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ワン・ビン監督と信頼を築く日本人プロデューサーが語る『収容病棟』

(2014/06/27更新)
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現在の映画シーンを語る上で欠かせない映画作家のひとりにあげられる中国の気鋭、ワン・ビン監督。『三姉妹〜雲南の子』に続く彼のドキュメンタリー最新作『収容病棟』に実はひとりの日本人が深く関わっている。主に映画宣伝・配給を手掛ける“ムヴィオラ”の代表を務める武井みゆき氏。ワン・ビン監督と確かな信頼で結ばれる彼女が今回共同プロデューサーを務めた。


武井みゆき氏

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ワン・ビン監督と信頼を築く日本人プロデューサーが語る『収容病棟』
ワン・ビン監督と信頼を築く日本人プロデューサーが語る『収容病棟』

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武井氏とワン・ビン監督の出会いは2011年のこと。ただ、以前からワン・ビン監督の作品には深い感銘を受けていた。「山形国際ドキュメンタリー映画祭で大賞に輝いた『鉄西区』や『《鳳鳴(フォンミン)−中国の記憶》』などを観て思っていました。“いつかこの監督の作品に携われたら”と。ですので『無言歌』を手掛けることになり、プロモーション来日で初めて直接会ったときは喜びもひとしおでした」。

以来、ワン・ビン監督とコンタクトをとるように。その中で今回の作品の相談を受けた。「最初に連絡があったのは撮影に入る準備段階の2012年11月。要約すると“サポートしてもらえないか”と(笑)。“中国の精神病院を撮る”という難題。資金調達をはじめ多くの困難が想像できました。ただ、私としてはやはり彼が作り上げる作品を観たい。ですから“できる限りのことをしましょう”と協力を約束しました」。

完成した作品は前後編合わせて4時間に及ぶ大作。中国の雲南省にある精神病院の日常を克明に映し出す。その中で驚くべきはワン・ビン監督のカメラにほかならない。この病棟には精神疾患や薬物中毒の患者から、一人っ子政策の違反者までもが“異常なふるまい”を理由に収容されている。正常と異常が交錯するような混沌とした棟内は正視できなくても不思議ではない。でも、監督はすべての現実から目を逸らさない。慈しみの眼差しともいうべき絶妙な距離をもってすべての人々と向き合う。「彼のカメラは唯一無二。ありのままの人間の姿をとらえる。今回の作品は、今の中国では“存在しない”ことになっている人々の声をワン・ビンは聞いている。私は人間の尊厳を見つめた映画と思います」。

「監督は14〜24歳まで建築院で下働きをしていたそうです。彼の手を見ると働く人の手だとわかります。今、彼のようなキャリアを持つ映画監督は世界を見回してもいないかもしれない」と武井氏。そういう意味でも、ワン・ビン監督は極めて重要な視線と姿勢をもった現代の映画作家。彼の描く世界をひとりでも多くの人に体感してほしい。

『収容病棟』
6月28日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開

取材・文・写真:水上賢治

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