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家族とは“欠ける”もの。是枝裕和監督が語る『海よりもまだ深く』

(2016/05/13更新)
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是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』が間もなく公開になる。監督はこれまでも様々な作品で家族をモチーフにした作品を発表しており、本作も郊外の団地に集う“元家族”の物語だが、是枝監督は本作を「家族映画だとは思っていない」という。


『海よりもまだ深く』撮影現場の是枝裕和監督

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家族とは“欠ける”もの。是枝裕和監督が語る『海よりもまだ深く』
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本作で阿部寛が演じる良多は、15年前に1度だけ文学賞をとった売れない作家で、現在は“取材”と言い訳しながら探偵業をしている大人になりきれない男。息子の真悟(吉澤太陽)がいるが、妻の響子(真木よう子)とは離婚しており、母の淑子(樹木希林)は団地でひとりで暮らしている。そんなある日、たまたま母の家に集まった良多と元妻、息子は台風のために翌朝まで帰れなくなり、夜が明けるまで“家族”として過ごすことになる。

『誰も知らない』では母親に捨てられた子どもたちが自力で生きていこうとする姿を、『歩いても 歩いても』ではある夏の日に集まった一家のドラマを、テレビシリーズ『ゴーイング マイ ホーム』では父が倒れたことを機に故郷に戻った男の物語が描かれたが、是枝監督は自身の変化が「反映させようとは思っていないけど、自然に出てしまう」と振り返る。「『歩いても 歩いても』は自分が親をなくした後に作った息子が主人公の映画で、『海よりもまだ深く』は、自分に子どもができた後に作った、父親になりそこなった男の話。同じように見える家族の話でも、そこは大きな変化なので、意識的に息子だけでなく、夫でもあり、父親でもあるけど何ひとつまっとうできていないという目線を主人公に意識的に入れていこうと最初から考えていました」

多くのホームドラマにおいて家族は“安定”の象徴だ。しかし、是枝作品で家族はいつも何らかの欠損を抱えており、登場人物たちはその“不安定さ”を受け入れることで前に進もうとする。「家族というのは欠けるんですね。欠けた部分を役割を変えながら埋めていく。見ていると同じ川だけど、構成要員は入れ替わっていって、新陳代謝して次の世代に渡していくのが家族だと。自分が親を失って、誰の息子でもない宙ぶらりん感がけっこう大きかったけど、自分が父親になって、親がいない喪失感はそのままだけど、自分が鎖のひとつになって、引っ張られていた自分が今度は引っ張る側になる……重心が変わることで役割が入れ替わっていくのが家族なんだなっていう感じは実感としてあったので、それを反映させたいというのがありました」。

家族はいつも何らかの“欠損”を抱えていて、自分は子どもの頃に思い描いていたような大人になれていない。この映画の登場人物たちの姿は、物語の舞台になった団地、そして現代の日本社会のあり様と重なるところがある。「主人公が50歳ちかくなっても思い通りの人生にたどりついてないという感じと、団地が最初に思っていた理想にたどり着いてないというのが重なって、ちょうど団地も50歳で、リンクしたら面白いなと思ったんです。この映画と『海街diary』は同じ時期に脚本を書いて、同じ時期に撮影をしていたんですけど、『海街…』は“現代”というものを排除することで成立しているんですね。だから自分の中ではこの映画は、もう少し逆に振って、自分の今の身の回りに転がっているものだけで作ってみようとしたんです」

どんな人間も自分の生きている時代や社会から逃れることはできない。是枝作品はいつも自分の足元を徹底的に掘り下げることで、私たちの社会のありようや、その外に広がる世界を描き出してきた。「“ずっと家族ものが続いてますね”って言われるけど、僕は『海街…』は家族映画ではなくて、街や時間が主人公の映画だと思っていますし、この映画も小さいホームが舞台ではあるけど、家族映画だとは思ってないんですね。海外に行くと『現代の日本映画の弱点は“社会”が描かれていないことだ』ってハッキリ言われるんです。それは政治的なネタや社会的な事件を描くとかそういうことではなくて、社会を描くという“視点”を作り手が持っていないと。そこに自分なりにどう返答するのか? 『いや、これでいい。家の中にも社会はあるのだ』という反論の仕方もあるだろうし、じゃあ一度、時代とか歴史とか“大文字”のものに自分たちの世代がどう向き合うのか、やってみたいという気持ちもあるんです」

だからこそ、監督は「60歳になるまでは“家族”を描くことから離れてみようかなと思っている」という。「作り手の自分にとっては、ここが自分のホームベースなんです。ここに時々、戻ってきて自分を確認すると、構成員は変わってるし、自分の年齢も変わってる。だからこそ、もっと遠くへ行って、またホームに戻ってくることが理想だと思っています」

『海よりもまだ深く』
5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

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