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躍進Netflixのトップに聞く、「2019年はアジアに注力」する理由

(2019/01/16更新)
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2019年、ますます競争が激化しそうな動画配信業界。そんな中で、世界190か国以上で1億3000万人超の有料会員が利用するというNetflixは業界最大手だ。大きな成長を遂げている理由のひとつには、莫大な製作費を投じて多彩でハイクオリティーなオリジナルコンテンツ作りに注力していることにある。2018年11月、シンガポールで開催された新作発表会『See What’s Next:Asia』の日本人記者向けの合同インタビューで、創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス氏とCCO(コンテンツ最高責任者)のテッド・サランドス氏から話を聞くことができた。


創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス(右)と、コンテンツ最高責任者(CCO)のテッド・サランドス(左)

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まず個人的な興味から、毎週のごとく多彩なコンテンツを新たに配信するNetflixの作品をヘイスティングス氏がどれほど観ているのか尋ねてみた。「配信サービスを始めた頃は全ての作品を少しずつですが、チェックしていました。今はあまりにオリジナル作品が増えてさすがに全てを観ることはできません(笑)。私の好みを言えば、『ザ・クラウン』、『ボディガード‐守るべきもの-』、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』、そしてアーティスティックなもの。最近はロシア発の作品からロシアのことを学んでいます」という。また、「私の趣味に合う作品ではないと思ったけれど、周りの評判を聞いて、『キスから始まる物語』という映画を観たら意外と楽しかった(笑)。あらためて、“エンタテインメントは何がベストなのかを探すのではなく、どれだけユニークで面白くて多彩なコンテンツを提供できるか”が大事だと痛感しました」と語る。

この“See What’s Next: Asia”はNetflixにとってアジア地域で初めて開催する大イベント。Netflixは新たに1億人のユーザー獲得の市場としてインドに狙いを定めているが、同イベントでCCOのサランドス氏は「今後、アジアのクリエイターへの投資を増やし、アジア発のコンテンツ配信に力を注ぐ」と宣言。具体的には、2019年には日本、インド、韓国などから100本以上のオリジナルコンテンツの配信を予定しているという。イベントではそんなコンテンツの中から、日本からは実写映画『パシフィック・リム』のアニメ化や、同社オリジナルのSFシリーズ『オルタード・カーボン』のアニメ化、『虫籠のガガステル』のアニメ化など製作が発表され、インドからは大ヒット映画『バーフバリ』の前日譚のドラマ化など8本の新作、また韓国からは李氏朝鮮時代が舞台の時代劇ゾンビスリラーの『キングダム』が発表され、大いに盛り上がった。

そこで、サランドス氏にあらためてアジアに注力する理由を尋ねた。「アジアは世界でも観客を引き付ける高い創作力が集まっている地域です。たとえば、日本のアニメのクオリティは世界のどこよりも優れている。インドのボリウッドも韓国のドラマも他の国には見られないものがある。その多様性や独自のスタイルを活かした作品を作ればより多くのファンを獲得できると確信しています」。また、こうも続けた。「我々はアメリカから世界へとビジネスを展開していく過程で、国ごとにユーザーのコンテンツの好みは異なるということを知りました。そこで、各地域の文化に適するコンテンツを作ることができるクリエイターに投資し、自由に作ってもらっています」。

とはいえ、各地域発のコンテンツが世界中で必ずしも受け入れられるとは思えないのだが……という質問をぶつけると「確かに容易ではありません。事実、2012年に配信したノルウェーと共同制作の初のオリジナルシリーズ『リリハマー』は、アメリカではノルウェーの文化や常識が理解されず、あまり人気を得られなかった。でも、私たちはその地域のリアリティを伝えていきたい。グローバルにビジネスを展開していく上では、リアルを伝えることで他の地域の人々が興味を持ち、世界に広がっていくことにつながると思います」。

ところで、イベントでは触れられなかったが、2019年、日本からはアニメだけでなく、園子温が手がける実写ドラマの『愛なき森で叫べ』、蜷川実花が監督を務める『Follwers』、また山田孝之の『全裸監督』も配信される。日本のドラマについて、どう捉えているのか。サランドス氏は「日本のドラマにも興味は持っています。これからも積極的に進めたいとも思っています。ただそのためにはきちんとした物語を発見する必要があるし、どれだけの視聴者が興味を持つか見極める必要があります。昨年配信した中では『宇宙を駆けるよだか』が日本の国内だけでなく、海外でも評判が良かったんです。視聴者の様子を見ながら、ドラマも幅広く展開していきたいと思います」と話した。

2019年半ばにはAppleが、そして後半にはディズニーが動画配信サービスに乗り出してくる。最後に、そのことをCEOのヘイスティングにぶつけると、「エキサイティングですね。ディズニーのような巨大エンタテインメントの会社がインターネットの重要性に気づいたということは大きなチャンスになります。もちろん、アグレッシブなチャレンジも必要だけれど、楽しみにしています」と笑顔で答えた。2019年、Netflixがどんな動きをするのか、目が離せそうにない。

取材・文:前田かおり

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