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リラックマは実在する!? 監督が語る『リラックマとカオルさん』

(2019/04/18更新)
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小林雅仁監督

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リラックマは実在する!? 監督が語る『リラックマとカオルさん』
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日本だけでなく世界中で愛される人気キャラクター、リラックマが登場するNetflixオリジナルシリーズ『リラックマとカオルさん』が4月19日(金)から配信スタートする。リラックマは2.5頭身ほどの愛らしい見た目で、背中にチャックのついた超個性的なルックスだが、ストップモーションアニメの技法を駆使して本作を描くことになった小林雅仁監督が目指したのは「リラックマが実在しているように撮影すること」だったという。

リラックマは2003年に登場し、様々なグッズが発売され、企業のキャンペーンにも登場しているが、本作は荻上直子が脚本を書いたストップモーションアニメで、東京のどこかで暮らす女性カオルさんとリラックマ、コリラックマ、キイロイトリの日々が13話で描かれる。

アニメーション制作を担当したドワーフスタジオは『どーもくん』や『こまねこ』など数々のストップモーションアニメを手がけてきたが、小林監督によると本作は「これまでに経験にないほど大きな制作規模」だったという。「11分の作品を13話、約2時間分の作品をストップモーションアニメで撮るとなると大規模になるんですね。結果として10班を同時に動かして撮影することになりました」

ストップモーションアニメは実寸よりは小さいながらも実際にセットを組み、照明をあて、キャラクターをひとコマずつ動かして撮影していかなければならない。つまり、10班が同時に動くということは小林監督の表現を借りると“同じ役を演じる役者が10人いる”ことになる。「そこが一番の悩みどころでした。そこでリラックマが10周年の時にリラックマのショート・アニメーションを担当した峰岸裕和さんにチーフアニメーターをお願いして、全キャラクターの動きや食べるときの表情、動く際のスピードの“レファレンス(見本)”を作ってもらい、残りのアニメーターはトレーニング期間中にその動きを呑み込んでもらってから撮影を始めました」

彼らが撮影前にトレーニングを積んだ期間は何と1か月! 人形を少しずつ動かして“演技”を組み立てていく作業はアニメーターの感覚や生理が大きく影響するが「その点ではトレーニングは峰岸さんの身体感覚に合わせていく期間だったのかもしれません。でも、結果的には“峰岸クローン”ができるわけではなくて(笑)、アニメーターそれぞれの個性がちゃんと出てくるんです。そこで個性を見ながらシーンを割り振っていくようにしました」

究極的に言ってしまうとリラックマが動いているところは誰も観たことがないので、大げさに動かしても、妙な歩き方であっても“正解”と言い切ることはできる。そこで、小林監督とスタッフは「物語の舞台が日本」であることに気を配ったようだ。「日本のある町で暮らしている設定ですから、日本人ならこんなリアクションはしないよねとか、ここまで大きくは驚かないだろうなという表現の範囲を設けた上で、いかに感情を出していくのかが大事でした。カットによってはアニメーターが“もっと動かしたい”意欲があっても、日本の方が自然に受け止めてくださる動きになるように少し動きを抑えたり、逆にもう少し動かしてみたりのコントロールをしていきました」

さらに本作では身長も頭身も異なるカオルさんとリラックマが同じ場面にいるため、カメラのアングルやキャラクターの立ち位置が入念に計算されている。「人間のカオルさんと、黒目しかないリラックマが対面しているシーンは普通にカットバック(両者の顔を交互に見せていく)でやると会話しているシーンでも成立しないんですよ。だから、カットごとにアングルを調整したり、この位置までキャラクターを動かせば大丈夫だろうとか、すごくアナログな作業を積み重ねて撮影していきました。もちろん事前に計算はするのですが、実際に現場でカメラマンが良いアングルを見つけ出していく部分が大きかったです」

彼らのこだわりが最大限に発揮されたのが劇中の光だ。「この作品は撮影も照明もライブアクションのスタッフなので、実写映画と同じで、太陽の光をうまく再現しようという考えがベースにありました。多くのストップモーションアニメでは光をまわして影を消して撮影するんですけど、この作品ではすごく小さいLED照明を組み合わせて、太陽光と同じように光源がひとつだけあるような状況を目指しました。だから、キャラクターにはたくさんの影ができますし、立つ位置によってはキャラクターの表情が影でつぶれてしまうこともある。それを修正するべきか、良しとするのか……今回はそれを良しとしようとみんなで腹をくくったわけです(笑)。それにワンカットごと画面の隅々まで丁寧に照明をあてることで時間の経過も表現できますし、最終的にそれがキャラクターの感情の変化を描いていたりもします。だから夕方だけで照明が4段階もあったりしますし(笑)、季節が変われば太陽の高さもすべて変えました」

なぜ、彼らはリラックマを描く上でここまで時間をかけてこだわったのか? 「リラックマが実在しているように撮影しようと最初の段階に決めたんです。これは東京のある町にカオルさんとリラックマたちが暮らしている話で、夢の中の出来事ではない。それにドラマが面白いは大前提のことで、これまでの作品を超えるものを作るには“画づくり”が大事になるだろうと思ったんです。この作品は4Kですから撮ったものが100パーセント見えてしまう“ごまかし”のきかない状況ですし、逆を言うと、こちらの表現したいものがちゃんと見せられる。だからすべての画面の隅にまで気をつかいましたし、気をつかってくれる信頼できるスタッフがいたのは大きいです」

スタッフがひとコマずつ丁寧に撮影して出来上がった13話の物語は、Netflixのネットワークを通じて世界190か国に配信される。「この作品は、日本人がつくる日本のお話だと思って作ってきましたから、作品や動きにも反映されたと思いますし、それを海外の方がどう見てくださるのか楽しみですね」

『リラックマとカオルさん』
4月19日(金)よりNetflixにて全世界独占配信

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