せ集めています。現実の生活ではウソをつきますけど、映画の中では“真実”を伝えているわけです(笑)」

監督の語る“真実”には、人間だけでなく、動物や空を流れる雲、流れる水のしぶき、山々を通り抜けていく風、つまり“世界そのもの”も含まれる。「私はいつも映画の中の“空間”に執着しています。映画監督の良し悪しは空間の扱い方でわかると思います。もちろん、私はキャラクターの行動を第一に演出していますが、そのためにはフレームの中の前景・中景・後景をすべて描くためにカメラをどう動かし、フレームを考えなければなりません。映画作りは、直感と入念な準備の組み合わせによって、活き活きとしたものになります。その点は、音楽と似ています。決まったかたちでの演奏と即興を組み合わせることで良い演奏になるわけです」

クストリッツァ監督は映画制作だけでなくミュージシャンとしても活動しており、映画づくりと音楽活動は「観客との距離を縮めてコミュニケーションをとるという点では同じ」と語る。しかし、監督の映画において音楽は“必須”ではない。監督が所属するバンド“ノー・スモーキング・オーケストラ”の音楽は映画を強力にサポートしているが、クストリッツァ作品はサイレントから始まる映画史をしっかりと踏まえて描かれており、仮に音が消えても強烈なインパクトを観る者に残す。「その通りです。そのことはいつも意識しています。『ライフ・イズ・ミラクル』(2004年)がある町で上映された際、トラブルが起こって途中で音がすべて消えてしまったことがありましたが、観客は何事もなくそのまま観続けていました。私はいつもイメージにこだわって映画づくりをしてきましたし、“ビジュアルで語る”ことこそが映画だと思っています」

同時に監督はいつもハイテンションでパワフルなストーリーの奥底に、居場所や行き場を失った人々の悲しみや想いを綴ってきた。本作でも物語の随所に、悲しい過去を断ち切って新しい人生を見つけようともがく人々の想いが刻まれている。「そうですね。それは私がこれまでに経験したことに根付いています。私は自分の国を失い、自分の町を失いましたし、奪った彼らも“自分”というものを失ったと考えています」。クストリッツァ監督が生まれたサラエヴォは、かつて“ユーゴスラビア”という国に属していたが、紛争によって分裂し、現在は“ボスニア・ヘルツェゴビナ”の首都になっている。故郷を、居場所を、帰るべき場所を失ってしまった映画の登場人物たちは、クストリッツァ監督の姿でもあるのだ。「だからこそ私はいつも難民の味方でありたいと思っていますし、戦争によって難民が生み出されてしまう状況にも反対しています。現実には、難民に対して理解をしめす“ふり”をして英雄的な行動をとる権力者が、新たに戦争を起こして、さらに難民が増えている状況ですが、人々は真実から目を背けています」

それでも、監督は居場所や帰る場所を失っても「新たな場所を探して見つけ出すことはできると思う」と力強く語る。「私は故郷を失いましたが、後に自分で村を作りましたし、町も作りました。私の過去の経験が自分の居場所を見つけ出すことを後押ししてくれたと思いますし、結果として自分以外の人々の故郷を新たに見つけ出すこともできたと思います」

戦争は終わらないし、世界は悲しい出来事に満ちている。しかし、人は誰かを愛し、共に暮らす場所や心の居場所を見つけることができる。本作は予測不可能なドラマをパワフルに描きながら、観る者の心の奥底に深く入りこむ作品になっている。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』
9月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

【関連リンク】
『オン・ザ・ミルキー・ロード』作品情報
黒猫チェルシー・渡辺大知、『オン・ザ・ミルキー・ロード』試写会でクストリッツァへの愛を語る
『オン・ザ・ミルキー・ロード』予告編公開! ポスタービジュアルも
エミール・クストリッツァ監督・脚本・主演作『オン・ザ・ミルキー・ロード』日本公開決定!

【注目のニュース】
山崎賢人&新井浩文、舞台あいさつで微妙な展開?
丸山隆平、初主演映画公開の喜びを語る
『最後のジェダイ』メッセージ動画
『Mr.Long/ミスター・ロン』特報映像
本年度『TCP FILM2017』結果発表
『ファンタビ』最新作、来年冬公開
津田健次郎がスター・ウォーズを語る
J・フランコがヒーロー役で主演か
『友罪』第2弾キャスト発表
土屋太鳳「さすが(佐藤)健先輩!」

 

映画ファン必携の一冊! ぴあ Movie Special
1

 

Myページ

ログイン

はじめての方はこちらから

新規ユーザー登録
ぴあ映画生活 facebook公式ページ
ニコニコ生放送 週刊ぴあ映画生活


上映情報

阿佐ヶ谷 

他の地域

 

この映画のファン

  • marikokohore111
  • 佳辰

 

ユーザ登録をするとこの映画のファンに加わることができます


スーパーヒーロー、遂に終結!DCコミック映画まとめ
ぴあ Movie Special 2018 Winter ぴあ映画特別号 冬号登場! 冬の話題作の特集や最新情報がいっぱい! ご招待も大量放出!
ぴあ×ららぽーと “エンタメ・コレクション” Vol.4『オリエント急行殺人事件』無料特別上映会ご招待!
まるでおじいちゃん版『オーシャンズ11』!?『ジーサンズ はじめての強盗』特集
新作続々、公開中!マーベル・コミック映画ニュースまとめ
ぴあ Movie Special 2017 Autumn ぴあ映画特別号 秋号登場! 秋の話題作の特集や最新情報がいっぱい! ご招待も大量放出!
物語、演出、キャスト三拍子揃ったエンタメ快作! 関ジャニ・丸山隆平主演『泥棒役者』ほか『火花』『gifted/ギフテッド』など11月公開の話題作更新! 映画論評・批評の新コーナー

クチコミ満足度ランキング

初日満足度 観客動員数 DVDレンタル

満足度 投稿数 観たい ファン

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』まとめ