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映画監督・大林宣彦が映画『あの日の声を探して』の魅力を語る
(2015/04/20更新)
映画『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督の新作『あの日の声を探して』のティーチインイベントが19日に都内で行われ、大林宣彦監督が登壇した。

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本作は、アザナヴィシウス監督が、1946年にアカデミー賞4部門にノミネートされた名作『山河遥かなり』から着想を得て製作した人間ドラマで、1999年、ロシアに侵攻されるチェチェンを舞台に、両親を殺され、声を失った9歳の少年ハジが辿る運命を描いた感動作。過酷な状況を生き抜く人々の姿を、少年、ロシアの兵士、EU職員の視点で描き出している。
イベントの冒頭で大林監督は「高畑勲や山田洋次と仲がよく、三人揃って戦争体験をしているわけなんだけども、僕らはその戦争体験を伝えていかなければいけないねと思っているわけです。世界のティーチ・インイベントで必ず最初に『貴方の戦争体験は?』という質問がでる。それは素晴らしい質問で、それを聞けば監督が作品込めたメッセージや正体が全部わかってきます」と説明。
また、「フィクションの力というものはなんでしょう?」という質問には「映画とはそもそも記録装置です。記録をするという意味では、ドキュメンタリーというのは大変な力をもっているものです。ただし、リアルな記録は風化されてしまう。なぜなら、辛いことはもうみたくない忘れたいと思うからです。しかし、同じ過ちを繰り返さない為には、自分たちの体験が風化されないよう伝える為には、映画を観るという喜びを感じながらの方が風化せずに伝わる。それが、フィクションのもつ力なんです」と回答した。
最後に大林監督は「チェチェン戦争を背景として、永遠の戦争に対する、平和に対する想いを描こうというところに彼の素晴らしさがある。そういう風に理解することが僕たちが観る理由であり、それは人事でも何でも無い。僕たちがこの映画を観ることで、明日をどう生きるかということを考えることに繋がっている。この時代にこの映画を観ているのだという僕たちの意識、映画は世の中の鏡だし、風化しないジャーナリズムという。そういう教養を持ってこの映画を観れば、この映画の本当の楽しさがよくわかるし、その上で映画が語った戦争の歴史の中から、重要な一通の手紙を今受け取ったと思えばいいのではないか」と語りかけた。
『あの日の声を探して』
4月24日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次公開
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